テレビでの動画・映像配信サービスの利用者が増加傾向、通信品質の向上が顧客満足度のカギ
動画・映像サービス利用者は、特典、ポイントサービス、通信品質など多面的に高品質なサービスを期待
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2023年固定ブロードバンド回線サービス顧客満足度調査SMの結果を発表した。
テレビ画面での動画・映像配信サービス視聴利用は増加傾向
固定インターネット回線の利用内容をみると、「動画・映像サービスの視聴/投稿」は3年前の調査(2020年2月発表)の53%から年々増加傾向にあったが、本調査では昨年と横ばいの59%にとどまった。昨秋からの行動制限の緩和や全国旅行支援の再開により、巣ごもり需要が一巡したことを背景に、動画サービスの増勢が一服した様子がうかがえる。
一方で、昨今のスマートテレビやストリーミングデバイスの利用拡大を背景に、テレビ画面での動画配信サービス視聴は増加傾向にある。固定インターネット回線に接続している機器をみると、「テレビ」は約4割にものぼり、2020年調査の29%より10ポイント以上増加していることが確認できた。視聴のタイミングやコンテンツを自分で選べることから、これまではスマートフォンやタブレット端末、パソコンで動画・映像サービスを視聴されることが多かったが、テレビ画面での視聴が進んでいることがうかがえた。
動画・映像サービス利用者は、特典、ポイントサービス、通信品質など多面的に高品質なサービスを期待
本調査では固定インターネット回線サービスに今後期待するサービスについても聴取しているが、動画・映像サービス利用者は市場全体より総じて固定インターネット回線サービスに対しての期待値が高い傾向にある。
料金面では、「長期契約者向けの特別サービスや特典の提供/拡充」、「利用実績に応じたポイントサービス/プログラムの拡充」が市場全体より多く挙がっていた。通信面では、「より高性能な無線LAN(Wi-Fi)ルーターの提供/交換」が市場全体より求める声が強かった。動画や映像サービス利用者は、長期利用特典といった提供サービスや、ポイントサービスといった料金面に加えて、安定的な通信品質の提供を事業者に求める傾向が強いことがうかがえた。
動画・映像サービス利用者の顧客満足度向上には通信品質の向上が鍵
顧客満足度をみると、動画・映像サービス利用者は市場全体に比べ、通信品質関連の評価についての満足度の振れ幅が大きいという特徴が確認できる。具体的には、品質面で「時間帯によって速度が遅くなったり、接続が安定しないことがある」といったような使いづらさを週に1回以上感じると、通信品質に対する満足度が市場全体(-181ポイント)よりも大きく(-195ポイント)低下してしまうが、そのような経験が全くない場合、通信品質の満足度が市場全体(+85ポイント)より大きく(+98ポイント)向上することがわかった。動画・映像サービス利用者は通信品質に対する期待値も高く視聴時間が長い傾向にあることから、品質面の優劣を感じやすく、その分、通信品質の評価への影響が大きいと考えられる。
今後も動画サービスはじめ高速度・高負荷サービスの利用は増え、自宅内でインターネットに接続する機器の数も増えていくことが予想される。このようなニーズや期待を持つ顧客の維持継続を図るために、各事業者は安定的な品質の提供や、顧客への最新のWi-Fiルーターの提供(交換)などがますます求められるだろう。
J.D. パワー 2023年固定ブロードバンド回線サービス顧客満足度No.1を発表
本調査での全国9エリアにおける総合満足度ランキングは下記の通り。
<北海道エリア>(対象5ブランド)
第1位:フレッツ光(NTT東日本)(595ポイント)
「通信品質」、「各種提供サービス」の2ファクターで最高評価。
第2位:auひかり 、SoftBank 光(同点、585ポイント)
auひかりは「サポート」ファクターで最高評価。
SoftBank光は「各種費用」ファクターで最高評価。
<東北エリア>(対象4ブランド)
第1位:ドコモ光 、フレッツ光(NTT東日本)(同点、578ポイント)
ドコモ光は「各種提供サービス」ファクターで最高評価。
フレッツ光(NTT東日本)は「通信品質」ファクターで最高評価。
第3位:SoftBank 光(563ポイント)
「各種費用」ファクターで最高評価。
<関東エリア>(対象8ブランド)
第1位:NURO光(594ポイント)
7年連続の総合満足度第1位。
「通信品質」ファクターで最高評価。
第2位:楽天ひかり(593ポイント)
「各種提供サービス」、「各種費用」の2ファクターで最高評価。
第3位:フレッツ光(NTT東日本)(581ポイント)
<東海エリア>(対象8ブランド)
第1位:フレッツ光(NTT西日本)(591ポイント)
「通信品質」、「各種提供サービス」の2ファクターで最高評価。
第2位:コミュファ光(578ポイント)
第3位:ドコモ光(575ポイント)
<関西エリア>(北陸含む)(対象9ブランド)
第1位:eo光ネット(635ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。
「通信品質」、「各種提供サービス」、「サポート」の3ファクターで最高評価。
第2位:NURO光(609ポイント)
「各種費用」ファクターで最高評価。
第3位:KCN(603ポイント)
<中国エリア>(対象5ブランド)
第1位:ドコモ光(589ポイント)
「通信品質」、「各種提供サービス」の2ファクターで最高評価。
第2位:メガ・エッグ 光ネット(582ポイント)
「各種費用」ファクターで最高評価。
第3位:フレッツ光(NTT西日本)(579ポイント)
<四国エリア>(対象5ブランド)
第1位:ピカラ光ねっと(624ポイント)
7年連続の総合満足度第1位。
「通信品質」、「各種提供サービス」、「各種費用」、「サポート」の全4ファクターで最高評価。
第2位:ドコモ光(600ポイント)
第3位:フレッツ光(NTT西日本)(587ポイント)
<九州エリア>(対象6ブランド)
第1位:BBIQ光インターネット(635ポイント)
7年連続の総合満足度第1位。
「通信品質」、「各種提供サービス」、「各種費用」、「サポート」の全4ファクターで最高評価。
第2位:ドコモ光(594ポイント)
第3位:auひかり(585ポイント)
<沖縄エリア>(対象4ブランド)
第1位:auひかり ちゅら(621ポイント)
6年連続の総合満足度第1位。
「通信品質」、「各種提供サービス」、「各種費用」の3ファクターで最高評価。
第2位:ドコモ光(603ポイント)
第3位:フレッツ光(NTT西日本)(587ポイント)
《J.D. パワー 2023年固定ブロードバンド回線サービス顧客満足度調査SM概要 》
年に1回、固定ブロードバンド回線サービスを家庭で利用しているユーザーを対象に、固定ブロードバンド回線サービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今回で10回目の実施となる。
■実施期間:2022年12月中旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:固定ブロードバンド回線サービス(FTTHもしくはCATV)を自宅で利用している人(20歳~74歳、世帯内選定関与者)
■調査回答者数:14,740人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「通信品質」(37%)、「各種提供サービス*」(31%)、「各種費用」(26%)、「サポート」(6%)となっている(カッコ内は影響度)。
* 固定インターネット回線事業者が提供している各種サービス。利用実績に応じたポイントサービス/プログラム、インターネット回線を利用した固定電話サービス、テレビ・映像サービス、セキュリティサービスなど。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。
50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。