CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2020年ITソリューションプロバイダー顧客満足度調査℠の結果を発表した。
高い顧客満足度を示す「働き方改革・テレワーク推進ソリューション」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大企業を中心にテレワーク導入が進んでいる。ソリューションシステムの導入目的別に満足度を見ると、「働き方改革・テレワークの推進」を目的としたケースにおける総合満足度は677ポイントとなっており、業界平均を40ポイント近く上回る高い満足度となっている(下図参照)。具体的には、特に「コスト」「システム品質」「営業対応」での評価が高い傾向にあった。
昨年4月の「働き方改革関連法」の一部施行、そして新型コロナウイルス感染拡大により一気に加速したテレワークの流れの中、ITソリューションベンダーの働き方改革やテレワーク導入に向けたソリューションは、顧客から高い評価を得られていると考えられる。
また、今後システムの導入・構築によって取り組むべき課題をみると、前年調査(2019年9月発表)と比較し、「働き方改革・テレワークの推進」を挙げる企業が33%から今年43%へと大きく増加した(下図参照)。特に従業員数1,000名以上の大企業においては、6割弱が課題に挙げている。アフターコロナも見据えた今後の従業員の働き方をITでいかに変革していけるかが、大きなテーマとなっていることがうかがえる。
しかし、市場全体でみると、“この1年以内にITソリューションベンダーから「働き方改革・テレワーク推進」に関する提案を受けた”という企業はまだ2割弱にとどまっている。年々高まるこれら顧客ニーズに対し、提案活動のさらなる推進が求められる。
J.D. パワー 2020年ITソリューションプロバイダー顧客満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。
<独立系/ユーザー系/事務機器系SIer部門>
第1位:リコージャパン(673ポイント)
「営業対応」「導入・構築対応」「障害・トラブル対応」の3ファクターで最高評価。
第2位:キヤノンマーケティングジャパン(657ポイント)
「システム品質」「コスト」の2ファクターで最高評価。
第3位:富士ゼロックス(653ポイント)
《 J.D. パワー 2020年ITソリューションプロバイダー顧客満足度調査℠概要 》
年に一回、全国の企業を対象に、情報システムの導入・構築事業者に対する利用状況や各種経験、満足度を聴 取し明らかにする調査。今年で23回目の実施となる。
■実施期間:2020年8月下旬~9月下旬 ■調査方法:郵送調査
■調査対象:全国の従業員数50名以上の企業
■調査回答社数:独立系/ユーザー系/事務機器系SIer部門 2,103件
当調査ではITソリューションプロバイダーを業態ごとに「独立系/ユーザー系/事務機器系SIer」「コンピューター メーカー」「コンピューターメーカー系ベンダー」の3部門に分けて集計を行っている。
但し、本年は「コンピューターメーカー」「コンピューターメーカー系ベンダー」の2部門については、回答数等 の諸条件が弊社規定条件を満たさなかった為、公表外とした。
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評 価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクター*は、総合満 足度に対する影響度が大きい順に、「営業対応」(39%)、「システム品質」(34%)、「コスト」(10%)、「導入・構築対応」(9%)、「障害・トラブル対応」(8%)となっている(カッコ内は影響度)。
* 本年調査では昨年まで聴取していた「サービス提供体制」ファクターを構成から除外