CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、今年で21回目の実施となる、J.D. パワー 2022年日本自動車サービス顧客満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査SMの調査結果を発表した。
スコアの概要は下記の通り:
- 2022年の総合満足度の業界平均スコアは727ポイント(1,000ポイント満点)で、前年比+5ポイント。
- ファクター別の業界平均スコアは、「店舗施設・サポート」が723ポイント、「予約/入庫」が732ポイント、「サービス品質/納車」が725ポイントとなった。
- セグメント別の総合満足度スコアは、ラグジュアリーブランド平均が769ポイント、マスマーケット国産ブランド平均が724ポイント、マスマーケット輸入ブランド平均が755ポイントとなった。
2022年調査の主なポイントは下記の通り:
顧客接点のDX化が浸透の兆し
様々な企業で、顧客接点ツールとしてスマートフォンのモバイルアプリが活用されている。自動車メーカー各社でもモバイルアプリを提供し、車両情報の管理、エンジンの始動やドアロックの操作、ナビゲーションシステムとの連携など、多様な機能を展開している。
本調査で、保有している自動車メーカーのモバイルアプリを利用している顧客は、前年の22%から28%に増加していることが確認できた。特にラグジュアリーブランドでの利用率は半数に達しており、モバイルアプリの浸透がうかがえる。
また、ディーラーからのイベントや定期点検の案内などの連絡では、「電話」、「ダイレクトメール」、「手紙やはがき」といった従来の方法が依然として主流ではあるものの、その実施割合は前年の同水準以下にとどまったのに対し、「ショートメッセージやLINEなどのコミュニケーションアプリ」は前年の12%から15%に増加している。このことからも、自動車メーカー各社による顧客接点のDX化が進みつつあるといえる。
デジタルツールの活用は満足度向上に有益な手段
車検などの定期点検や故障修理の目的でディーラーを利用した際のデジタルツールの活用状況をみると、入庫予約の際に「メーカー/販売店のウェブサイト」を利用した割合は、前年の8%から11%に増加している。
その一方で、保有している自動車メーカーやディーラーに対する今後の期待では、「来店日時のインターネット予約」が25%と最多であり、顧客のニーズに十分に対応しきれていない現状もみてとれる。
また、入庫してから作業完了後の納車の際に、担当者から「パソコン/タブレット端末の請求明細書」で作業内容の説明を受けた割合は、前年の11%から13%とやや増加しているものの、「作業内容が記載された紙の請求明細書」(72%)と比べると依然大きく下回っている。総合満足度との関係をみると、パソコン/タブレット端末の請求明細書で説明を受けた場合は、紙の請求明細書より高い評価を得ており、今後の更なる活用が期待される。
多くの業界で人手不足が指摘される中、新車ディーラーでも十分とは言えないスタッフ数で運営をしているケースが見受けられる。今回の調査結果は、ディーラーにおいてもデジタルツールの活用が徐々に浸透してきている様子が読み取れるものであり、顧客満足度の観点からもデジタルツールの活用はポジティブな影響をもたらすことが確認できた。限られた人員で効率的な店舗オペレーションを実現していくためには、デジタルツールは欠かせない手段の一つであり、今後ますますその活用を加速化させていく必要があるだろう。
J.D. パワー 2022年 日本自動車サービス顧客満足度調査 総合満足度ランキング
【ラグジュアリーブランド】(対象5ブランド)
第1位:レクサス(815ポイント)
「店舗施設・サポート」「予約/入庫」「サービス品質/納車」の全ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:BMW、ボルボ(同点、759ポイント)
【マスマーケット国産ブランド】(対象8ブランド)
第1位:日産(741ポイント)
「店舗施設・サポート」「予約/入庫」の2ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:ホンダ(735ポイント)
第3位:マツダ(728ポイント)
【マスマーケット輸入ブランド】(対象5ブランド)
第1位:フォルクスワーゲン(772ポイント)
「店舗施設・サポート」「サービス品質/納車」の2ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:ジープ(761ポイント)
《 J.D. パワー 2022年日本自動車サービス顧客満足度調査概要SM 》
年に一回、新車購入後14~49ヶ月が経過した顧客を対象に、メーカー系正規販売店で直近1年間に点検や修理などのアフターサービスを利用した際の販売店対応に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今年で21回目の実施となる。
■実施期間:2022年5月~6月
■調査方法:インターネット
■調査対象:新車購入後14~49ヶ月が経過し、最近1年間にメーカー正規ディーラーにサービス入庫したユーザー(18歳以上)
■調査回答者数:8,720人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に「店舗施設・サポート」(35%)、「サービス品質/納車」(34%)、「予約/入庫」(31%)となっている(カッコ内は影響度)。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。企業の顧客満足度改善やパフォーマンス向上のソリューション提供のため、現在、北米、南米、アジアパシフィック、ヨーロッパでビジネスを展開しています。
J.D. パワーでは、本調査以外にも、毎年複数の自動車関連調査の結果をリリースとして発表しています。
~2022年 J.D. パワー 自動車関連調査発表スケジュール~
- 日本自動車セールス顧客満足度調査 SSI(8月)
- 日本自動車サービス顧客満足度調査 CSI(8月)
- 日本自動車初期品質調査 IQS (9月)
- 日本自動車商品魅力度調査 APEAL(10月)
- 日本自動車テクノロジーエクスペリエンス調査 TXI(11月)