個人投資の拡大には、顧客満足向上が有効

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CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:アルバート ラパーズ、略称:J.D. パワー)は、2012年日本投資サービス顧客満足度調査の結果を発表した。

当調査は、民間の銀行、証券会社で、投資信託・株式・外貨預金・FXなどの投資サービスを利用している個人を対象に、直近1年間のサービス利用経験に対する満足度を調べたもので、全国の18歳以上の男女を対象にしている。初年度となる今回の調査は、2012年5月にインターネット調査にて実施し、16,234人から回答を得た。

満足度の測定にあたっては、「商品・サービス」「口座情報」「手数料・金利」「店舗施設」「問題解決」「顧客対応(担当者・オンライン・コールセンター)」の6つのファクター(要素)を設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出した(1,000ポイント満点)。

当調査では、サービス形態をもとに「対面銀行」「対面証券」「新形態銀行」「ネット証券」の4部門に分け、集計した。なお、信託銀行についても参考データとして聴取している。


三井住友銀行、野村證券、住信SBIネット銀行、SBI証券が各部門で1位

対面銀行 部門(対象19行)
三井住友銀行が顧客満足度第1位となった。同行は「商品・サービス」、「口座情報」、「オンライン」の評価が高い。特に、他行に比べて顧客がインターネットサービスを利用している割合が高く、その利便性への高評価が特徴的である。第2位の埼玉りそな銀行は「店舗施設」の評価が高い。

対面証券 部門(対象5社)
野村證券が顧客満足度第1位となった。同社は「担当者」(営業職員)の評価が特に高く、担当者の接遇・知識・対応力が強みとなっている。また、情報提供やアフターフォロー等、サービス面の評価も高い。第2位の大和証券は「手数料・金利」、「コールセンター」の評価が高い。

新形態銀行 部門(対象7行)
住信SBIネット銀行が顧客満足度第1位となった。同行は「手数料・金利」に対する圧倒的な高評価に加え、「オンライン」、「口座情報」の評価も高い。第2位のソニー銀行は、全般的に高評価だが、特に「コールセンター」への評価が高い。

ネット証券 部門(対象5社)
SBI証券が顧客満足度第1位となった。同社は「手数料・金利」、「問題解決」でトップ評価を得ている。第2位のマネックス証券は、「商品・サービス」、「口座情報」、「オンライン」の評価が高い。当部門では各社の強み・弱みが領域ごとに大きく異なっており、厳しい競争環境下で、少しでもサービスでの差別化を図ろうとしている様子が伺える。

顧客満足度が低い銀行・証券業界、ゆえにサービス改善の余地は大きい

銀行・証券会社の投資サービスに対する顧客満足度は業界全体として低く、特に対面銀行、対面証券部門の業界平均点(共に518ポイント)は、過去1年に当社が実施した様々な業界満足度調査の中で最低点である。例えば、生命保険業界では満足している人が全体の約6割を占めるが、対面銀行、対面証券部門では3割と約半数である。また、当社が北米で実施している投資サービス満足度調査(775ポイント)と比べても、その水準は非常に低い。

しかし、今回の調査では投資サービスにおける満足度向上が、個人投資の拡大、および金融機関の収益増加に繋がることが明らかになった。例えば、今後投資額を増やしたいと答えた人は全体で16%だが、利用する金融機関への満足度が高い顧客では、その割合が32%と2倍にも増える。更に、満足度の高い顧客は約4割が利用する金融機関を“実際に”周囲の人に推奨しており、満足度の向上は投資顧客獲得に効果的だといえよう。

金融商品販売は法規制をはじめ様々な制約があるが、顧客サービスの改善に取り組めば満足度が向上する余地は大きい。例えば、対面証券・対面銀行では、“専任”の担当者が顧客の関心事を理解した上で適切な提案を行った場合に満足度が大きく向上するが、このような対応を受けている顧客は、全体のわずか1割未満である。ネット証券・新形態銀行では、トレーディングツール、投資シミュレーター等、金融機関が提供する投資サポートツールの利用有無が満足度を大きく左右するが、これらの利用率も4割未満である。

ここ10年、投信販売の拡大に注力した銀行、低価格や利便性で顧客を増やしたネット証券・銀行も、その成長は鈍化しつつある。顧客に信頼され、更なる成長を目指すには顧客目線でのサービス改善がカギを握るといえる。

*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。

株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて

当社は米国J.D. パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始め通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。プライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトwww.jdpower.co.jpまで

J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて

ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D. パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、パフォーマンス改善、ソーシャル・メディア、顧客満足に関するインサイトとソリューションを提供している国際的なマーケティング情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。

ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて

2011年9月12日にマグロウヒルは、国際的な金融市場に情報・分析サービスを提供する世界有数のビジネス情報サービス企業であるマグロウヒル・フィナンシャルと、世界規模でのデジタル教育サービスに特化した教育事業のマグロウヒル・エデュケーションの2社に分割すると発表した。マグロウヒル・フィナンシャルの主なブランドはスタンダード&プアーズ・レーティング・サービス、S&P Capital IQ、S&P Indices、プラッツ・エナジー・インフォメーション・サービス、J.D. パワー・アンド・アソシエイツである。

世界40カ国に280カ所以上の拠点、約23,000人の従業員を有し、2011年の売上高は62億ドルにのぼる。詳細はウェブサイトwww.mcgraw-hill.comまで。

J.D. Power Ratings

For additional J.D. Power ratings data, please visit www.jdpower.com/cars and www.jdpower.com/ratings.