CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、CEO:木本卓、略称:J.D. パワー)は、2025年携帯電話サービス顧客満足度調査の結果を発表した。
本調査は2021年調査より、大手キャリア1、バリューキャリア2、MVNO3、オンライン専用ブランド/プラン4の4部門に分けて顧客満足度を測定している。
MVNOやオンライン専用において「通信品質」の満足度が低下
本年の4部門を合算した業界全体の総合満足度スコア(1,000ポイント満点)は623ポイントで、前年(625ポイント)と比較して大きな変化は見られなかった。部門別でも、前年比で1~4ポイントの増減にとどまっている。
総合満足度への影響度が最も大きい「通信品質」ファクターにおいても、業界全体では633ポイントとなり、前年(634ポイント)と同水準となっている。しかし、部門別に「通信品質」ファクターのスコアを見ると、MVNO部門では-10ポイント、オンライン専用ブランド/プラン部門では、-17ポイントの低下が見られた。
MVNO部門では、一部の携帯電話事業者の回線網を利用しているMVNOユーザーでスコアが低下している。オンライン専用ブランド/プラン部門では、一部ブランドで顕著なスコア低下が見られた。通信品質面の今後の改善が期待される。
料金プランの値上げ、半数が否定的な一方で3割超が100~300円程度の値上げを許容
昨今、複数の携帯電話事業者において、料金プランにおける値上げの動きが見られ始めている。料金プランの値上げに対する許容意向をユーザーに聴取したところ、全体では、「今後も今の料金を維持すべき」と考えるユーザーが52%と約半数となった。この傾向はいずれの部門においても同様に見られ、今後の値上げに対して厳しい姿勢を示すユーザーは、各部門で概ね半数前後となっている。
一方で、料金プランの値上げに対し「100~300円程度の値上げがあっても仕方がないと思う」と考えるユーザーがどの部門でも3割以上確認され、特にMVNO部門では44%であった。
各事業者において、様々な付加サービスを組み込んだ高価格帯の新料金プランの導入も進んでいる。値上げに対してシビアな考えを示すユーザーが多い中で、値上げの背景や付加価値の内容を分かりやすく伝えるための工夫や、ユーザーの理解を促す丁寧なコミュニケーションが、今後より一層求められるだろう。
J.D. パワー 2025年携帯電話サービス顧客満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。
<大手キャリア部門>(対象3ブランド)
第1位:docomo、SoftBank(同スコア、604ポイント)
docomoは5年連続の総合満足度第1位。「通信品質」ファクターで最高評価。
SoftBankは「各種費用」、「サービスメニュー」、「提供端末」の3ファクターで最高評価。
<バリューキャリア部門>(対象3ブランド)
第1位:UQ mobile、Y!mobile(同スコア、645ポイント)
UQ mobileは「提供端末」、「手続き・サポート対応」の2ファクターで最高評価。
Y!mobileは4年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「サービスメニュー」の2ファクターで最高評価。
<MVNO部門>(対象6ブランド)
第1位:日本通信SIM(695ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種費用」の2ファクターで最高評価。
第2位:mineo(662ポイント)
第3位:IIJmio(660ポイント)
<オンライン専用ブランド/プラン部門>(対象3ブランド)
第1位:povo(703ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種費用」、「サービスメニュー」、「手続き・サポート対応」の4ファクターで最高評価。
第2位:LINEMO(672ポイント)
J.D. パワー 2025年携帯電話サービス顧客満足度調査SM概要
年に1回、スマートフォンを利用している人を対象に、携帯電話サービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今回で27回目の実施となる。
■実施期間:2025年7月下旬~8月上旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:スマートフォンを利用している人(18歳~74歳)
■調査回答者数:大手キャリア部門:9,300人 バリューキャリア部門:4,600人 MVNO部門:2,900人 オンライン専用ブランド/プラン部門:2,400人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
「通信品質」(29%)、「各種費用」(27%)、「サービスメニュー」(20%)、「提供端末」(13%)、「手続き・サポート対応」(12%)
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
詳細はhttps://japan.jdpower.com/ja/our-benchmarking-study-methodologyをご覧ください。
【ご注意】チャートやデータを記事に引用する場合には、出典元として本調査名を明記してください。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
1大手移動体通信事業者(MNO)のメインブランドの携帯電話サービス(au、docomo、SoftBank)
2大手移動体通信事業者のサブブランドまたは準大手移動体通信事業者の携帯電話サービス(楽天モバイル、UQ mobile、Y!mobile)
3仮想移動体通信事業者(MVNO)による携帯電話サービス(本調査対象はイオンモバイル、BIGLOBEモバイル、IIJmio、J:COMモバイル、mineo、日本通信SIM)
4大手移動体通信事業者が提供しているオンラインのみでの手続き・サポートを基本とする携帯電話サービス(ahamo、LINEMO、povo)
※( )内サービス名は英文表記アルファベット順