Press Release

電気料金値上げにより満足度が低下し、不安感が増大

関西エリアでは「大阪ガスの電気」、他4エリアでは「ENEOSでんき」が総合満足度第1位

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2022年新電力切り替え満足度調査SMの結果を発表した。本調査は、直近1年以内に旧一般電気事業者*1 または新電力事業者から新たに別の新電力事業者のサービスに切り替えを行ったユーザーを対象に、その切り替え結果に対する満足度を聴取している。
*1  東京電力、中部電力、関西電力等

 

電気料金の値上げを受け、満足度が低下

昨今の電力調達価格の上昇に伴う電気料金高騰は、電力会社の切り替え満足度にも影響を及ぼしていることが明らかになった。本年調査における切り替え満足度は603ポイントとなり、昨年調査(2021年7月発表)から-10ポイントと大幅に低下した(下図参照)。

内訳をみると、「加入(切り替え)による節約効果」の評価が最も大きく低下した。電気料金が上昇していく中、電力会社を切り替えたことによる「メリット」を実感しづらくなっている状況が推察される。

2022_JP_PPS_chart1

 

節約やお得感を理由にした加入者の満足度低下が鮮明

電力会社の選定理由として、電気料金の削減期待や料金プランのよさ、キャンペーン・ポイント獲得といった節約目的やお得感が多く挙がっている。このようなお得感や割安感を理由に加入したユーザーの満足度が昨年と比較すると、特に低下している(下図参照)。「電気料金プラン・メニューがわかりやすかった」、「加入時のキャンペーンがよかった」、「毎月ポイントが貯まる/他サービスにおける優待や割引がある」といった理由で加入したユーザーの満足度は昨年調査と比べて-10ポイント以上と低下が大きい。

節約効果やお得感を魅力とし顧客を取り込んできた新電力であるが、電気料金高騰の中、顧客の期待に応えることが難しい状況に陥っている。

2022_JP_PPS_chart2

 

新電力への不安感が増大

2022年に入り、新電力事業者の倒産や事業撤退、新規契約申し込みの一時停止等が相次ぎ、新電力業界を取り巻く環境はさらに不透明になっている。現在契約している新電力事業者に対し、安定的な電気供給について「不安がある」とするユーザーは18%となり、昨年(12%)から増加している。新電力事業者のサービス継続性を不安視するユーザーが増加している様子がうかがえる。ユーザーの不安払拭に向けた顧客コミュニケーションが重要度を増している局面にあると言える。

電力会社を選定する際、「周囲の評判がよかった/周囲に加入者がいた」、「広告・CMの印象がよかった」といった理由で加入したユーザーは料金面を理由に加入したユーザーよりも切り替え後の満足度が高い傾向にある。節約効果やお得感の訴求といった点のみを強調するだけでなく、自社サービスの安心感、安全性といった側面からの訴求もより重要となっていくであろう。

 

J.D. パワー 2022年新電力切り替え満足度No.1を発表

総合満足度ランキングは下記の通りとなった。

 

<北海道・東北エリア>(対象6ブランド)

第1位:ENEOSでんき(633ポイント)
「加入(切り替え)による節約効果」、「電気使用量や利用料金の確認方法/確認ツール」の2ファクターで最高評価。

第2位:auでんき、楽天でんき(同点、610ポイント)
auでんきは「カスタマーサポート」ファクターで最高評価。

 

<関東エリア>(対象7ブランド)

第1位:ENEOSでんき(631ポイント)
「加入(切り替え)による節約効果」、「電気使用量や利用料金の確認方法/確認ツール」、「カスタマーサポート」の3ファクターで最高評価。

第2位:楽天でんき(610ポイント)

第3位:auでんき(605ポイント) 

 

<中部エリア>(対象6ブランド)

第1位:ENEOSでんき(617ポイント)
「加入(切り替え)による節約効果」、「電気使用量や利用料金の確認方法/確認ツール」の2ファクターで最高評価。

第2位:ドコモでんき(608ポイント)
「契約者向け特典のよさ(ポイントプログラム、他サービスの割引等)」ファクターで最高評価。

第3位:東邦ガスの電気(603ポイント)

               

<関西エリア>※北陸含む(対象8ブランド)

第1位:大阪ガスの電気(638ポイント)
「加入(切り替え)による節約効果」、「電気使用量や利用料金の確認方法/確認ツール」、「カスタマーサポート」の3ファクターで最高評価。

第2位:ENEOSでんき(622ポイント)

第3位:eo電気(615ポイント)

 

<中四国・九州エリア>(対象6ブランド)

第1位:ENEOSでんき(645ポイント)
「加入(切り替え)による節約効果」、「電気使用量や利用料金の確認方法/確認ツール」の2ファクターで最高評価。 

第2位:西部ガスの電気 (626ポイント)
「カスタマーサポート」ファクターで最高評価。

第3位:楽天でんき (624ポイント)

 

《 J.D. パワー 2022年新電力切り替え満足度調査SM概要 》

年に1回、新電力*2に申し込みをしたユーザーを対象に、契約による満足度や選定における消費者行動を明らかにする調査。今年で3回目の調査となる。
*2 みなし小売電気事業者(旧一般電気事業者)以外の小売電気事業者。

■実施期間:2022年6月中旬 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:直近1年以内に新電力に申し込みをした人(18~64歳、世帯内選定関与者)*沖縄エリアを除く
■調査回答者数:4,500人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「加入(切り替え)による節約効果」(41%)、「契約者向け特典のよさ(ポイントプログラム、他サービスの割引等)」(28%)、「電気使用量や利用料金の確認方法/確認ツール」(26%)、「カスタマーサポート」(5%)となっている(カッコ内は影響度)。

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。

 

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