訂正版:2020年1月10日
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は2019年自動車保険契約者満足度調査SMの結果を発表した。
自動車保険の選定理由、顧客行動に変化
自動車保険のマーケットシェアをみると、ダイレクト系のシェアは拡大傾向ではあるものの、代理店系が概ね90%超(出典:平成30年12月、保険研究所「平成30年度版インシュランス損害保険統計号」)を占めている。また、当調査で自動車保険の選定理由をみると、代理店系では「家族や友人とのお付き合い」「契約手続きがしやすい」「代理店に勧められた」、ダイレクト系では「保険料が安い」「契約手続きがしやすい」「自分に合った補償内容/商品がある」の理由が上位になっており、この傾向には10年前と比べて大きな変化は見られなかった。
契約者の男女別に自動車保険の選定比率をみると、女性は代理店系を選ぶ傾向にある。また、代理店系保険会社について、保険会社選定理由をみると、男性は「契約手続がしやすい」が最も多く、女性は「家族や友人とのお付き合い」が最も多い。女性の方が「人との付き合い」を重視していることがわかる。他方、満足度をみると、「家族や友人とのお付き合い」で加入した人の満足度は全体平均程度であり、「契約手続がしやすい」顧客とは60ポイント以上の差がある。
代理店系保険会社に加入時した際、人付き合いを重視した結果、高い満足感が得られていない女性に対しては、その満足度向上に向けた取り組みが重要であることがわかる。
保険会社の選定理由
出典:J.D. パワー 2019年自動車保険契約者満足度調査SM
若い世代、各種情報収集をしつつも身近な人を情報源として重視
契約に至るまでの情報収集源について世代別に比較すると、大きな特徴が見られた。保険会社や代理店のチャネルや各種情報メディアでは世代間での大きな差はないが、家族や友人といった人を介した情報源を参考とする人の割合は、明らかに若い世代ほど高いという傾向である。保険に対する知識や経験が少ない若年層ほど、保険会社との接触や保険会社が発信する各種情報だけでなく、身近な人からの情報を重視しているということが言えるだろう。
2019年自動車保険契約者満足度調査の顧客満足度ランキングは下記の通り。
<代理店系保険会社部門>(対象8社)
第1位:AIG損保、三井住友海上、日新火災(同点、647ポイント)
三井住友海上は「顧客対応」「事故対応/保険金支払」の2ファクターでトップ評価
日新火災は「契約内容/契約手続き」「保険証券」の2ファクターでトップ評価
<ダイレクト系保険会社部門>(対象9社)
第1位:ソニー損保(682ポイント)
2年連続の第1位。
「契約内容/契約手続き」「保険証券」「顧客対応」「事故対応/保険金支払い」の4ファクターでトップ評価。
第2位:セゾン自動車火災(677ポイント)
第3位:SBI損保(668ポイント)
《J.D. パワー 2019年パワー自動車保険契約者満足度調査SM概要》
年に一回、自動車保険(任意保険)の契約者を対象に実施し、契約保険の内容や、契約期間中の自動車事故保険金請求時の対応、各種手続きや問合せ時の保険会社・代理店の対応実態や満足度を明らかにする調査。
昨年までは契約に関する調査を「自動車保険新規加入満足度調査」「自動車保険契約者満足度調査」の2つに分けて実施していたが、本年から「自動車保険契約者満足度調査」として統合し実施した。
■実施期間:2019年5月
■調査方法:インターネット調査
■回答者数:7,764人
満足度の測定にあたっては、「契約内容/契約手続き」「価格」「保険証券」「顧客対応」「事故対応/保険金支払い」の5つのファクターを設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出している(1,000ポイント満点)。
商品の主な販売方法をもとに「代理店系保険会社」と「ダイレクト系保険会社」の2部門に分け、それぞれの顧客満足度を測定している。部門定義は以下のとおり。
<代理店系部門>:専門代理店や車の販売店などの保険代理店をベースに事業を展開する保険会社
<ダイレクト系部門>:代理店を介さずに、主にインターネットや電話などで契約者と直接契約する保険会社
*J.D. パワーが調査結果を公表する全調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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