Press Release

製造、営業、サービス三位一体の取り組みが、長期的な車両品質維持とロイヤルティ形成に不可欠

大型トラック顧客満足度は、日野が7年連続第1位

東京:2016年1月29日―トラックメーカーの顧客満足を最も大きく左右する「車両」評価には、車両そのものの品質だけでなく、「営業対応」や「アフターサービス」といった人的要素の良否も深く関わっている事がJ.D. パワーによる2016年日本大型トラック顧客満足度調査SM(Japan Heavy-Duty Truck Ownership Satisfaction StudySM)によって明らかとなった。

本調査は、年1回、全国のトラック貨物輸送事業者(緑ナンバー)の経営者を含む車両購入決定権者を対象に、各事業者が保有する大型トラックのメーカー(含販売店)に対する総合的な顧客満足度を測定するものであり、本年は調査内容を大幅に刷新し調査を行った。

評価は、4ファクター、10の詳細項目にて聴取している。総合満足に与える各ファクターの影響力*は順に「車両(44%)」、「営業対応(22%)」、「アフターサービス(22%)」、「コスト(12%)」となっている(数値は総合満足に対する各ファクター満足の影響力)。総合的な顧客満足に与えるこれら影響力と評価の素点に基づき、1,000点を満点とする総合満足度スコアを算出している。 

*総合的な顧客満足に与える4ファクターの影響力は、別途同時に行った小型トラックのデータを含む、大型・小型トラック保有事業者全体として算出している。

車両の品質・信頼性は顧客満足の最重要項目であり、総合満足に対する影響力が最も高い「車両」評価のうち、

52%が品質・信頼性の満足度によって占められている。また、車両品質・信頼性はメーカーロイヤルティにも相関する。例えば、エンジン/トランスミッションについて、「不具合無し(0回)」と回答した層では20%が「(次回)必ず同じメーカーを購入する」と回答するのに対し、「不具合回数3回以上」の層では、その割合は9%と半減する。

株式会社J.D.パワー アジア・パシフィックのオートモーティブ部門ディレクターである佐々木由至は、『トラックは長期使用を通じて品質を維持し、評価を得ることが顧客満足とリテンションにおいて重要である。そのための方向性のひとつは、ユーザー企業とメンテナンスサービス契約を結び、メーカーの品質管理視点(点検スケジュールや内容)で車両整備を行う環境を整える事である。しかし現状メンテナンスサービスの契約率は23%にとどまっている。これを変革するためには、メンテナンスサービスプログラムの開発・充実とともに、顧客への啓発を含めた提案活動の強化が重要な課題となっている』と述べている。

顧客満足度ランキング

大型トラックの顧客満足平均は562ポイントであった。メーカー別には、日野が584ポイントで首位となり、7年連続で最も顧客満足の高いメーカーとなった。「車両」評価において競合を大きく上回るほか、「営業対応」、「アフターサービス」についてもトップ評価である。

キーファインディングス

  • サービスメンテナンスの非契約車両では、エンジン/トランスミッションの不具合発生率は38%であるが、契約車両では34%に低減する。車両満足度も契約車両の598ポイント(1,000点満点)に対し、非契約車両では567ポイントと31ポイントの開きがみられる。
  •  品質維持に有効なメンテナンスサービスの契約率は23%にとどまっている。これに関しては、営業担当による商談時説明の良否がメンテナンス契約の成否を分ける一要因となっている。商談時に営業担当者が保証期間/保障内容について「丁寧な説明」をしている場合、メンテナンスサービスの契約率は36%に達するが、「説明がない」場合は15%にとどまる。長期的視点を考慮した営業時の商談は、その後の顧客との関係を大きく左右する要因となっている。

2016年日本大型トラック顧客満足度調査SM(Japan Heavy-Duty Truck Ownership Satisfaction StudySM)は、2015年10月に郵送調査で行い、2,665の事業者から、4,268件のメーカー評価情報を聴取した(1事業者につき2メーカーまで回答)。

日本大型トラック顧客満足度調査は、J.D. パワーが日本で実施しているAUTOベンチマーク調査の一つであり、他の2016 年自動車関連調査は下記の日程でリリース予定である。

  • トラック貨物輸送事業者(緑ナンバー)を対象に、各事業者が保有する小型トラックのメーカー(含販売店) の満足度を測定した2016年日本小型トラック顧客満足度調査を本年2月に発表する予定である。
  • 自動車を新車で購入したユーザーを対象に、新車購入店の顧客満足度を測定した2016年日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査を本年8月に発表する予定である。
  • 自動車を新車で購入したユーザーを対象に、購入後2~9ヶ月における車両の初期品質を調査した2016年日本自動車初期品質(Initial Quality Study、略称IQS)調査を本年8月に発表する予定である。
  • 新車購入店でサービスを受けた際の顧客満足度を測定した2016年日本自動車サービス満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査を本年9月に発表する予定である。
  • 自動車を新車で購入後2~9ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、自動車の性能やデザインなどの商品魅力度に関する評価を測定した2016年日本自動車商品魅力度(Automotive Performance, Execution and Layout、略称APEAL)調査を本年9月に発表する予定である。
  • 今後1年以内に新車乗用車の購入を検討している消費者を対象に、次回購入を検討している車のタイプ詳細や重視点、ブランド認知度など、消費者の意識や購買行動に関する情報を収集する日本自動車購入意向者調査(New Vehicle Intender Study、略称NVIS)を本年9月に発表する予定である。
  • 自動車メーカー純正ならびに市販ブランドのナビゲーションシステムの満足度を測定した2016年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査を本年10月に発表する予定である。
  •  自動車を新車で購入後37~54ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、直近1年間に経験した車両の耐久品質上の不具合を測定した、2016年日本自動車耐久品質調査(Vehicle Dependability Study、略称VDS)を本年10月に発表する予定である。

*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。

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