CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2020年クラウドサービス提供事業者顧客満足度調査SM<クラウド型グループウェア導入ベンダーセグメント>の結果を発表した。
コロナ禍でも、いまだ少ないワークフロー連携利用
新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに広がったリモートワーク実践に向け、クラウドベースの統合グループウェア製品が改めて着目されている。
しかし実際に利用されている機能をみると、メールや予定表機能は多いものの、「チャット/メッセンジャー」「WEB会議 音声通話」「ファイル共有(ストレージ)」「掲示板(社内ポータル)」といった機能については、まだ4割前後の利用に留まっている。様々なコミュニケーション機能を備える統合グループウェア製品であるが、多くの機能がまだ十分に顧客に使われていないと言える。
また、社内申請・承認など、社内業務手続きの電子化システムである「ワークフロー」機能の利用については、その利用はまだ2割弱と少ない。
多くの企業がリモートワークに向けた業務のデジタル化に取り組む中、社内稟議や契約フローの電子化に対するニーズは高いと考えられ、この先ワークフロー機能の利用増も予想される。
一方、このようなDX推進の一歩となるワークフロー機能であるが、顧客満足度を見ると、ワークフロー機能を利用している場合の導入支援ベンダーに対する総合満足度は業界平均を下回り、「導入後サポート」に対する評価が低いという結果となっている。この背景には、サードパーティ製品との連携等、サポート対応が難しいことが推察される。顧客の円滑な社内業務やリモートワーク実践に向けて、従来以上の総合的なサポート力が今後益々必要とされていくであろう。
J.D. パワー 2020年クラウドサービス提供事業者顧客満足度<クラウド型グループウェア導入ベンダーセグメント>No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。
第1位:大塚商会(595ポイント)
「導入・構築対応」「営業対応」「導入後サポート」「コスト」の全4ファクターで最高評価。
第2位:KDDI(563ポイント)
第3位:ソフトバンク(559ポイント)
≪ J.D. パワー 2020年クラウドサービス提供事業者顧客満足度調査SM<クラウド型グループウェア導入ベンダーセグメント>概要 ≫
年に一回、クラウドタイプの統合グループウェア製品の販売・導入支援を行うシステムベンダーの満足度を聴取し明らかにする調査。今年で6回目の実施となる。
■実施期間:2020年8月下旬~9月下旬 ■調査方法:郵送調査
■調査対象:クラウド型グループウェア*を導入している全国の従業員数50名以上の企業
■調査回答社数:973社
* 2020年調査からはMicrosoft 365(Office365)、G Suite、cybozu.com、desknet’s NEO、LINE WORKSの5製品を対象として実施
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「導入・構築対応」(39%)、「営業対応」(32%) 「導入後サポート」(15%)「コスト」(14%)となっている(カッコ内は影響度)。
