CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2021年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査SMの結果を発表した。
コロナ禍が続く中においても満足度は対象4部門全てにおいて維持または向上
本調査は「サーバー」「PC/タブレット」「コピー機/プリンター」「業務ソフト」の4つのIT製品部門における、企業向けのテクニカルサポートコールセンターの満足度を調べるものである。
前回調査(2020年12月発表)に引き続きコロナ禍での実施となったが、4部門全てにおいて昨年からの満足度低下は見られず、コロナ前の2019年の満足度水準を維持またはそれを上回るという結果となった。中でも「PC/タブレット」及び「業務ソフト」においてはコロナ禍においても年々コールセンターの満足度は向上しており、「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」に対する評価の上昇が顕著だった。
昨年の新型コロナウイルス感染拡大以降、コールセンターの運営体制の変更等が余儀なくされてきたが、多くのコールセンターにおいて顧客企業の満足度を低下させることなく、従前の対応が引き続き行えていることがうかがえる。また、法人向けサポート対応においてより重要と言える「迅速性」という面において、継続的な改善への取り組みがなされていることがうかがえる結果となった。
オンラインサポートの普及は道半ば、特に少ないチャット機能利用
近年、法人向けのテクニカルサポートにおいても、コールセンターの呼量削減への取り組みとして、チャット機能等のオンラインサポートツールの導入を始める事業者が増えている。しかし、オンラインでの問題解決ツールの利用経験を聴取したところ、「コピー機/プリンター」においては7割が、その他3部門においても約5割~6割が「利用したことがない」としており、オンラインによるサポートツールの利用が広く進んでいるとはまだ言えない結果となっている。
オンラインサポートツールのうち、多く利用されているのは「サポートページ(FAQ等)」や「Eメール」となっており、昨今、多くの事業者が導入を始めている「有人チャット」や「AIチャットボット」についてはどの部門も利用はそれぞれ1割未満と低い結果となった。利用促進に向けてはまずはチャット機能が提供されているという認知を高める取り組みも必要となってくるであろう。
テレワーク企業で好まれるオンラインサポート利用
一方で、テレワークを導入している企業では、オンラインサポートツールを利用する割合がテレワークを導入していない企業と比べて高い傾向が見られた。テレワーク導入企業の従業員は比較的ITスキルが高くオンラインに対する受容性も高いことが推察されるが、このような層からはコールセンターに電話をするよりも手軽に利用できるオンラインツールが好まれるということがうかがえる。
オンラインサポートのユーザビリティ向上とともに、利用者のニーズやスキル、用件内容等に合わせて、コールセンターとオンラインツールの使い分けがこの先さらに進んでいくことが期待される。
J.D. パワー 2021年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。
<サーバー部門>(対象7ブランド)
第1位:リコージャパン(703ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」「電話のつながりやすさ」「製品知識」「説明のわかりやすさ」「応対の丁寧さ」「用件・要望に対する理解力」の6ファクターで最高評価。
第2位:富士フイルムビジネスイノベーション(690ポイント)
「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」ファクターで最高評価。
第3位:大塚商会(679ポイント)
<PC/タブレット部門>(対象7ブランド)
第1位:リコージャパン(715ポイント)
5年連続の総合満足度第1位。「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」「電話のつながりやすさ」「製品知識」「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」「説明のわかりやすさ」「応対の丁寧さ」「用件・要望に対する理解力」の全7ファクターで最高評価。
第2位:大塚商会(694ポイント)
第3位:富士通(624ポイント)
<コピー機/プリンター部門>(対象8ブランド)
第1位:リコージャパン(707ポイント)
「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」「電話のつながりやすさ」「用件・要望に対する理解力」の3ファクターで最高評価。
第2位:富士フイルムビジネスイノベーション(706ポイント)
「製品知識」「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」「説明のわかりやすさ」「応対の丁寧さ」の4ファクターで最高評価。
第3位:大塚商会(698ポイント)
<業務ソフト部門>(対象8ブランド)
第1位:大塚商会(695ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「電話のつながりやすさ」「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」「説明のわかりやすさ」「応対の丁寧さ」「用件・要望に対する理解力」の5ファクターで最高評価。
第2位:PCA(688ポイント)
「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」「製品知識」「説明のわかりやすさ」「応対の丁寧さ」の4ファクターで最高評価。
第3位:オービックビジネスコンサルタント(670ポイント)
「製品知識」ファクターで最高評価。
※大塚商会とPCAの「説明のわかりやすさ」「応対の丁寧さ」の2ファクターのスコアは同点。
※PCAとオービックビジネスコンサルタントの「製品知識」ファクターのスコアは同点。
《 J.D. パワー 2021年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査SM概要 》
年に1回、全国の企業を対象に、「サーバー」「PC/タブレット」「コピー機/プリンター」「業務ソフト」の4つの製品分野の法人向けコールセンターにおけるテクニカルサポート(製品購入後の故障や障害・トラブル、使い方や設定方法)の応対満足度を聴取し明らかにする調査。今年で 6回目の実施となる。
■実施期間:2021年7月中旬~8月中旬
■調査方法:郵送調査
■調査対象:直近1年以内にテクニカルサポートの用件でコールセンターを利用した企業(従業員数5名以上)
■調査回答社数:サーバー:1,141件
PC/タブレット:1,623件
コピー機/プリンター:3,713件
業務ソフト:2,144件
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターに関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」(25%)、「電話のつながりやすさ」(21%)、「製品知識」(12%)、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」(12%)、「説明のわかりやすさ」(12%)、「応対の丁寧さ」(10%)、「用件・要望に対する理解力」(7%)となっている(カッコ内は影響度)。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。