Press Release

2023年ふるさと納税サイト顧客満足度調査

過半数の利用者が寄附の全額を1サイトで行うと回答

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2023年ふるさと納税サイト顧客満足度調査SMの結果を発表した。

総務省によると、2022年度のふるさと納税による寄附額は9,654億円と3年連続で過去最高を更新し、注目度が高まっている。一方、過去を振り返ると過度な返礼品競争の抑制、返礼品調達費の制限に加え、2023年10月よりふるさと納税の指定制度の改正と、制度本来の趣旨に沿った運用が適正に行われるような改正が適宜実施される。そのような状況の中、J.D. パワーではふるさと納税サイトにおける顧客体験、満足度の測定を目的とした調査を今回初めて実施した。

 

総合満足度に最も影響するのは「ウェブサイト/モバイルアプリ」の顧客体験

総合的な顧客満足度の測定にあたって、「ウェブサイト/モバイルアプリ」(見やすさ、検索のしやすさ、手続き・管理のしやすさ、掲載情報のよさなど)、「取り扱い返礼品・自治体」(返礼品の豊富さ・魅力、寄附したい自治体の有無など)、「ユーザー特典」(キャンペーン、ポイントプログラム)の3つのファクターを設定し、総合満足度に対する各ファクターの影響度を算出した。その結果、「ウェブサイト/モバイルアプリ」が41%と最も大きく、続いて「取り扱い返礼品・自治体」が37%、「ユーザー特典」が23%となった。

ふるさと納税サイトを利用し始めた理由として、ポイント還元や返礼品が多く挙がっているが、満足度という観点では「ウェブサイト/モバイルアプリ」での顧客体験がより高い影響を与えていることが分かった。

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過半数の利用者が毎年1サイトのみを利用して全額を寄附

本調査では、顧客満足度に加えて、ロイヤルティについても聴取している。主利用サイトの今後の利用意向について、大多数の利用者(97%)が「今後も続けて利用したい」と回答している(「そう思う」と「まあそう思う」の合計)。また、主利用サイトでの寄附金額の割合については、過半数の利用者(54%)が、複数のサイトを利用せず、寄附金額の全額を1つのサイトのみで行うことを希望していることが分かった。

また、主利用サイトを利用し始めた理由としては、「ポイントプログラムが魅力的」が48%と最も多く、次に「自分が欲しい返礼品が掲載されている」(35%)、「掲載されている返礼品の数や種類が多い」(24%)と続く。そしてこのような傾向は満足度の高い層ほど強まることが確認される。このことから主利用サイトでの利用者の満足度が、継続意向の高さや主利用サイト1社での利用意向の高さに繋がってきたものと考えられる。

一方、10月1日からの制度変更により、各自治体に対し、すべての経費を寄附額の50%に収めることの義務化、加えて、返礼品を地場産にすることの基準変更など、より制度本来の趣旨に沿った運用が行われることとなった。より厳格化されたルール下においては、ふるさと納税サイト事業者各社においては、取り扱う返礼品の豊富さや魅力の訴求だけでなく、寄附金の支払方法の多様化や税額控除に関する手続きの簡略化といった、利用者の利便性を向上させるサービスの差別化が今後の利用促進に有効と言えよう。

今年(2023年1月から12月まで)行うふるさと納税全体に占める、主利用サイトでの寄附金額の割合。

 

過去の寄附体験が自治体へのリピーターを生み出すきっかけに

主利用サイトを通じてふるさと納税をするにあたり、寄附先の自治体を決める理由について聴取しているが、全体の3分の1を超える36%が「自治体で選んでいない」と回答し、特に主利用サイトの利用を始めてから1年未満の利用者で多く見られたが(45%)、5年以上の利用者では28%と約2割低下することが確認された。一方、寄附先の自治体を選んだ理由で最も多かったものは「過去に寄附をして対応がよかった自治体だから」で25%だった。主利用サイトの利用年数が長いほどその割合は増加しており、自治体へ寄附をした際の対応の良さが、次回のふるさと納税における自治体選定の好循環を生み出していると考えられる。

ふるさと納税サイト事業者各社においては、自治体や返礼品のラインナップだけでなく、利用者からの評価が高い自治体をいかに多く扱うかも、より魅力的なサイトの構築に重要と言えよう。

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J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一のコメント

「寄附先の自治体を選んだ理由で、「過去に寄附をして対応がよかった自治体だから」が最も多かったことは注目すべき点といえる。10月から返礼品に関する経費ルールが厳格化されたことにより返礼品の競争環境が緩和していくとみられる中、寄附に対する対応の良さや利用者の利便性向上に向けた取り組みが自治体を選ぶ理由としては従来以上に高まってくるものと考えられる。こうしたことを踏まえれば、ふるさと納税サイトにおいては取り扱い返礼品の単純な数や魅力度の向上だけでなく、対応力の高い自治体のサイト掲載数や利用者の利便性を高めるサービスの提供が一層重要となるものと考えられる。寄附受け入れ額を増やす自治体と苦戦する自治体が二極化しているとみられる中、ふるさと納税サイトは単に対応力の高い自治体を囲い込むだけではなく、自治体の対応力を引き上げていく取り組みも重要であると言える。」

 

J.D. パワー 2023年ふるさと納税サイト顧客満足度No.1を発表

総合満足度ランキングは下記の通り。

 

第1位:楽天ふるさと納税(703ポイント)
「ユーザー特典」ファクターで最高評価。

第2位:ふるなび(694ポイント)

第3位:さとふる(693ポイント)

 

《 J.D. パワー 2023年ふるさと納税サイト顧客満足度調査SM概要 》

年に1回、直近1年以内にふるさと納税サイトを利用した人を対象に、主利用ふるさと納税サイトに対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回、初めての実施となる。

■実施期間:2023年7月下旬 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:直近1年以内にふるさと納税サイトを利用した人(20~69 歳)
■調査回答者数:2,760人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「ウェブサイト/モバイルアプリ」(41%)、「取り扱い返礼品・自治体」(37%)、「ユーザー特典」(23%)となっている (カッコ内は影響度)。

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

 

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

 

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。

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