Press Release

定期的な営業コンタクトやサービス接点での顧客対応品質が、顧客との長期的な関係構築のカギ

大型トラック顧客満足度調査では、日野といすゞが同率で第1位(日野は8年連続)

小型トラック顧客満足度調査では、日野が3年連続第1位

報道用資料:

2017年日本大型トラック顧客満足度調査/日本小型トラック顧客満足度調査


東京:2017年1月25日―J.D. パワーは、2017年日本大型トラック顧客満足度調査SM(Japan Heavy-Duty Truck Ownership Satisfaction StudySM)および2017年日本小型トラック顧客満足度調査SM(Japan Light-Duty Truck Ownership Satisfaction StudySM)の結果を発表した。

本調査は、年1回、全国のトラック貨物輸送事業者の経営者を含む車両購入決定権者を対象に、各事業者が保有するトラック(緑ナンバー)のメーカーおよび販売店に対する総合的な満足度を測定するものである。評価は、4ファクター、10の詳細項目にて聴取している。総合満足に与える各ファクターの影響力は順に「車両(44%)」、「アフターサービス(23%)」、「営業対応(21%)」、「コスト(12%)」となっている。(カッコ内は総合満足に対する影響力)。総合満足に与えるこれら影響力と評価の素点に基づき、1,000点を満点とする総合満足度スコアを算出している。

2017年の総合満足度スコアは、大型トラックが560ポイント、小型トラックが549ポイントで、いずれもほぼ前年並みの水準であった。ファクター別では、大型トラックの「アフターサービス」で7ポイント低下、小型トラックの「車両」で5ポイント低下したが、その他のファクターでは前年から大きな変化はみられなかった。

本調査においては、業界全体として営業訪問頻度やコンタクト頻度が年々減少する状況がみられる。また導入年から年数が経過した顧客ほど、営業コンタクトが少ないという実態もみられる。顧客との接点の多さ/少なさは顧客満足やロイヤルティに相関する要因であり、この傾向には注視が必要である。J.D. パワーのオートモーティブ部門ディレクターである佐々木由至は、『営業活動の効率化等によって顧客接点活動を見直す場合でも、必要最低限の営業コンタクトをどう維持するか、あるいはそれができない場合のカバーとしてサービス時の顧客対応等をどう活かすかが、顧客との関係構築、顧客維持活動の重要なテーマになるだろう』と述べている。

 

主な調査結果

● トラックの保有経験に対する満足度は、車両購入直後が最も高く、年数が経過するにつれ徐々に低下する。しかし、年数を経過しても一定頻度以上の営業コンタクトを行っている場合や、アフターサービス対応の内容次第では、高い満足度水準を維持できる事がわかった。

大型トラックを1年以内(2016年)に購入した層の総合満足度は602ポイントであるが、購入から3年以上経過した層(2013年以前購入層)では518ポイントと、84ポイントもの開きがみられた。しかし、車両購入後3年以上経過した層であっても、月1回以上の営業コンタクトがある層では、総合満足度は568ポイントを維持する。これは大型トラックの業界平均(560ポイント)よりも高い。また、月1回の営業コンタクトが行われていない層でも、サービス入庫の際に「日常点検についてのアドバイス」や「気になっていることや困っていること等の確認」など、顧客とのコミュニケーションがしっかり行われている場合、総合満足度は547ポイントとなり、営業活動量の不足を、サービス対応である程度カバーできることもわかった。これらは小型トラックでもほぼ同様の傾向であった。

● 車両の不具合経験は顧客満足に大きく影響を与える。大型トラックの場合、車両について何らかの品質上の不具合を経験した層の「車両」評価は542ポイントであった。不具合がなかった層(619ポイント)に比べ、77ポイントも評価が低い(小型トラックでは、不具合あり:522ポイント、なし:592ポイント、差分:70ポイント)。不具合指摘としては、「電装系部品・機能」(29%)、「エンジン」、「動力伝達装置」、「排気ガス浄化装置」(各25%)等の回答が多い(カッコ内は不具合経験率、いずれも大型トラック)。これらのうち、「排気ガス浄化装置」については、この不具合経験者の50%が2回以上の不具合を経験しており、再発が多い不具合であることがわかった(同、小型トラックでは56%の再発率)。「排ガス浄化装置」の不具合が2回以上発生している場合の「車両」評価は509ポイントまで低下する(大型トラック)。不具合の発生そのものは不満化の原因となるが、再発はさらに満足度を低下させる。発生防止、再発防止の双方の視点で品質の改善に取り組むとともに、不具合発生時の修理対応強化が望まれる。

総合満足度ランキング

● 大型トラック顧客満足平均は560ポイントであった。メーカー別では日野(571ポイント)が8年連続の第1位、いすゞが前年から18ポイントスコアを上げ、日野と同スコアで第1位となった。いすゞは「車両」スコアが前年から大きく改善(+27ポイント)したことが寄与している。

● 小型トラック顧客満足平均は549ポイントであった。メーカー別では、日野が574ポイントで3年連続の第1位となった。日野は「コスト」「車両」「営業対応」でトップ評価であった。

 

本調査は、2016年9月から11月に郵送調査を実施した。大型トラックでは2,292の事業者から3,529件のメーカー評価、小型トラックでは1,954の事業者から2,818件のメーカー評価を得ている(一事業者につき2メーカーまで回答可能)。

 

日本大型トラック満足度調査および日本小型トラック顧客満足度調査は、J.D. パワーが日本で実施しているAUTOベンチマーク調査の一部であり、他の2017年自動車関連調査は下記の日程でリリース予定である。

  • 自動車を新車で購入したユーザーを対象に、新車購入店の顧客満足度を測定した2017年日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査を本年8月に発表する予定である。
  • 自動車を新車で購入したユーザーを対象に、購入後2~9ヶ月における車両の初期品質を調査した2017年日本自動車初期品質調査(Initial Quality Study、略称IQS)を本年8月に発表する予定である。
  • 新車購入店でサービスを受けた際の顧客満足度を測定した2017年日本自動車サービス満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査を本年9月に発表する予定である。
  • 今後1年以内に新車乗用車の購入を検討している消費者を対象に、次回購入検討車やブランドイメージ、新技術に対する興味など、消費者の意識や購買行動に関する情報を広範囲に収集した2017年日本新車購入意向者調査(New-Vehicle Intender Study、略称NVIS)を本年9月に発表する予定である。
  • 自動車を新車で購入後2~9ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、自動車の性能やデザインなどの商品魅力度に関する評価を測定した2017年日本自動車商品魅力度(Automotive Performance, Execution and Layout、略称APEAL)調査を本年9月に発表する予定である。
  • 自動車メーカー純正ならびに市販ブランドのナビゲーションシステムの顧客満足度を測定した2017年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査を本年10月に発表する予定である。
  • 自動車を新車で購入後37~54ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、直近1年間に経験した車両の耐久品質上の不具合を測定した2017年日本自動車耐久品質調査(Vehicle Dependability Study、略称VDS)を本年10月に発表する予定である。

 

*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。

 

<ご注意>

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