Press Release

テクノロジー革新の波にのまれ、包括的なアドバイス提供が疎かに

包括的なアドバイスを受けるフルサービス投資家はわずか14%

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間4月14日に、J.D. Power 2022 U.S. Full-Service Investor Satisfaction StudySM (J.D. パワー 2022年米国個人資産運用<フルサービス型*1>顧客満足度調査SMの結果を発表した。

本調査は、米国フルサービス投資家向けの資産運用サービスについて聴取したもので、証券会社に対する満足度を測定している。

*1 専任のファイナンシャルアドバイザーやチームでの対応・アドバイスを受けることが可能な個人向け資産運用サービス

 

包括的なアドバイスを受けるフルサービス投資家はわずか14%

数年前からのテクノロジーへの投資により、フルサービス型資産運用業界全体において個人投資家のデジタルサービスやデジタルチャネルのエンゲージメントに関する顧客満足度は大幅な向上が見られた。しかし、本日発表された本調査によると、顧客個人を深く理解した上での包括的なアドバイス提供という中核的な価値提供に対する顧客満足度においては、ほとんど向上が見られなかった。J.D. パワーでは、顧客の最善の利益のための提案、顧客の目標やニーズの理解、文書化したファイナンシャルプランなどを「包括的なアドバイス」と定義しているが、そのようなアドバイスを受けたと回答したフルサービス投資家は、調査対象者のわずか14%に止まった。

 

2022年調査の主なポイントは以下の通り:

 

フルサービス投資家の低い期待値

フルサービス投資家の51%は、すべての資産運用ニーズに対応した包括的なアドバイスを提供されていることに「強く同意」したものの、J.D. パワーが定義するレベルの包括的なアドバイスを受けているのは、このグループのわずか26%に止まった。

 

包括的なアドバイスの効果に対する評価

 包括的なアドバイスを受けている少数のフルサービス投資家のうち、76%が1年以内に証券会社を「絶対に変えない」と回答した。同グループにおいて、顧客ロイヤルティを測定するNPS®(ネット・プロモーター・スコア®)*2は、-100(全員が批判者)~100(全員が推奨者)のレンジ中93となった。

*2ネット・プロモーター・スコア®及びNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

デジタル・エンゲージメントの向上

 デジタルチャネルに対するフルサービス投資家の顧客満足度は前年比で+26ポイント(1,000ポイント満点)となり、全ファクター中最も大きく向上した。3分の2近く(63%)のフルサービス投資家が証券会社のウェブサイトを月に1回以上利用し、40%が毎月モバイルアプリを利用した。

 

どの年代にとってもデジタルと対人による顧客対応の融合は最適

すべての年齢層において、デジタルと対人の両チャネルで顧客対応を経験した場合の顧客満足度が最も高くなった。ブーマー世代*3は対人でのアドバイスやプランニングを明らかに好み、ミレニアル世代*3は全体的にデジタルチャネルを好むが、両チャネルを利用した場合に、エンゲージメントと満足度が高くなることが示された。

*3 J.D. パワーでは、1946年より前に生まれた人をプレブーマー世代、1946-1964年に生まれた人をブーマー世代、1965-1976年に生まれた人をX世代、1977-1994年に生まれた人をY世代、1995-2004年に生まれた人をZ世代と定義している。Y世代の中で、特に1982-1994年に生まれた人をミレニアル世代と定義している。

 

J.D. パワー ウェルス・インテリジェンス部門シニアディレクター、マイク・フォイのコメント

「近年、証券会社は当然ながら顧客向けテクノロジーへの投資を増やしており、デジタルチャネルに対するエンゲージメントと満足度の向上という形で、その成果が表れ始めていると考えられる。しかし、包括的なアドバイスの提供に関しては、同様の進歩が見られなかった。富裕層であっても、アドバイザーから最適なサービスを受けているフルサービス投資家は非常に少なかった。多くのフルサービス投資家は包括的なアドバイスがどのようなものかを知らないこともあり、高い顧客離反率を経験しているアドバイザーは少ないかもしれない。しかし、包括的なアドバイスを提供できているアドバイザーは、より多くの紹介を受け、継続的な成長を目指す上で有利な立場にある。」

 

顧客満足度ランキング

第1位:UBS (777ポイント)

第2位:Vanguard (バンガード)  (759ポイント)

第3位:Charles Schwab (チャールズ・シュワブ)、Northwestern Mutual (ノースウェスタン・ミューチュアル)  (同点、753ポイント)

 

《J.D. パワー 2022年米国個人資産運用<フルサービス型>顧客満足度調査SM概要》

年に1回、米国のフルサービス投資家を対象に、証券会社に対する満足度を聴取し明らかにする調査。

今回で20回目の実施となる。

■実施期間:2021年11月~2022年1月 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象: 投資決定の一部または全部をファイナンシャルアドバイザーと行う投資家
■調査回答者数:4,396人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、影響度が大きい順に、「信頼性」、「顧客対応(対人チャネル)」、「商品・サービス」、「手数料」、「資産管理 の利便性(方法・時間)」、「問題解決」、「顧客対応(デジタルチャネル)」の7ファクターとなっている。

 

*本報道資料は、現地時間 2022年4月 14日に米国で発表されたリリースを要約したものです。

原文リリースはこちら 

https://www.jdpower.com/business/press-releases/2022-us-full-service-investor-satisfaction-study

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。 

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