CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2023年クレジットカード顧客満足度調査SMの結果を発表した。
業界全体の総合満足度は前年から向上、年会費無料部門が牽引
本年調査のクレジットカードの4部門合計の総合満足度は656ポイント(1,000ポイント満点)で、前年比+6ポイントの向上が見られた。
ファクター別では、「会員向けサービス/特典」が+11ポイント、「クレジット機能」が+8ポイント、「手続き・サポート」が+8ポイントの向上となった。一方、「ポイントプログラム」は+3ポイントでほぼ横ばい、「年会費」は-9ポイントの低下となった。
部門別に見ると、プレミアム部門、ハイステータス部門、スタンダード部門では、総合満足度は前年と比べてほぼ横ばいであったが、年会費無料部門では+8ポイント向上し、業界全体の満足度を牽引する結果となった。なお、年会費無料部門では、「会員向けサービス/特典」、「クレジット機能」のファクターで、いずれも+10ポイント以上向上した。
利用頻度は増加するも利用金額は伸び悩み、増額意向の醸成には高い満足度が必要
本調査では、主利用カードの利用頻度を利用場面ごとに聴取している。前年に比べ、「飲食店」で「月に1~3回」の割合が増加するなど、利用頻度の増加が見られる。また、「ホテル/旅館」、「映画・コンサート・イベントなどのチケット」、「レジャー施設」、「航空券/新幹線/特急券」といったトラベル・レジャー系では、「半年に1回くらい」の増加が確認された。コロナ禍の収束により、クレジットカード利用の機会が増加していることが推察される。
一方、月間の利用金額は68,100円で、前年の66,300円から+1,800円の横ばい圏内の動きにとどまっている。
本調査では継続意向(今後も続けて利用したい)や増額意向(利用金額を増やしていきたい)についても聴取しているが、総合満足度が高いほど、これらの意向が高い傾向にあることが確認されている。継続意向と増額意向を比較すると、継続意向では、総合満足度が「700~800ポイント未満」で「そう思う」が半数以上となる。一方、増額意向では、総合満足度が「700~800ポイント未満」では、その割合は7%と大きく下回り、「800ポイント以上」でも3割にとどまる。増額意向を高めるためには、さらに高い顧客満足度を実現することが重要と言える。
J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一のコメント
「物価高や実質賃金の低下を背景に、消費者の節約志向が高まっている。今回の調査ではクレジットカードの利用頻度は増加したものの、利用額に大きな変化は見られなかった。また、総合満足度を構成するファクターで「年会費」のスコアだけが低下したことからも、消費者の財布の紐が固くなっていることが推察される。足元では、コロナの感染症法上の分類が「5類」に移行されたこともあり「飲食店」や「ホテル/旅館」などでの利用頻度が増えている。こうした行動変容に対応した「会員向けサービス/特典」や「ポイントプログラム」を強化することが顧客満足度向上において効果的であると考えられる。」
J.D. パワー 2023年クレジットカード顧客満足度No.1を発表
各部門の総合満足度ランキングは下記の通り。
【プレミアム 部門】(対象3ブランド)
第1位:JCBカード(678ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「クレジット機能」、「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」、「年会費」の4ファクターで最高評価。
第2位:アメリカン・エキスプレス(662ポイント)
「手続き・サポート」ファクターで最高評価。
第3位:ダイナースクラブカード(641ポイント)
【ハイステータス 部門】(対象11ブランド)
第1位:エポスカード(691ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「クレジット機能」、「ポイントプログラム」の2ファクターで最高評価。
第2位:楽天カード(675ポイント)
「会員向けサービス/特典」ファクターで最高評価。
第3位:PayPayカード(671ポイント)
【スタンダード 部門】(対象11ブランド)
第1位:エポスカード(708ポイント)
6年連続の総合満足度第1位。「クレジット機能」、「年会費」の2ファクターで最高評価。
第2位:楽天カード(678ポイント)
「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」の2ファクターで最高評価。
第3位:au PAY カード(649ポイント)
「手続き・サポート」ファクターで最高評価。
【年会費無料 部門】(対象10ブランド)
第1位:JCBカード(685ポイント)
「会員向けサービス/特典」ファクターで最高評価。
第2位:楽天カード(683ポイント)
「ポイントプログラム」ファクターで最高評価。
第3位:三井住友カード(660ポイント)
「クレジット機能」、「手続き・サポート」の2ファクターで最高評価。
《J.D. パワー 2023年クレジットカード顧客満足度調査SM概要》
年に1回、日本国内で発行される個人向けクレジットカードのうち、クレジットカード会社が発行するプロパーカードを保有する本会員(全国の20~69歳)を対象に、直近1年間のサービス利用経験に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で6回目の実施となる。
回答者が複数カードを保有している場合、自身にとって主利用カード(メインカード)と自覚しているカード1枚についての評価を聴取している。
なお、各部門の定義と名称は以下の通り。
◇プレミアム部門:年会費2万円以上かつ国際ブランド提供会社のカード
◇ハイステータス部門:プレミアム部門以外の年会費1万円以上のカード
◇スタンダード部門:年会費1万円未満のカード
◇年会費無料部門:年会費が無料のカード
■実施期間:2023年5月上旬~中旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:クレジットカード会社が発行するプロパーカードを保有する人(20~69歳の本会員。※家族カード、法人カード除く)
■調査回答者数:7,719人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
【プレミアム/ハイステータス部門】:「クレジット機能」(32%)、「ポイントプログラム」(26%)、「会員向けサービス/特典」(21%)、「手続き・サポート」(11%)、「年会費」(9%)
【スタンダード部門】:「クレジット機能」(30%)、「ポイントプログラム」(30%)、「会員向けサービス/特典」(19%)、「年会費」(13%)、「手続き・サポート」(8%)
【年会費無料部門】:「クレジット機能」(38%)、「ポイントプログラム」(34%)、「会員向けサービス/特典」(19%)、「手続き・サポート」(9%)
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。