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カスタマーサポートにおけるデジタルチャネル利用定着のポイント

【カスタマーサービス アドバイス&インサイト】第2回:カスタマーサポートにおけるデジタルチャネル利用定着のポイント

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※本記事は2023年1月30日に米国J.D. パワーにて発行されたコラム("The Key to Improving Digital Adoption" By Michael Vermillion)を翻訳したものです。

 

カスタマーサポートにおけるデジタルチャネル(オンラインサポート)の利用が定着しない、または利用が伸びない場合、顧客の意図や目的を把握することで、顧客の視点に立ってこの問題に対処することができる。
顧客の意図を把握するとは、つまり、「顧客はなぜコンタクトをとったのか、どのような問題を解決しようとしているのか、どのような情報を必要としているのか」という問いに答えることである。
顧客の意図を理解することが、デジタルサポートの利用定着が計画通りに進まない理由を知る重要な手がかりとなる。企業が犯しがちなミスとして、その問題の解決においてデジタルが適切なチャネルであるかどうかを考慮せずに、できる限り多くの接点をデジタルチャネルを通じてとろうとすることがあげられる。
答えや問題解決を求める過程で失敗する可能性が高い方向に顧客を導くことは、顧客満足度の低下とリピート率の低下に繋がる。したがって、デジタルチャネルがある特定のカスタマージャーニーやユースケースをサポートするために適切に整備されていない状態で、すべての顧客をやみくもにデジタルチャネルに誘導すると、少なくとも一部の顧客の間で不満や反感を生むことになる。
 
デジタルサポートの利用を定着させる方法
デジタルチャネルの利用定着を促進するために、企業はデジタルチャネルに誘導された顧客がそこで高い確率で問題解決ができるようにする必要がある。当社J.D. パワーが行っている調査では、顧客があるサポートチャネルに満足し、再びそのサポートチャネルを利用したいと思うためには、問題解決の成功率が85%以上でなければならないことがわかっている。それ以下の場合、不満や再コンタクトの必要性を招き、顧客が将来的にデジタルチャネルを利用することを躊躇することになりかねない。
 
顧客がデジタルチャネルで問題解決が可能かどうかを判断するには、まず顧客の意図を理解する必要がある。顧客の意図や目的がデジタルチャネルが対応できるサポート機能と一致していれば、その顧客をデジタルチャネルに誘導すべきである。一致していない場合は問題解決に至る成功率がより高い、電話や(有人)チャットなど他のチャネルで連絡を取ってもらうようにする必要がある。
 
どのように顧客の意図を理解するか
顧客の意図の理解は、マーケティングプログラムにおいてコンバージョン率やROIを改善する方法として、数年前から注目されている。マーケティング担当者は、購入プロセスにおける顧客の行動を調べ、それをCRMやその他のパーソナライゼーションツールから得られる顧客情報と比較することで、顧客の意図を予測している。
カスタマーサービス部門においても、それと同様のツールや手法を活用して、顧客の意図や目的を理解することができる。停電が発生している場合、電力会社は、顧客がなぜコンタクトしてきたかを高い確度で予測することができる。請求書を発行した翌日や、新しい携帯電話端末を発表した後の携帯電話会社も同様である。
 
デジタルチャネルでの問題解決の成功率を高める方法
まずは、顧客の意図とデジタルチャネルの機能のマッチングを改善することが必要である。次に、チャネルごとの機能のギャップを理解するべきである。あるデジタルチャネルが、あるカスタマージャーニーやユースケースにおいて問題解決する成功率が低い場合、何が失敗の原因となっているかを理解する必要がある。
  • デジタルチャネルがサポートすることができないカスタマージャーニーやユースケースは何か?
  • より高い問題解決の成功率を実現するために、デジタルチャネルにどのような変更を加え、どのような機能を追加すれば良いか?
別のアプローチとしては、カスタマージャーニーやユースケースを研究し、プロダクトやポリシー、プロセスを簡素化することで、デジタルチャネルによる問題解決が成功する可能性をより高めることができるかどうかを判断する方法がある。
 
始めるにあたって
顧客の意図を理解し、デジタルチャネルの機能を向上させ、プロダクト、ポリシー、プロセスを簡素化するための適切なバランスを見つけるには、部門横断的なチームの形成と経営陣のスポンサーシップが必要となる。
チームが結成されたら、基準値を設定した上で最もミスマッチのあるジャーニーやチャネルを特定し、まずそれらに取り組むべきである。次も同じ作業を繰り返す。いくつかの成功を収めれば、チームは勢いに乗り、組織全体の調整や予算獲得への道も開けるだろう。
顧客の意図や目的とデジタルチャネルの機能をマッチングさせることが、デジタル定着に向けた取り組みの再始動の鍵となる。
 
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