Press Release

ユーザビリティの改善は、市販ナビゲーションシステムの重要課題

アルパイン ビッグXシリーズが5年連続で顧客満足度第1位

 

 

報道用資料:

 

2016年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査<市販ナビゲーションシステムカテゴリー>

 

東京:2016年10月26日―J.D. パワーは、今年で10回目の実施となる2016年日本ナビゲーションシステム顧客満足度(Navigation Systems Customer Satisfaction Index)調査SM<市販ナビゲーションシステムカテゴリー>の結果を発表した。

 

本調査ではナビゲーションシステムに関する総合的な評価を4つのファクターに基づいて算出している。それらは「ナビゲーション機能(42%)」、「音楽/映像機能(21%)」、「操作性(20%)」、「モニター(17%)」となっている(カッコ内は総合満足度に対する影響度)。これらのファクターにおける複数の詳細項目に対する評価を基に総合満足度(1,000点満点)を算出している。

 

2016年の業界平均の総合満足度は543ポイントとなり、前年の533ポイントから10ポイント向上した。ファクターでは、全てのファクターで前年より向上しており、「ナビゲーション機能」(536ポイント)と「操作性」(530ポイント)で11ポイント、「モニター」(573ポイント)で8ポイント、「音楽/映像機能」(543ポイント)で5ポイントの向上である。

 

J.D. パワーのオートモーティブ部門シニアディレクターである川橋敦は『市販ナビゲーションシステムは、高機能、高性能化により自動車メーカー純正ナビゲーションシステムとの差異化を図ってきており、それが顧客満足度の向上という結果をもたらしている。一方で、一部のユーザーからは不具合が指摘されており、多機能化、複雑化によって、市販ナビゲーションシステムのエントリーユーザーにとっては扱いにくい商品となってしまっている可能性がある。新規ユーザー獲得の間口を広げ、かつ顧客の定着化を図るには、機能の進化のみならず、ユーザビリティの改善も重要な課題となっている』と述べている。

 

主な調査結果

  • 市販ナビゲーションシステムの満足度(543ポイント)は自動車メーカー純正ナビゲーションシステム(519ポイント)を上回る水準にある。しかしながら、市販ナビゲーションシステムユーザーが「次回もまた市販ナビを買う」と回答する割合は49%で、これは純正ナビゲーションシステムユーザーが「次回もまた純正ナビを買う」とする割合(65%)を下回っている。市販ナビゲーションシステムのユーザーは、高い満足度に比してナビゲーションシステムのタイプに対するロイヤルティ意識が低い傾向を示している。

 

  • 市販ナビゲーションシステムのユーザー層別に次回代替意向をみると、純正ナビゲーションシステムからのスイッチ層(以前は純正ナビゲーションシステムを利用していた者)の市販ナビゲーションシステムへのロイヤルティ意識が低い。スイッチ層が「次回もまた市販ナビを買う」とする割合は39%にとどまり、市販ナビゲーションシステムのリピート層が「次回もまた市販ナビを買う」割合(67%)を大きく下回っている。この原因の一つが、現使用ナビゲーションシステムに対する不具合経験率の高さとなっている。スイッチ層では26%が何らかの不具合を経験しており、リピート層の不具合経験率14%を上回っている。スイッチ層が経験した不具合内容としては、特にユーザビリティに関する回答が多く、「目的地検索・設定機能のスイッチ類の使い方がわかりづらい/使いづらい」という回答が28%、「地図の縮尺変更の画面が見づらい/画面の情報が読みづらい」が29%であった。これらの回答はリピート層ではわずか3%、6%にとどまっている。

 

  • 総合満足度とロイヤルティの関係をメーカー再購入意向でみると、満足度が高い顧客層(総合満足度800ポイント以上)では、98%が「次回も同一メーカーナビを購入する注)」と答えているが、満足度が低い顧客層(総合満足度500ポイント未満)では、その割合は55%にとどまる。

 

注)『たぶんする』、『必ずする』の合計値

 

総合満足度ランキング

2016年の総合満足度において、アルパイン ビッグXシリーズが595ポイントで5年連続の1位となった。前年の589ポイントから6ポイント向上し、ファクター別では「音楽/映像機能」で14ポイント向上したことが大きい。「モニター」、「操作性」、「音楽/映像機能」はセグメントトップスコアである。

 

2位はパイオニア サーバーナビ(566ポイント)で前年より11ポイント向上した。「操作性」で16ポイント、「ナビゲーション機能」で12ポイント、「モニター」で10ポイント向上している。「ナビゲーション機能」はセグメントトップスコアとなっている。

 

 本調査は、市販ブランドのナビゲーションシステムに関する顧客満足度を総合的に分析するもので、検索・案内機能だけでなく、音楽・映像機能やテレマティクスサービスなど、車載情報機器としてのナビゲーションシステムの評価を幅広く測定している。2014年4月から2016年3月に市販ナビゲーションシステムを購入した利用者を対象に2016年7月下旬にWEB調査を実施し、2,296人から回答を得た。

 

 

日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査は、J.D. パワーが日本で実施しているAUTOベンチマーク調査の一つであり、他の2016年自動車関連調査は下記の日程でリリースした。

 

  • 自動車を新車で購入したユーザーを対象に、新車購入店の顧客満足度を測定した2015年日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査を本年8月に発表した。

 

  • 自動車を新車で購入したユーザーを対象に、購入後2~9ヶ月における車両の初期品質を調査した2016年日本自動車初期品質調査(Initial Quality Study、略称IQS)を本年8月に発表した。

 

  • 新車購入店でサービスを受けた際の顧客満足度を測定した2016年日本自動車サービス満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査を本年9月に発表した。

 

  • 今後1年以内に新車乗用車の購入を検討している消費者を対象に、次回購入検討車やブランドイメージ、新技術に対する興味など、消費者の意識や購買行動に関する情報を広範囲に収集した2016年日本新車購入意向者調査(New-Vehicle Intender Study、略称NVIS)を本年9月に発表した。

 

  • 自動車を新車で購入後2~9ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、自動車の性能やデザインなどの商品魅力度に関する評価を測定した2016年日本自動車商品魅力度(Automotive Performance, Execution and Layout、略称APEAL)調査を本年9月に発表した。

 

  • 市販ブランドのナビゲーションシステムの満足度を測定した2016年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査<自動車メーカー純正ナビカテゴリー>を本年10月に発表した。

 

  • 自動車を新車で購入後37~54ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、直近1年間に経験した車両の耐久品質上の不具合を測定した2016年日本自動車耐久品質調査(Vehicle Dependability Study、略称VDS)を本年10月に発表した。

 

 

*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。

 

 

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