Press Release

  宿泊料金は上昇、満足度は維持  

各部門の第1位は、ザ・リッツ・カールトン(10年連続)、星野リゾート リゾナーレ、リッチモンドホテルズ、スーパーホテル(2年連続)

報道用資料   

<当資料の要約>

  • 1泊1室あたり宿泊料金は高価格帯ホテルで1,500円~2,500円程度、低価格帯ホテルで500~750円程度上昇しているが、宿泊客満足度は昨年同等水準を維持している。
  •  業界全体で「ホテル到着時にあたたかい出迎えがあった」とする割合は63%、昨年から5ポイント向上し、満足度維持につながった一因である。
  • 大阪地区の「1泊9,000円~15,000円未満」部門では宿泊料金の上昇が著しく満足度は大きく低下。
  • 各部門の第1位は、ザ・リッツ・カールトン(10年連続)、星野リゾート リゾナーレ、リッチモンドホテルズ、スーパーホテル(2年連続)

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、略称:J.D. パワー、代表取締役社長:鈴木 郁)は、2015年日本ホテル宿泊客満足度調査の結果を発表した。

◆大阪地区の一部で満足度、再宿泊意向が大きく低下◆

昨今、外国人旅行者の数が順調に増加しており、これに伴ってホテルの稼働率の上昇や宿泊料金の上昇の傾向がみられる。当調査結果においても1泊1室あたりの宿泊料金は昨年から上昇しており、高価格帯ホテルでは1,500円~2,500円程度、低価格帯ホテルでは500円~750円程度上昇している。一方、宿泊客満足度は昨年から大きな変化はなかった。宿泊料金の上昇について宿泊客はネガティブには受け止めてはおらず、見合うサービスの提供があったとみなしていると言えよう。 

昨年の調査結果と比較し、顕著な変化として「ホテル到着時にあたたかい出迎えがあった」とする割合が向上していることがあげられ、業界全体で5ポイント向上し63%となった。「ホテル到着時にあたたかい出迎えがあった」と感じる場合の満足度は「なかった」場合よりも約100ポイント高いことが明らかである。実際に、賑わいのあるホテルロビーでスタッフが宿泊客をチェックインへと誘導し、ロビー周りには宿泊客のあらゆる要望に応えようと地域や周辺の情報誌を揃えるなど、稼働が高く多くの宿泊客を迎えるための配慮や工夫がなされているホテルもみられるようになった。こういったホテル側の取組みにより、宿泊料金上昇の満足度に対するネガティブなインパクトを防ぐことに繋がっていると言えるのではないだろうか。 

しかしながら、この傾向が全国のどの地域でも同様であるとは言えない結果も明らかである。この1年間で最も稼働率の上昇が大きいとされている大阪地区において、特に「1泊9,000円~15,000円未満」部門で満足度は昨年から21ポイント低下し626ポイントとなった。当調査結果において宿泊料金は1,200円程度、他地域以上に上昇しており、宿泊料金に対する満足度は著しく35ポイント低下している。また、ホテル滞在中のトラブルとして「騒々しさ/騒音」が昨年から8ポイント多くあげられ24%に、「客室の清掃状況」は10ポイント多くあげられ15%となっている。さらに、満足度の低下は再宿泊の意向の低下も招いており「また宿泊したい」とする割合は7ポイント低下し22%となり、他地域と比べて最も低い。稼働の高まりに対するホテル側の対応が充分に追いついている現状ではないことが懸念される結果であった。 

◆各部門の第1位はザ・リッツ・カールトン、星野リゾート リゾナーレ、リッチモンドホテルズ、スーパーホテル◆

各部門における総合満足度ランキングは次のとおりとなった。

<1泊35,000円以上部門>

ランキング対象となった9ホテルブランドのうち、ザ・リッツ・カールトンが786ポイントで、10年連続第1位となった。ザ・リッツ・カールトンは、「チェックイン/チェックアウト」「客室」「F&B」「ホテル施設」「ホテルサービス」において当部門トップの評価となった。第2位は帝国ホテル(778ポイント)で、「料金」「予約」において当部門トップの評価を得た。第3位は、ウェスティン(715ポイント)であった。

<1泊15,000円~35,000円未満部門>

ランキング対象となった25ホテルブランドのうち、星野リゾート リゾナーレが717ポイントで、第1位となった。星野リゾート リゾナーレは「客室」「F&B」で当部門のトップ評価となった。第2位は富士屋ホテルチェーン(709ポイント)で、「料金」で当部門トップの評価を得た。第3位はホテル日航(707ポイント)であった。「チェックイン/チェックアウト」「予約」で当部門トップの評価であった。

<1泊9,000円~15,000円未満部門>

ランキング対象となった16ホテルブランドのうち、リッチモンドホテルズが690ポイントで第1位となった。リッチモンドホテルズは「チェックイン/チェックアウト」「客室」「ホテル施設」「F&B」「ホテルサービス」「予約」において当部門のトップ評価となった。第2位は三井ガーデンホテルズ(673ポイント)、第3位は同率でダイワロイネットホテルズとJR九州ホテルズ(664ポイント)であった。

<1泊9,000円未満部門>

ランキング対象となった15ホテルブランドのうち、スーパーホテルが664ポイントで第1位となった。スーパーホテルは「チェックイン/チェックアウト」「客室」「料金」において当部門のトップ評価となった。第2位は、ホテル法華クラブ(641ポイント)で、「朝食」「ホテルサービス」「予約」で当部門トップの評価であった。第3位は同率でコンフォートとヴィアインホテル(638ポイント)であった。ヴィアインホテルは「ホテル施設」で当部門トップの評価であった。

当調査は、日本全国のホテルグループ・チェーン139ブランドを対象に、宿泊者のホテルでの経験やサービスに対する満足度を調べるもので、全国の18歳以上の男女を対象にしている。10回目となる今年の調査は、直近1年間に宿泊したホテルについて2015年8月にインターネット調査にて実施し、26,164人から回答を得た。

当調査では、ホテルの提示する正規宿泊料金や客室面積をもとに「1泊35,000円以上」「1泊15,000円~35,000円未満」「1泊9,000円~15,000円未満」「1泊9,000円未満」の4つの部門に分け、それぞれにおける宿泊客満足度を測定している。その内容は次の通り。

   1泊35,000円以上部門  :                   正規料金の最多価格帯35,000円以上

   1泊15,000円~35,000円未満部門  : 正規料金の最多価格帯15,000円以上35,000円未満

   1泊9,000円~15,000円未満部門   :  正規料金の最多価格帯9,000円以上15,000円未満

                                                              もしくは最多価格帯が9,000円未満かつ最多客室面積が15㎡以上

   1泊9,000円未満部門  :                     正規料金の最多価格帯9,000円未満かつ最多客室面積が15㎡未満

宿泊客満足度の測定にあたっては、「予約*1」「チェックイン/チェックアウト」「客室」「F&B(料飲)*2」「ホテルサービス*3」「ホテル施設」「料金*4」の7つのファクター(要素)を設定し評価を得ている。各ファクターにおける複数の詳細項目に関する宿泊客の評価をもとに、総合満足度スコアを算出した(1,000ポイント満点)。

*1 予約 :                  電話及びウェブサイトを通じホテルもしくはホテルグループ・チェーンに直接行った予約の評価

*2 F&B :                  「1泊9,000円未満」部門では、レストラン・バー・ラウンジ施設を附帯しないホテルブランドを考慮し「朝食」として提供される料理や施設全体の評価を採用

*3 ホテルサービス  : レジャー/フィットネス施設、スパ、ビジネスセンター等、附帯施設やサービス全体の評価

*4 料金  :                 客室料金、通話料金、F&B料金など滞在中に費やした費用全体の評価 

 

*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。

 <株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて>

当社は米国J.D. パワーの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990 年に設立された。自動車業界を始め通信、IT、金融、保険、トラベルなど様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。尚、J.D. パワーではシンガポール、北京、上海、バンコクに拠点をもち、日本、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムで調査を実施している。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトhttp://japan.jdpower.comまで。

 <ご注意>

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