Press Release

モバイル事業者からのクラウドアプリ導入は3割未満も、満足度向上に寄与

中小企業ほど低いクラウドの有効活用

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2022年法人向けモバイルサービス顧客満足度調査SMの結果を発表した。

 当調査は、昨年まで法人市場における携帯電話サービスの利用状況や満足度を調査対象としてきたが(旧調査名:法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査)、本年よりクラウドアプリケーションやタブレット、モバイルルーター等、携帯電話以外のサービスも含めたモバイルサービス利用全般に対する調査に変更を行った。

 

モバイル事業者からのクラウドアプリ導入、両市場ともに3割未満にとどまる

新型コロナウイルス感染症拡大以降、テレワークやDXに対する意識が高まっている。モバイル事業者においても企業のDX需要に応えるべく、クラウドやモバイルツールを活用したソリューションビジネスの展開・促進に注力している。

モバイル事業者からのクラウドアプリケーションの購入・契約状況を聴取したところ、「購入・契約している」という企業は大企業・中堅企業では27%、中小企業では24%という結果となり、どちらの市場においても3割未満という水準であった(下図参照)。モバイル事業者によるクラウドアプリを始めとしたこれらソリューション事業の顧客浸透はまだ道半ばと言える。

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クラウドアプリ等の導入促進はモバイルサービスの満足度向上に寄与

モバイル事業者からクラウドアプリケーションも購入・契約している企業の満足度は高い傾向にある(下図参照)。クラウドアプリの購入・契約がある企業の総合満足度は661ptとなり、購入・契約がない企業と比べて20pt以上高い満足度を示す結果となった。

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クラウドアプリ等を用いたモバイル端末の業務活用は、モバイルサービスの満足度をより高める要因になると推察される。モバイルファースト・クラウドファーストの観点からのこのようなクラウドアプリの訴求や、DX需要の取り込みに向けた顧客提案は、顧客満足度向上においても重要な活動といえる。

モバイル事業者から購入・契約しているクラウドアプリとしては、LINE WORKSやZoom、Microsoft 365といった「グループウェア・コミュニケーションアプリ」が約9割となっており、「会計・経費精算」や「名刺管理・営業支援」、「人事・勤怠管理」といった業務系アプリケーションはそれぞれ1割前後とまだ少ない。今後はこれらバックオフィス業務の支援にもつながる業務系アプリの展開強化も期待される。

 

中小企業ほど低いクラウドの有効活用

モバイル事業者から購入・契約したクラウドアプリケーション等が、業務効率化や生産性向上、DXやテレワーク推進に役立っているかを聴取したところ、「そう思う」という回答は大企業・中堅企業では18%、中小企業では13%となった(下図参照)。

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一方で、「そう思わない」または「あまりそう思わない」という回答は大企業・中堅企業では24%、中小企業では33%となり、導入したクラウドアプリが十分に役立てられていないケースも一定数存在していることがうかがえる結果となった。特に中小企業でこの傾向はより強く、中小企業ほど有効活用ができていないことが推察される。中小企業では約4割が使い方や操作・設定等の支援やサポートに不満を示しており、顧客のクラウド有効活用に向けて、導入後のサポート体制の強化も求められる。

新型コロナウイルス収束に向けた先行きが依然として不透明な中、この先も多くの企業で働き方の模索が続いていくと考えられ、デジタル化へのニーズはより高まっていくと予想される。コロナ禍・アフターコロナにおける顧客のDX推進に向けた、モバイル事業者によるさらなる支援・貢献がこの先も重要となっていくであろう。

 

J.D. パワー 2022年法人向けモバイルサービス顧客満足度調査No.1を発表

総合満足度ランキングは下記の通り。

<大企業・中堅企業市場部門>※従業員数100名以上企業市場(対象3社)

第1位:KDDI(668ポイント)
7年連続の総合満足度第1位。「コスト」ファクターで最高評価。

第2位:NTTドコモ (661ポイント)
「提供端末・提供サービス」、「営業対応」、「トラブル対応」の3ファクターで最高評価。

第3位:ソフトバンク (625ポイント) 

 

<中小企業市場部門>※従業員数50名以上100名未満企業市場(対象3社)

第1位:NTTドコモ (654ポイント)
「提供端末・提供サービス」、「営業対応」、「トラブル対応」の3ファクターで最高評価。 

第2位:KDDI (640ポイント)
「コスト」ファクターで最高評価。 

第3位:ソフトバンク (596ポイント)

 

《 J.D. パワー 2022年法人向けモバイルサービス顧客満足度調査SM概要 》

年に1回、全国の企業を対象にモバイルサービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今年で14回目の実施となる。

尚、本年より調査内容の一部変更に伴い、調査名を法人向けモバイルサービス顧客満足度調査(旧:法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査)に変更している。

■実施期間:2022年6月上旬~6月下旬 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:モバイルサービスの法人契約をしている企業(従業員数50名以上)
■調査回答社数:大企業・中堅企業市場(従業員数100名以上企業):2,368社から2,919 件/中小企業市場(従業員数50名以上100名未満企業):1,571社から1,818件
※1回答企業から最大2社の評価を聴取

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「提供端末/提供サービス*1」(32%)、「営業対応」(32%)、「コスト」(25%)、「トラブル対応」(11%)となっている(カッコ内は影響度)。

*1 モバイル端末、各種提供サービス、通信品質・エリアに関する評価領域

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。

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