CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2024年スマートフォン金融・決済連携プラン顧客満足度調査SMの結果を発表した。
スマホ料金のポイ活系プランの満足度調査を初めて実施
ポイントを積極的に貯める・使用していく活動である「ポイ活」が多くの消費者にとって身近なものとなっている中、昨年以降、携帯電話会社からポイントの還元率等が上がるタイプのスマートフォンの料金プラン投入が相次いでいる。これらは系列の銀行や投資サービス、コード決済やクレジットカードの利用、ECサイトでの決済等でポイント等の上乗せ還元や金銭的特典が得られる料金プランとなっており、自社経済圏への囲い込みやARPU向上に向けた各社の重点プランとなっている。このような中、J.D. パワーでは、携帯電話会社が提供している金融・決済サービスの利用と携帯電話サービス契約を連携させた、ポイントアップタイプの料金プラン「金融・決済連携プラン*1」の満足度調査を本年初めて実施した。
*1 ahamoポイ活(ahamo)、auマネ活プラン(au)、ペイトク(SoftBank)、Rakuten最強プラン(楽天モバイル)の4プランが対象
※英文表記アルファベット順
若年層で高い満足度
顧客満足度の測定にあたっては、「使用可能データ容量/通信速度」、「金融・決済特典のよさ」、「各種キャンペーン/適用割引」、「契約手続き時の説明」の4つのファクターを設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出した。スマートフォン金融・決済連携プランの総合満足度は639ポイント(1,000点満点)となり、年代別にみると、若年層(18-39歳)で650ポイントと最も高く、中年層(40-59歳)では638ポイント、高年層(60-74歳)は626ポイントと最も低い結果となった。若年層と高年層のファクターごとの満足度を比較すると、「金融・決済特典のよさ」でのスコア差が最も大きく、若年層では6.59ポイント(10点満点)、高年層では6.17ポイントと大きな差が見られている。高年層と比べ、若年層では還元特典対象となる決済利用額が大きく、ポイント上乗せといった還元特典をより多く享受している傾向が高いことが背景にあると推察される。還元特典対象となる決済利用額の大きさと満足度の高さは比例しており、決済サービスの利用が増えるほどプランに対する満足度の向上が期待できる。今後も自社決済サービスの効果的なキャンペーンや利便性向上を通じて、ユーザーの決済利用額増大に向けた取り組みが期待される。
データ通信容量の満足度は高いものの、特典内容等の契約時説明に課題
「使用可能データ容量/通信速度」、「金融・決済特典のよさ」、「各種キャンペーン/適用割引」、「契約手続き時の説明」の各ファクターの満足度評価を横並びに比較すると、「使用可能データ容量/通信速度」の評価が6.46ポイント(10点満点)となり、4ファクター中、最も高かった。金融・決済連携プランはデータ通信量が大容量・無制限となっているものが多く、月のデータ通信量が多いユーザーほど、「使用可能データ容量/通信速度」の評価が高くなる傾向が見られている。特に月20GB以上や100GB以上と、比較的中規模・大規模のデータ通信量を消費しているユーザーにおいて評価が顕著に高い。このようなユーザーにおいては、金融・決済サービス利用に伴う上乗せ還元等によって、実質的なコスト負担を少なくしながら容量を気にせずデータ通信を使用できることが評価されていると考えられる。
一方で、4ファクター中、最も評価が低かったファクターは「契約手続き時の説明」(6.32ポイント)となった。加入によって得られる金融・決済特典がわかりやすいかを聴取したところ、「わかりにくい」とするユーザー(特典のわかりやすさに対して「そう思わない」または「あまりそう思わない」と回答したユーザー)は計38%となり、特に高年層において45%と半数近くに達している。プラン加入時に内容説明を受けたチャネルまたは確認したチャネルは、「ホームページ」が最も多く(39%)、次いで「店舗」(29%)となっているが、どちらのチャネルを利用したユーザーにおいても、特典が「わかりにくい」と回答したユーザーがそれぞれ35%、36%と4割近くを占めている。還元特典等については、適用条件が複雑なケースや上限額が設定されているケースがあるが、これらの理解が不十分なまま加入したユーザーも一定数いると考えられる。販促や申込時において、ユーザーの誤認防止に努めるための丁寧な表示や説明方法の工夫・改善が求められる。
J.D. パワー 2024年スマートフォン金融・決済連携プラン顧客満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。(対象3ブランド)
第1位:au(647ポイント)
「使用可能データ容量/通信速度」、「各種キャンペーン/適用割引」、「契約手続き時の説明」の3ファクターで最高評価。
第2位:SoftBank(642ポイント)
「金融・決済特典のよさ」ファクターで最高評価。
第3位:楽天モバイル(638ポイント)
《J.D. パワー 2024年スマートフォン金融・決済連携プラン顧客満足度調査SM概要》
年に1回、金融・決済連携タイプの料金プラン*2を契約しているスマートフォン利用者を対象に、利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今回、初めての実施となる。
*2 携帯電話会社の決済サービス利用やEC決済を通じて、より多くの金銭的還元(ポイント還元等)が受けられる、または、携帯電話会社の金融サービス(銀行、証券等)の利用により金銭的な特典(残高やポイント還元、あるいは利息アップ等)が受けられるタイプの料金プラン。2024年調査の対象はahamoポイ活(ahamo)、auマネ活プラン(au)、ペイトク(SoftBank)、Rakuten最強プラン(楽天モバイル)の4プラン。
■実施期間:2024年7月下旬~8月上旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:金融・決済連携タイプのスマートフォン料金プランを契約している人(18~74歳)
■調査回答者数:1,152人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「使用可能データ容量/通信速度」(31%)、「金融・決済特典のよさ」(25%)、「各種キャンペーン/適用割引」(23%)、「契約手続き時の説明」(22%)となっている(カッコ内は影響度)。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。
J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。