CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、CEO:木本卓、略称:J.D. パワー)は、2025年日本中古車セールス顧客満足度(Japan Used Vehicle Sales Satisfaction Index、略称UVSSI)調査の結果を発表した。
2025年のスコアの概要は下記の通り:
- 総合満足度の調査平均スコアは683ポイント(1,000ポイント満点)で、前年比+5ポイント。
- ファクター別の調査平均スコアでは、「店舗施設・サポート」が687ポイント、「契約手続き」が685ポイント、「納車」が684ポイント、「商談」が681ポイントとなった。
2025年調査の主なポイントは下記の通り:
購入価格と車の状態が中古車購入時の強い関心
中古車市場は新車市場と並ぶ自動車流通の重要な柱であり、年式や仕様、価格の手頃さなど豊富な選択肢が多くの消費者の支持を集めている。
本調査では、中古車購入者が検討時に重視していたことを聴取しており、「車の購入価格」(73%)と「車の状態」(62%)が上位を占めた。さらに、実際に購入した車を選ぶ際に気にしたことについて、同意する意識の高い回答(“とても気にした”、“気にした”の合計)の割合は、「修復歴」(63%)が最も高く、次に「外装/外観の汚れや傷」(55%)、「走行距離」(54%)が続いた。
中古車購入者は検討段階において、購入価格と価格に直結する要素となる車の状態に対して、特に関心が集中していることがわかった。
車の持つ魅力を多面的に訴求、顧客満足度向上の鍵に
顧客が商談を通じて感じた購入車の魅力点としては、「車の状態」が52%、「車の購入価格」が43%で上位2項目に挙げられた。車の状態と購入価格という検討段階において関心の強かった要素は、実際に商談を経て購入した車の魅力点としても共通していることが確認された。一方、「燃費のよさ」(30%)、「走行性能」(25%)、「最新技術/機能の装備」(18%)など、車の機能・性能や装備面の魅力は、車の状態や購入価格ほど顧客に十分伝わっていない実態がみられた。
しかしながら、魅力に感じた点の数と商談における満足度との関係をみると、魅力点が1つのみの場合の満足度は594ポイント、2つの場合は657ポイントと、いずれも全体(681ポイント)を下回る評価となった。一方、魅力点が3~6つの場合には満足度は全体を上回る水準に達し、さらに7つ以上で全体を50ポイント以上上回る高い評価となった。より多面的に車の魅力が顧客に伝わることで、顧客の納得感や安心感が得られ、満足度の向上につながることがわかった。
販売店間での比較検討、来店時の商談力が他ブランドとの差別化における重要な要素に
本調査では、購入店以外での検討状況についても聴取している。購入店以外で最も検討していた販売店へ来店した割合は56%と過半数の顧客が購入店以外の販売店にも足を運び、車の比較検討をしていることがわかった。また、最も比較検討した販売店での対応について、「商談スペースで車に関する説明を聞いた」が62%であり、購入店のみならず他店でも具体的な商談が行われていることが多く、比較検討時における購入判断に影響を及ぼしていることがわかる。
中古車市場はEC化の拡大の余地がありつつも、依然として店舗に来店しての購入が主流であり、比較検討のために購入店以外へ来店している顧客も多い。中古車選びは車の状態や購入価格に目が向きがちであるが、車の機能・性能や装備面など、より多角的に車の魅力を訴求し、商談の質を高めることが、他の販売店との差別化を図るために重要になっている。
J.D. パワー 2025年日本中古車セールス顧客満足度調査 総合満足度ランキング
(対象11ブランド)
第1位:BMW(758ポイント)
「商談」、「契約手続き」、「納車」の3ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:トヨタ(716ポイント)
第3位:ダイハツ(715ポイント)
J.D. パワー 2025年日本中古車セールス顧客満足度(UVSSI)調査SM概要
年に一回、中古車購入後2~13ヶ月が経過したユーザーを対象に、乗用車を中古車で購入した際のメーカー系正規ディーラー、または独立系中古車販売店の対応に関する評価を明らかにする調査。2024年に調査を再開して以降、今年で2年目の実施となる。
■実施期間:2025年7月
■調査方法:インターネット
■調査対象: メーカー系正規ディーラー、または独立系中古車販売店から中古車購入後、2~13ヶ月経過したユーザー(18歳以上)
■調査回答者数:3,660人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に「商談」(27%)、「納車」(26%)、「店舗施設・サポート」(25%)、「契約手続き」(22%)となっている(カッコ内は影響度)。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
詳細はhttps://japan.jdpower.com/ja/our-benchmarking-study-methodologyをご覧ください。
【ご注意】チャートやデータを記事に引用する場合には、出典元として本調査名を明記してください。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは自動車に関するデータと分析の国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。自動車業界及びその他の主要産業に、業界インテリジェンスや消費者インサイト、アドバイザリー、ソリューションを提供しています。
独自の広範なデータセットとソフトウェア機能を高度な分析および人工知能ツールと組み合わせて活用し、クライアントのビジネスパフォーマンスの最適化を支援しています。
J.D. パワーは 1968 年に設立され、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
