Press Release

業務効率化の中において、営業・保守サービス両輪で顧客接点活動を補完し合う体制作りが望まれる

ラージ&ミドルオフィス市場では富士ゼロックスが8年連続の第1位

スモールオフィス市場ではキヤノンが2年連続第1位

レーザープリンターは富士ゼロックスが2年振りの第1位

 

報道用資料 

 

 

2017年日本カラーコピー機顧客満足度調査

2017年日本カラーレーザープリンター顧客満足度調査


<当資料の要約>

  • 富士ゼロックスがカラーコピー機[ラージ&ミドルオフィス市場]、レーザープリンターで第1位
  • キヤノンがカラーコピー機[スモールオフィス市場]で第1位
  • 業務効率化の中において、営業・保守サービス両輪で顧客接点活動を補完し合う体制作りが望まれる

 


CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴木郁、略称:J.D. パワー)は、2017年日本カラーコピー機顧客満足度調査および2017年日本カラーレーザープリンター顧客満足度調査の結果を発表した。

当調査は、全国の企業を対象にオフィスで使用するカラーコピー機*1およびカラーレーザープリンター*2の顧客満足度を調べたものである。

カラーコピー機については、本年も従業員数30名以上企業を対象とした「ラージ&ミドルオフィス市場」と、従業員数5名以上30名未満の企業を対象とした「スモールオフィス市場」に対する調査を行った。カラーレーザープリンターについては、従来同様に従業員数30名以上の企業を対象とした調査のみ実施した。調査は全て2017年5月に郵送調査にて実施し、カラーコピー機はラージ&ミドルオフィス市場(従業員数30名以上企業市場)で6,630社、スモールオフィス市場(従業員数5名以上30名未満企業市場)で2,730社、カラーレーザープリンターは2,189社から回答を得た。

*1 プリント機能、ファクシミリ機能、スキャン機能などを利用できるデジタル複合機を対象として実施。プリンターをベースとするような卓上小型機やインクジェット複合機、またアナログコピー機については調査対象外

*2 レーザー方式(LED方式を含む)の単機能カラープリンターを対象として実施。インクジェット、熱転写など、レーザー方式以外のプリンター、およびプリンターとして使用している複合機は調査対象外

顧客満足度の測定にあたっては、各機器における総合的な顧客満足度に影響を与える4つのファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価をもとに総合満足度スコアの算出を行っている(1,000 ポイント満点)。ファクターごとの総合満足度に対する影響度は、カラーコピー機では「商品」36%、「コスト」20%、「営業・導入対応」19%、「保守サービス」26%となっている。カラーレーザープリンターでは「商品」41%、「コスト」32%、「営業・導入対応」20%、「保守サービス」8%となっている。

◆富士ゼロックスとキヤノンが各調査セグメントで顧客満足度No.1◆

カラーコピー機の顧客満足度は、ラージ&ミドルオフィス市場(従業員数30名以上企業市場)では、富士ゼロックスが8年連続での第1位(総合満足度スコア683ポイント)となった。富士ゼロックスは「商品」と「コスト」の2つのファクターで最も高い評価を得ている。第2位はリコー(同682ポイント)で、同社は「保守サービス」でトップスコアを得ている。第3位はキヤノン(同673ポイント)となった。キヤノンは昨年から総合満足度スコアが8pt向上しており、上位2社との差を縮めている。

スモールオフィス市場(従業員数5名以上30名未満企業市場)におけるカラーコピー機の顧客満足度は、キヤノンが昨年に続き第1位(総合満足度スコア665ポイント)となった。第2位は富士ゼロックス(同661ポイント)、第3位はリコー(同658ポイント)となった。キヤノンは「営業・導入対応」と「保守サービス」の2つのファクターで最も高い評価となっている。

カラーレーザープリンターの顧客満足度は、富士ゼロックスが2年振りの第1位(総合満足度スコア632ポイント)となった。第2位はリコー(同631ポイント)、第3位はキヤノン(同596ポイント)となっている。富士ゼロックスは「商品」、「営業・導入対応」、「保守サービス」の3つのファクターにおいてトップスコアを得ている。

◆保守サービス担当者による顧客提案・フォロー活動もメーカーロイヤルティを大きく左右◆

カラーコピー機における点検のリモート化はますます進んでいる様子が伺える。ラージ・ミドルオフィス企業では点検の方式が「リモート」とする回答が直近3ヵ年で見ても緩やかに増えており、徐々にではあるが機器の点検形態は顧客の認識という点でもリモート方式にシフトしている。

通常、リモートによる点検の場合は「月1回以上」や「2~3か月に1回」といった定期訪問点検と比べて、保守サービス担当者との接点頻度も低下しやすいことから保守サービスに対する満足度は低くなる。しかし、業界全体でリモート点検が増えている中においても、保守サービスの業界満足度スコアは従前水準をキープしている。

今年の調査結果からは機器の修理依頼頻度や、また使用中における紙詰まりといったトラブル・不具合の経験頻度が従来から減少している傾向が見られている。製品そのものの品質や、また保守メンテナンスの質向上により、高頻度な訪問点検を顧客自身も必要と思わなくなっていることも満足度水準を維持できている要因と考えられる。加えて、リモート点検に対して「稼働状況報告サービスが適切に行われている」という回答が増加しており、業界各社がリモート点検システムの存在や効果を顧客に理解してもらう取り組みに努めている様子が伺える。

このようなリモート点検方式の推進・普及という保守効率化の流れにおいては、いかに保守サービス契約に対する顧客満足度低下を防ぎ、また保守サービス担当者の活動機会をどこに割いていくかが各社において重要なテーマとなっていることが推察される。調査では保守サービス担当者の日常の顧客とのコミュニケーション活動もメーカーに対するロイヤルティを大きく左右することが見られている。例えば、点検作業や故障修理以外の用件での保守サービス担当者からのコンタクトとして、“困っていることなどのヒアリング”や“製品の使い方や機器設定の説明やフォロー”、“各種情報提供/提案(便利な使い方や各種商品・サービス等)”といった活動が行われている場合は、次回も同じメーカーを購入するという意向が大きく高まる傾向にあった。中でも“各種情報提供/提案”については次回継続購入意向が業界平均に対して10ptも高まる。

業界全体として営業も含めた業務効率が進む中において、顧客との関係構築や維持活動の基本要素となるこのような顧客接点活動を営業・保守サービス両輪で補完し合う体制作りが望まれる。

 

*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。

 

<ご注意>

本紙は報道用資料です。(株)J.D. パワー アジア・パシフィックの許可無く本資料に掲載されている情報および結果を広告または販促活動に転用することを禁止します。