CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴木郁、略称:J.D. パワー)は、2018年 日本大型/小型トラック顧客満足度調査の結果を発表した。調査の結果、オートマチック車全体の車両評価はマニュアル車より高いものの、マニュアル車に比べ、トランスミッションの不具合が発生しやすい傾向が見られることがわかった。
近年、大型トラックはトランスミッションのオートマチック(AMT)化が進んでいる。本調査においても、平成26年以前に登録された車両におけるAMT率が26%であったのに対して、平成29年(1-10月)に登録された車両ではAMT率が40%であった。AMT車全体の車両評価(597ポイント)はMT車(575ポイント)より高く、顧客の評価はAMT車に好意的といえる。
しかし、車両品質に関しては、AMT車はMT車よりもトランスミッション関連の不具合が発生しやすい傾向がみられる(トランスミッション関連不具合経験率 AMT車:30%、MT車:24%)。AMT車に関して、トランスミッション関連の不具合がない場合の車両評価は637ポイントと高評価だが、不具合発生時には515ポイントと、100ポイント以上評価水準が低下する。
一方、テレマティクスを利用している車両は、非利用車両に比べ不具合発生率が全般に低い傾向にあり、テレマティクスを活用した車両品質管理や予防保守は満足度向上に有効な手段といえそうである。
大型、小型ともに日野が総合ランキング第1位
2018年 日本大型/小型トラック顧客満足度調査では、大型、小型とも、日野が顧客満足度第1位となった。日野は大型では9年連続、小型で4年連続の1位となる。
【大型トラック】1位:日野 2位:いすゞ
主要各社の新型モデルがそろった本年は、総合CSIの大型トラックセグメント平均は568ポイントとなり、前年の560ポイントから8ポイント向上した。ブランド別には日野が583ポイントで9年連続首位。日野は車両評価、営業対応評価でトップ評価である。2位となったいすゞは、コスト評価がトップ評価であった。
【小型トラック】1位:日野 2位:いすゞ
小型トラックのセグメント平均は550ポイント、前年の549ポイントと同水準である。ブランド別には日野が571ポイントで4年連続首位。日野は車両評価、営業対応評価がトップ評価となった。2位のいすゞは、全ファクターでセグメント平均を上回る評価であった。
ドライバーの人材難が業界の課題となっている今日、ドライバー確保に有利な運転が容易なATM車の普及は今後も進むと見られる。メーカー間の競争優位に立つためには、AMT車のトランスミッション品質向上が重要な鍵となるだろう。
《2018年 J.D. パワー 日本大型/小型トラック顧客満足度調査概要》
年1回、全国のトラック貨物輸送事業者の経営者を含む車両購入決定権者を対象に、各事業者が保有する トラック(緑ナンバー)のメーカーおよび販売店に対する総合的な満足度を測定。
「車両」「アフターサービス」「営業対応」「コスト」の4ファクター、10の詳細項目にて評価を聴取している。総合満足に与える各ファクターの影響力は順に、車両(44%)、アフターサービス(23%)、営業対応(21%)、コスト(12%)となっている。総合満足に与えるこれら影響力と評価の素点に基づき、1,000点を満点とする総合満足度スコアを算出している。
■実施期間:2017年9月~10月 ■調査方法:郵送調査
■調査対象:
2,184の事業者から3,336件のメーカー評価(大型)
1,888の事業者から2,709件のメーカー評価(小型)※一事業者につき2メーカーまで回答可
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*J.D. パワーが調査結果を公表する調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画実施したものです。


