2024年法人向け通販サービス顧客満足度調査
オフィス、製造/現場、医療/介護の3部門で満足度を測定。
「たのめーる」、「Amazon Business」、「Ciモール」が各部門で総合満足度第1位
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2024年法人向け通販サービス顧客満足度調査SMの結果を発表した。
「オフィス部門」、「製造/現場部門」、「医療/介護部門」に分けて調査を実施
本年より、回答事業所のタイプ別に「オフィス部門」、「製造/現場部門」、「医療/介護部門」の3部門に分けて、法人向け通販サービスの顧客満足度の測定を行った。
総合満足度スコア(1,000ポイント満点)は、オフィス部門で676ポイント、製造/現場部門と医療/介護部門では共に669ポイントとなり、オフィス部門が最も高い結果となった。オフィス部門は特に「配送対応」や「料金/請求」、「サポート対応」ファクターで調査全体平均を上回るスコアとなっており、納期や商品価格、顧客対応等の面で高い満足度を得られている。
部門間でスコア差が大きい「サポート対応」、特に「コールセンター」の評価で差が顕著
ファクター別に部門間のスコアを比較すると、最も差が大きかったのは「サポート対応」だった。「サポート対応」の満足度スコア(1,000ポイント満点)は、オフィス部門で715ポイント、医療/介護部門で708ポイント、製造/現場部門で693ポイントとなり、オフィス部門と製造/現場部門で20ポイント以上の差が開いている。特に「コールセンター」の評価で差が顕著となった。
コールセンターでの用件解決状況を確認すると、「解決した」(「ほぼ解決した」または「完全に解決した」)という回答はオフィス部門で83%と最も高く、次いで医療/介護部門で77%となった。製造/現場部門では71%に留まり、他部門と比べ解決率が低い結果となった。問い合わせ用件の多くを占める「商品・サービスに関する問い合わせ(相談、不具合、返品・交換、入荷時期・在庫状況)」や「配送・納期に関する問い合わせ(配送不備、状況確認)」等において、「解決しなかった」(「一部解決しなかった」または「まったく解決しなかった」)という回答が3割近く発生しており、今後の改善が期待される。
半数以上がオンラインサポートも利用、チャットサポートの解決率向上が課題
近年、EC・通販業界においても多くの事業者でサポート対応のオンラインシフトが進められている。本調査における「オンラインサポート」の利用割合は51%で、「コールセンター」が58%、「販売店営業担当者/代理店担当者」が17%となった(複数回答方式。1年以内に何らかのサポート窓口を利用した事業所の集計)。半数以上がオンラインサポートを利用しており、今後の利用増加が予想される。
しかし、用件の解決率(「ほぼ解決した」または「完全に解決した」の割合)は、コールセンターでは78%、オンラインサポートでは73%となり、オンラインでの解決率はコールセンターと比べてやや低い結果となっている。利用機能別にみると、「メール問い合わせフォーム」や「よくある質問(Q&A)ページ/マニュアル・利用ガイドページ」を利用したケースでは、共に82%と8割以上を占めるものの、「チャットボット」を利用したケースでは67%、「有人チャット」を利用したケースでは63%となっており、チャット機能については改善の余地が大きいと言える。顧客から回答の即時性が期待されるチャットサポートであるが、解決率の向上に加え、チャットで提供可能なサポート範囲の明示といった取り組みも併せて必要となると考えられる。
J.D. パワー 2024年法人向け通販サービス顧客満足度No.1を発表
各部門の総合満足度ランキングは下記の通り。
【オフィス部門】(対象8ブランド)
第1位:たのめーる(687ポイント)
「配送対応」、「料金/請求」の2ファクターで最高評価。
第2位:@office(679ポイント)
「ウェブサイト/カタログ」、「提供商品・サービス」、「サポート対応」の3ファクターで最高評価。
第3位:ASKUL(676ポイント)
【製造/現場部門】(対象6ブランド)
第1位:Amazon Business(683ポイント)
「ウェブサイト/カタログ」、「提供商品・サービス」、「料金/請求」、「サポート対応」の4ファクターで最高評価。
第2位:ASKUL(677ポイント)
「配送対応」ファクターで最高評価。
第3位:たのめーる(667ポイント)
【医療/介護部門】(対象5ブランド)
第1位:Ciモール(686ポイント)
「配送対応」、「ウェブサイト/カタログ」、「料金/請求」、「サポート対応」の4ファクターで最高評価。
第2位:ASKUL(672ポイント)
「提供商品・サービス」ファクターで最高評価。
第3位:Amazon Business(668ポイント)
《J.D. パワー 2024年法人向け通販サービス顧客満足度調査SM概要》
年に1回、全国の事業所を対象に、法人向け通販サービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今回で12回目の実施となる。
本年から、調査対象を従業員3名以上の事業所に拡大し(2023年調査までは従業員5名以上の事業所を対象)、「オフィス部門」、「製造/現場部門」、「医療/介護部門」の3部門に分け、顧客満足度を測定している。
各部門の定義は以下の通り。
【オフィス部門】:一般オフィス、店舗、学校・教育施設等の事業所
【製造/現場部門】:製造業、工事業、整備業、化学業等の現場事業所(工場、建設現場事務所、研究開発拠点等)
【医療/介護部門】:医療・介護関連施設(病院、診療所、調剤薬局、介護施設等)
■実施期間:2024年4月下旬~5月上旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:法人向け通販サービスを利用している事業所(従業員数3名以上)
■調査回答社数:オフィス部門:2,950件、製造/現場部門:2,000件、医療/介護部門:1,050件
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「配送対応」、「ウェブサイト/カタログ」(共に26%)、「提供商品・サービス*」(22%)、「料金/請求」(19%)、「サポート対応」(8%)となっている(カッコ内は影響度)。
* 提供商品・サービス:品揃えや関連サービスの充実度、キャンペーンや会員向け特典等に関する評価。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。