CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間7月26日に、J.D. Power 2023 North America Hotel Guest Satisfaction Index (NAGSI) StudySM(J.D. パワー 2023年北米ホテル宿泊客満足度調査SM)の結果を発表した。
本調査は、過去1年間に北米のホテルに宿泊をした人を対象に、直近の宿泊体験の満足度を測定し、年に1回結果を発表している。27回目となる本年調査では、調査設計の変更が行われている。
旅行ブームが続く中、スタッフサービスと効果的な問題解決が宿泊客の回復を維持
2023年の米国ホテルの平均客室稼働率は63.8%に達し*1、パンデミック前の65.9%に迫る勢いであり、2年連続でレジャー、ビジネス目的の旅行者が北米中のホテルに詰めかけている。ホテルは人員を増やし、顧客サービスを強化することでこの難局に立ち向かってきた。
本調査によると、「スタッフサービス」は、全ファクター中、最も高い満足度となっている。この12ヶ月間でレジャー&ホスピタリティ業界においてスタッフが新規雇用または再雇用により急増したことで、ホテル滞在経験は概してポジティブなものとなっている。
*1 出典:American Hotel & Lodging Association Hotel Occupancy (米ホテル・ロッジング協会 州別2019年実績と2023年予測) https://www.ahla.com/sites/default/files/SOTI_report_Oxford_Data_Occupancy.pdf
2023年調査の主なポイントは以下の通り:
ホテルスタッフの満足度の高さが問題発生率の低さに貢献
「スタッフサービス」に対する満足度は701ポイント(1,000ポイント満点)であり、今年の調査で最も高いスコアのファクターとなった。ホテルスタッフはトラブルの回避と解決に重要な役割を果たしており、86%の宿泊客が滞在中にトラブルが発生しなかったと回答している。
完璧なロビーが総合満足度にプラスの影響
ホテルのロビー/共有エリアでの宿泊客の経験は、総合満足度にプラスの影響を与え得るが、その影響はホテルのクラスによって異なる。例えば、ラグジュアリーホテルの宿泊客にとっては現代的で独自性のあるロビーが重要である。一方、アップスケール、特にアップスケール長期滞在型では、宿泊客は歓迎されている感じがあり、居心地のよいロビーを求めている。
バリューは引き続き満足度にとって極めて重要
宿泊客にとって、バリュー、すなわち支払った料金に対して提供された品質とサービスの内容は、依然として最重要事項である。客室の価格に見合う価値を「素晴らしい」または「完璧」と評価した宿泊客の総合満足度は、そうでない宿泊客よりも302ポイント上回っている。
J.D. パワー ホスピタリティ・プラクティス部門長 アンドレア・ストークスのコメント
「ホテルの雇用は増加の一途をたどっており、レジャー&ホスピタリティ業は、米国労働統計局の毎月の雇用統計で報告される業種の中で花形となっている。このようなホテルスタッフの増員は、高い顧客満足度という形で表れている。スタッフサービスは、この調査のエコノミーからラグジュアリーまで、すべての部門において満足度が最も高いファクターとなっており、宿泊客の体験の中で最前線のスタッフが果たす役割の重要性を浮き彫りにしているといえるだろう。」
顧客満足度ランキング首位ブランド
【ラグジュアリー部門】Waldorf Astoria(ウォルドーフ・アストリア)(788ポイント)
【アッパー・アップスケール部門】Hard Rock Hotels(ハードロックホテル)、Margaritaville Hotels & Resorts (マルガリータヴィル リゾート) (同点、723ポイント、ハードロックホテルは3年連続の総合満足度第1位)
【アップスケール部門】Cambria Hotels(カンブリア ホテル)(738ポイント)
【アップスケール長期滞在部門】Hyatt House(ハイアット ハウス)(729ポイント、2年連続の総合満足度第1位)
【アッパー・ミッドスケール部門】Trademark Collection by Wyndham(トレードマーク コレクション バイ ウィンダム)(762ポイント)
【アッパー・ミッドスケール/ミッドスケール長期滞在部門】Home2 Suites by Hilton(ホーム2スイーツbyヒルトン)(681ポイント)
【ミッドスケール部門】Tru by Hilton (トゥルーbyヒルトン )(708ポイント)
【エコノミー部門】Americas Best Value Inn(アメリカズ ベスト バリュー イン) 、Microtel by Wyndham(マイクロテル バイ ウィンダム)(同点、637ポイント)
【エコノミー長期滞在部門】WoodSpring Suites(ウッドスプリング スイーツ)(609ポイント)
《J.D. パワー 2023年北米ホテル宿泊客満足度調査SM概要》
過去1年間に北米のホテルに宿泊をした人を対象に、直近の宿泊における宿泊体験の満足度を測定し、年に1回結果を発表している。
27回目となる本年調査では、調査設計の変更が行われている。今回より新規にエコノミー長期滞在部門が調査に加わった。
■実施期間:2022年6月~2023年5月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象: 2022年5月~2023年5月の期間にホテルに宿泊した人
■調査回答者数:33,754,人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
【ラグジュアリー部門】:「バリュー」(27%)、「客室」(18%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテル施設」(15%)、「コミュニケーション&コネクティビティ*2」(12%)、「料飲」(10%)
【アッパー・アップスケール部門】:「バリュー」(27%)、「客室」(18%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテル施設」(15%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(12%)、「料飲」(10%)
【アップスケール部門】:「バリュー」(26%)、「客室」(19%)、「スタッフサービス」(17%)、「ホテル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(13%)、「料飲」(9%)
【アップスケール長期滞在部門】:「バリュー」(27%)、「客室」(21%)、「スタッフサービス」(17%)、「ホテル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(11%)、「料飲」(9%)
【アッパー・ミッドスケール部門】:「バリュー」(28%)、「客室」(19%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(13%)、「料飲」(7%)
【アッパー・ミッドスケール/ミッドスケール長期滞在部門】:「バリュー」(27%)、「客室」(21%)、「スタッフサービス」(17%)、「ホテル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(11%)、「料飲」(9%)
【ミッドスケール部門】:「バリュー」(28%)、「客室」(19%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(13%)、「料飲」(7%)
【エコノミー部門】:「バリュー」(28%)、「客室」(20%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテル施設」(17%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(16%)
【エコノミー長期滞在部門】:「バリュー」(28%)、「客室」(20%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテル施設」(17%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(16%)
*2 コンセントやUSBポートの利便性、TVチャンネルやアクセス可能なストリーミングサービスの選択肢の幅広さ、インターネット/Wi-Fiの品質、支払い方法の選択肢の多さ、モバイル機器でのホテルサービスの利用のしやすさなど。
*本報道資料は、現地時間 2023年7月26日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
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