Press Release

多くのカード発行会社が高度化する顧客ニーズ対応に苦労した一方で、一部明るい材料も

フィンテックの新規参入企業が顧客満足度のレベルを引き上げ

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間8月19日に、J.D. Power 2021 U.S. Credit Card Satisfaction StudySM (J.D. パワー 2021年米国クレジットカード顧客満足度調査SMの結果を発表した。

本調査は、年に1回、米国のクレジットカードの利用者に対して、直近1年間のクレジットカード発行会社に対する満足度を聴取したもので、「全国系部門」、「中規模部門」の2部門の結果を発表している。

クレジットカード発行会社に対する満足度の低下の要因に、金銭的ストレスの増大、顧客対応の不備、顧客のカード利用状況・条件とリワード/ポイント・プログラムのズレが挙げられる。本調査によると、今年は不安定な経済状況の中で、高度化する顧客ニーズに応えることに苦労した中規模発行会社を中心に総合満足度が低下した。

 

2021年調査の主なポイントは以下の通り:

中規模発行会社を中心に総合顧客満足度は低下

業界平均の総合満足度は、前年の811ポイントから805ポイント(1,000ポイント満点)に低下した。
中規模発行会社に対する満足度は前年比-17ポイントの796ポイントとなった。中規模発行会社の間では、利用条件やリワード/ポイント・プログラムに対する満足度など、さまざまな主要指標で前年比2桁の満足度低下が見られた。

 

中規模発行会社の1社が傑出

本調査で初めて調査対象となったアップルカードを発行するゴールドマン・サックスは、2位に+47ポイントもの差をつけ、864ポイントで中規模部門1位となった。ゴールドマン・サックスは、「会員向けサービス/特典」「コミュニケーション」「利用条件」「顧客対応」「重要局面」「リワード/ポイント・プログラム」の各ファクターで最も高い評価を得た。

 

与信枠の縮小から顧客の状況はより深刻化

業界全体では、クレジットカード利用者の2%が、与信限度額が引き下げられたと回答した。中規模発行会社を利用する顧客の間では、この数字は調査の4期目で3%に上昇した。平均すると、2021年に与信限度額に問題があると回答した顧客の総合満足度は、問題がないと回答した顧客に比べて141ポイント低くなった。この顧客満足度のギャップは、前年と比較し約3倍にもなる深刻さとなっている。

 

プログラム変更にもかかわらず、リワード/ポイント・プログラムに対する満足度は低迷

全国系のクレジットカード発行会社は、昨年、食料品の買い物やテイクアウトの食事でリワード/ポイントが獲得できるようにするなど、リワード/ポイント・プログラムを大きく変更した。こういった取り組みにもかかわらず、リワード/ポイント・プログラムに対する満足度は2019年と同等レベルまで低下した。リワード/ポイント・プログラムに対する満足度に向上が見られたのは、顧客が日常生活やオンラインショッピングですでに利用している小売店との提携カードのみだった。

 

多くの顧客が間違ったカードを所持

リワード/ポイント・プログラムと支出パターンの不一致により、平均して顧客の毎月の支出を756ドル減少させていることが分かった。また、カードを変更する可能性を7%ポイント高め、問題を報告する可能性を4%ポイント高めることもわかった。このような不一致は、請求書の支払いに苦労している、或いはファイナンシャルプランがないといった全体の半数以上(53%)に該当するクレジットカード所有者に多く見られた。クレジットカード利用者は定期的にクレジットカードの利用状況を見直し、高額な年会費を相殺するためにリワード/ポイント・プログラムを活用したり、借入に対してより低い金利を支払うことで、最高の利用価値が得られるよう確認すべきである。

 

フィンテックの新規参入企業が顧客満足度のレベルを引き上げ

新しいフィンテック企業は、クレジットカード利用者の顧客満足度のもろさを浮き彫りにするほどに基準を上げている。本調査によるとカード所有者の3分の1(33%)は、カードでモバイル決済サービスを利用しているが、彼らの顧客満足度は、発行者のモバイルサービスを単独で利用する顧客よりも、モバイルインタラクションにおいて最大39ポイント高い。

最近のJ.D. パワーのリサーチでは、低金利・無金利のBNPL(Buy Now Pay Later)分割払いサービスの台頭が目立っている。BNPLを利用する個人顧客の46%が、第二の選択肢としてクレジットカードを利用することを考えたが、高金利やリボ払いを避けるためにBNPLを選んだと回答している。

 

J.D. パワー バンキング・アンド・ペイメントインテリジェンス部門ディレクター、ジョン・キャベルのコメント

「今年は、いくつかのクレジットカード発行会社で明るい話題があったものの、コロナウイルスの流行によって、数年間続いていた業界全体での満足度向上の傾向が大きく崩れた。多くの顧客が大きな経済的困難に直面しているときに、変化する顧客のニーズをサポートするという点で業界全体として失敗した。顧客が短期的な資金源としてクレジットカードに最も依存している時に与信限度額を引き下げるなどの配慮に欠ける行動や顧客サービスへのアクセスの悪さなどにより、今年はクレジットカード発行会社の総合満足度、信頼、ブランド認知、Net Promoter Scores®*1が低下した。」

*1 Net Promoter Score®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標

 

顧客満足度ランキング

【全国系部門】

第1位:American Express (アメリカン・エキスプレス) (838ポイント)

第2位:Discover (ディスカバー) (837ポイント)

第3位:Capital One (キャピタル・ワン) (815ポイント)

 

【中規模部門】

第1位:Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス) (864ポイント)

第2位:BB&T (BB&T)、Huntington (ハンチントン)、PNC (PNC) (同点、817ポイント)

 

《J.D. パワー 2021年米国クレジットカード顧客満足度調査SM概要》

年に1回、クレジットカードの利用者に対して、直近1年間のクレジットカード発行会社に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今年で15回目の実施となる。

■実施期間:2020年9月~2021年6月 ■調査方法:インターネット調査

■調査対象:クレジットカード利用者  ■調査回答者数:27,996人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、アルファベット順に、「会員向けサービス/特典」、「コミュニケーション」、「利用条件」、「顧客対応」、「重要局面(キーモーメント)*1」、「リワード/ポイント・プログラム」となっている。 

*1カスタマージャーニーマップにおける「ペイン(ユーザーの困りごと)/ フェイル(ユーザーの課題)」などの中で重要な場 面を指す。

 

*本報道資料は、現地時間2021年8月19日に米国で発表されたリリースを要約したものです。

原文リリースはこちら 

https://www.jdpower.com/business/press-releases/2021-us-credit-card-satisfaction-study

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

 

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。

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