CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2021年自動車保険契約者満足度調査SMの結果を発表した。
業界全体の顧客満足度、代理店系では向上、ダイレクト系は横ばい
本年調査の総合満足度は、代理店系平均では前年比+10ポイントの 645 ポイント、ダイレクト系平均では前年と同スコアの 666 ポイント(共に 1,000 ポイント満点)となった。
昨年調査では、代理店系・ダイレクト系ともに新型コロナウイルス感染拡大後*1も顧客満足度の維持向上が確認されたが、本年調査では、代理店系の満足度が昨年調査に比べ向上した。代理店系においては満足度を構成する5ファクター中、「契約内容/契約手続き」「価格」「保険証券」「事故対応/保険金支払」の4ファクターで前年を10ポイント以上上回り、特に「契約内容/契約手続き」における「手続き方法の豊富さ」の満足度が前年から最も向上した。代理店系保険会社においてもホームページで契約や更新の手続きができたり、スマートフォンアプリで保険証券の管理ができるなど選択肢が増えてきていることが、満足度向上に貢献していると考えられる。
*1保険開始日が新型コロナウイルス感染拡大前の 2020 年 2 月までのデータと 3 月以降の データに分けて比較した。
ドライブレコーダー特約の契約者が徐々に増え、契約者の満足度も高い
一般社団法人電子情報技術産業協会によると、2020年度のドライブレコーダーの出荷台数は460万台で、2年連続して400万台を上回った。また、2021年自動車保険事故対応満足度調査SMによると、自動車保険事故連絡者のうちドライブレコーダーを装着している割合は、2019年は30%、2020年は42%であったが、2021年では48%と年々上昇し、約半数の事故連絡者が装着している。本調査ではドライブレコーダー特約の契約有無を聴取しているが、代理店系とダイレクト系の合計で2019年調査では2%、2020年調査では4%、2021年調査では5%と徐々に増えている。
また、ドライブレコーダー特約の契約をしている顧客の総合満足度は全体の総合満足度よりも高い傾向が見られる。代理店系において、ドライブレコーダー特約契約者の総合満足度は、2019年には代理店系平均に対し+13ポイントの650ポイントであったが、2020年には+66ポイントの701ポイント、2021年には+65ポイントの710ポイントと2年連続して代理店系平均を大きく上回っている。
J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一のコメント
「本年の調査では代理店系保険会社における顧客満足度が向上しているが、こうした背景には新型コロナウイルス感染拡大を契機に、各社がニューノーマルへの対応として自動車保険の契約プロセスにも非接触化やネット対応の高度化を強化し、ホームページやスマートフォンアプリでの印鑑レスやペーパーレスの契約・更新手続きができるなど選択肢が増えてきていることがあると考えられる。今後はウェブと窓口やチャットボットから有人チャットなどチャネル間の連携強化が、一層の満足度向上の観点から重要であると考えられる。
また、デジタル化の進展の観点からはドライブレコーダー特約が普及しつつあるが、中長期的には更にテレマティクス保険特約などにも広がりを見せていくものと考えられる。米国では自動車保険契約者の16%が、テレマティクス技術を用いて契約者の運転パターンを追跡し、安全運転や走行距離に応じて割引を適用する“利用ベース保険(UBI)”をすでに利用している。また、自動車保険契約者の34%がこの保険を試してみたいと回答しており、将来的には日本でもテレマティクス保険特約へのニーズが高まってくるものと考えられる。」
J.D. パワー 2021年自動車保険契約者満足度No.1を発表
各部門の総合満足度ランキングは下記の通り。
【代理店系保険会社部門】(対象8社)
第1位:共栄火災(666ポイント)
「顧客対応」「保険証券」の2ファクターで最高評価。
第2位:楽天損保(662ポイント)
「契約内容/契約手続き」「価格」の2ファクターで最高評価。
第3位:日新火災(658ポイント)
【ダイレクト系保険会社部門】(対象8社)
第1位:ソニー損保(683ポイント)
5年連続の総合満足度第1位。「契約内容/契約手続き」「顧客対応」「保険証券」「事故対応/保険金支払」の4ファクターで最高評価。
第2位:セゾン自動車火災(675ポイント)
第3位:イーデザイン損保(670ポイント)
《 J.D. パワー 2021年自動車保険契約者満足度調査SM概要 》
年に1回、自動車保険(任意保険)の契約者を対象に実施し、契約保険の内容や、契約期間中の自動車事故保険金請求時の対応、新規申し込みを含む各種手続きや問合せ時の保険会社・代理店の対応実態や満足度を明らかにする調査。今回で10回目の実施となる。
■実施期間:2021年7月中旬~7月下旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:自動車保険(任意保険)の契約をしている人(18~99歳)
■調査回答者数:4,748人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「契約内容/契約手続き」(32%)「価格」(18%)「顧客対応」(17%)「保険証券」(17%)「事故対応/保険金支払」(16%)となっている (カッコ内は影響度)。
商品の主な販売方法をもとに「代理店系保険会社」と「ダイレクト系保険会社」の2部門に分け、それぞれの顧客満足度を測定している。部門定義は以下のとおり。
<代理店系保険会社>専門代理店や車の販売店などの保険代理店をベースに事業を展開する保険会社
<ダイレクト系保険会社>代理店を介さずに主にインターネットや電話などで契約者と直接契約する保険会社
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。