CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、2025年集合住宅向け全戸一括インターネットサービス顧客満足度調査の結果を発表した。J.D. パワーでは個人で加入し自宅で利用する固定インターネット回線サービスやホームルーターサービスの顧客満足度調査を実施してきたが、今回初めて、集合住宅向けに全戸一括で提供されるインターネット回線サービス1 に対する顧客満足度調査を実施した。
総合満足度への影響度、「通信品質」が過半を占める
満足度の測定にあたっては「通信品質」、「各種オプションサービス」、「サポート」の3ファクターを設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度を基に、総合満足度スコアを算出した。集合住宅向け全戸一括インターネットサービスの総合満足度に対する影響度は、「通信品質」が54%と最も大きく過半を占めた。
今やインターネットはメールの送受信やウェブサイト閲覧にとどまらず、動画視聴、オンラインゲーム、テレワークといった多様な目的で使われる生活インフラとなっている。日々の様々な利用シーンにおいてストレス無く快適に使えるかという点がやはり重要な要素となっていることがうかがえる結果となった。
約4割のユーザーが月1回程度以上「速度が遅くなる」といった不具合を経験
インターネット利用中の不具合経験頻度を聴取したところ、「突然通信の速度が遅くなる」という事象については、「週に1回以上」、「月に2~3回程度」がそれぞれ15%、「月に1回程度」が9%となり、月1回程度以上このような不具合を経験しているユーザーは合計で39%となった。また、「時間帯によって速度が遅くなったり、接続が安定しないことがある」という事象についても、月1回程度以上経験しているユーザーは合計で42%となり、約4割ものユーザーがこのような通信不具合を毎月経験している。この状況は、集合住宅の規模に関わらず、概ね同様となっている。10戸以下の小規模集合住宅では、月1回程度以上「突然通信の速度が遅くなる」という事象を経験しているユーザーは41%、「時間帯によって速度が遅くなったり、接続が安定しないことがある」という事象を経験しているユーザーは42%、500戸以上の大規模集合住宅においても、それぞれ35%、39%となっている。
「接続できなくなる、速度が遅くなる」といった事象が発生する時間帯については、「平日夜間(18時~24時)」が49%、「土日祝の夜間(18時~24時)」が41%と多く挙がっており、建物内の多くの入居者がインターネットを利用すると考えられる時間帯が中心となっている。
賃貸・分譲問わず、物件の付加価値向上や入居者の利便性向上を目的に導入される全戸一括型インターネットサービスではあるが、多くの入居者がその通信品質に不満を抱いていることがうかがえる結果となった。設備増強等、今後の利用環境改善に向けた取り組みが求められる。
J.D. パワー 2025年集合住宅向け全戸一括インターネットサービス顧客満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。(対象11ブランド)
第1位:NTT東日本(580ポイント)
第2位:ソニーネットワークコミュニケーションズコネクト(573ポイント)
第3位:NTT西日本(571ポイント)
J.D. パワー 2025年集合住宅向け全戸一括インターネットサービス顧客満足度調査SM概要
年に1回、集合住宅向け全戸一括インターネットサービスを利用している人を対象に、利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今回、初めての実施となる。
集合住宅向け全戸一括インターネットサービス:建物のオーナー・デベロッパー・管理会社等が回線事業者と一括で契約し、全入居者が無料または管理費・家賃と一緒に費用を引き落とされる形で利用できるインターネット回線サービス
■実施期間:2024年12月中旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:自宅で集合住宅向け全戸一括インターネットサービスを利用している人(20~74歳男女)
■調査回答者数:2,871人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
「通信品質」(54%)、「各種オプションサービス」(36%)、「サポート」(10%)
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
詳細はhttps://japan.jdpower.com/ja/our-benchmarking-study-methodologyをご覧ください。
【ご注意】チャートやデータを記事に引用する場合には、出典元として本調査名を明記してください。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
1 建物のオーナー・デベロッパー・管理会社等が回線事業者と一括で契約し、全入居者が無料または管理費・家賃と一緒に費用を引き落とされる形で利用できるインターネット回線サービス。
