Press Release

J.D. パワー 2018年日本自動車初期品質調査 (IQS)

~車両全般の品質2年ぶりに改善、
セグメント別ランキング、ブランドランキング発表!~

J.D. パワー ジャパンは、2018年日本自動車初期品質調査SM(Initial Quality Study、略称IQS)の結果を発表した。

本調査では、新車購入後2~9ヶ月経過したユーザーを対象に8分野*1233項目でユーザーの不具合経験を聴取している。すべての不具合項目は車100台当たりの不具合指摘件数(Problems Per 100 vehicles = PP100)として集計され、数値が低いほど品質が高いことを示す。

 

*1「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ」「オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(ACEN)」「シート」「空調」「内装」「エンジン/トランスミッション」の8分野

 

◆ ACENを除く全ての分野で不具合指摘が減少◆

 

2018年の総合不具合指摘件数は67PP100で、2017年(76PP100)、2016年(75PP100)と比べ、車両品質が改善している結果となった。前年の調査と比べ、ほぼすべての分野で不具合指摘が減少している。

特に「内装」(14.1PP100、対前年-2.4PP100)や「エンジン/トランスミッション」(6.6PP100、対前年-1.6PP100)で大きな改善が見られた。内装は依然として不具合指摘が最も多い分野(14.1PP100)であるものの「室内の不快なにおい」への不具合指摘の減少(1.3PP100、対前年-0.5PP100)など、改善が見られた。

なお、「内装」に続いて不具合指摘が多い分野は「装備品/コントロール/ディスプレイ」(10.9PP100)、「ACEN」(10.2PP100)であった。

 セグメント別でスコアを見ると、すべてのセグメントで前年からのスコア改善が確認された。特に、ラージセグメントとミニバンセグメントのスコア改善が顕著であり、それぞれ、前年のスコアから-13ポイント、-12ポイントと10ポイント以上の改善が見られた。

一方、不具合指摘が増えたのは、ナビゲーション、エンターテイメント、音声認識、ブルートゥースといった「ACEN」分野(10.2PP100、対前年+0.2PP100)であった。特に顕著だったのは、分かりにくい/使いにくい/場所がよくないといったナビゲーションシステムの使い勝手に関わる項目だった。ナビゲーションシステムの故障や精度に関する不具合指摘は減少している。

 

◆ 安全装備や新技術の装備率、消費者の関心は年々上昇◆

 

 本調査では、安全装備や新技術の装備率や消費者の関心についても聴取しているが、装備率は確実に上昇していることが確認できた。「車線逸脱警告システム(レーンキープアシスト)」の装備率は対前年比+13.9%の62.4%、次いで「衝突回避/警告システム」の装備率は対前年比+9.9%の71.6%となっている。

さらに、消費者の安全装備や新技術装備に対する関心は高まり、それが車両購入理由にも表われている。車両購入の決め手となった割合は、「安全性」は対前年比+3.1%の31.3%に、「先進技術」は対年比+2.4%の18.9%となっている。

J.D. パワー オートモーティブ部門シニアディレクター川橋敦は本調査結果に対し、次のようにコメントしている。「車両への様々な機能や装備の提供が増えている中、車両品質全般で改善傾向が見られていることは、自動車メーカー各社の品質改善への取り組みの成果の表われと言えるだろう。自動運転化に向かう将来の展望を考えると、安全装備や新技術の興味や関心は今後も高まっていくことが予想される。これらの装備や機能を使用する消費者がより一層増えていく中で、現在の車両品質をいかに維持していくかが、業界全体として各社の課題の一つとなる。」

 

◆J.D. パワー 2018年日本自動車初期品質調査 総合ランキング発表!◆

 

【セグメント別ランキング】

<軽自動車セグメント>   

第1位:ホンダ N-WGN 第2位:ダイハツ キャスト 第3位:ダイハツ ウェイク

<コンパクトセグメント> 

第1位:ダイハツ トール 第2位:トヨタ ルーミー 第3位:トヨタ アクア

<ミッドサイズセグメント>

第1位:日産 リーフ 第2位:ホンダ シャトル 第3位:トヨタ プリウス

<ミニバンセグメント>   

第1位:トヨタ ノア 第2位:トヨタ シエンタ 第3位:ホンダ ステップワゴン

 

※ラージセグメントは対象モデル数が不十分なため、セグメントランキング公表対象外

 

【ブランドランキング】

第1位:ダイハツ(57PP100)※総合およびマスマーケットブランドセグメント第1位

第2位:ホンダ(61P100) 

第3位:メルセデス・ベンツ(62PP100)※ラグジュリーブランドセグメントでは第1位

 

なお、セグメント別の傾向は下記の通りである。

軽自動車セグメント:総合不具合指摘件数は62PP100で、前年から8ポイント改善した。

「内装」(-1.9PP100)「空調」(-1.5PP100)「エンジン/トランスミッション」(-1.5PP100)など7分野で不具合指摘が減少している一方で、「装備品/コントロール/ディスプレイ」(±0.0PP100)のみ、昨年と同スコアとなった。

コンパクトセグメント:総合不具合指摘件数は67PP100で、前年から9ポイント改善した。

「外装」(-2.6PP100)「エンジン/トランスミッション」(-1.9PP100)など6分野で不具合指摘が減少している一方で、「装備品/コントロール/ディスプレイ」(+0.3PP100)「空調」(+0.2PP100)で不具合指摘が微増した。

ミッドサイズセグメント:総合不具合指摘件数は79PP100で、前年から5ポイント改善した。

「シート」(-2.0PP100)「内装」(-1.9PP100)など6分野で不具合指摘が減少している一方で、「ACEN」(+1.9PP100)、「外装」(+0.9PP100)で不具合指摘が増加した。

ミニバンセグメント:総合不具合指摘件数は64PP100で、前年から12ポイント改善した。

「内装」(-5.0PP100)、「装備品/コントロール/ディスプレイ」(-2.4PP100)、「エンジン/トランスミッション」(-2.4PP100)など6分野で不具合指摘が減少している一方で、「ACEN」(+1.0PP100)「シート」(+0.1PP100)で不具合指摘が微増した。

ラージセグメント:総合不具合指摘件数は63PP100で、前年から13ポイント改善した。

「走行性能」(-3.8PP100)「外装」(-3.3PP100)を筆頭に、すべての分野で不具合指摘が減少した。

 

 

《J.D. パワー 2018年日本自動車初期品質調査概要》

 

 当調査では、新車購入後2~9ヶ月経過したユーザーを対象に、8分野233項目にわたってユーザーの不具合経験を聴取している。世界各国で実施され、新車の品質を調べる業界のベンチマークの役割を果たしている。今年で8回目の実施となる。

■実施期間:2018年5月~6月 ■調査方法:インターネット

■調査対象:新車購入後2~9ヶ月経過したユーザー ■回答者数:22,387人

 

8つの分野は次の通り:「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ」

「オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(ACEN)」

「シート」「空調」「内装」「エンジン/トランスミッション」

すべての不具合項目は車100台当たりの不具合指摘件数(Problems Per 100 vehicles = PP100)として集計され、数値が低いほど品質が高いことを示す。

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画実施したものです。

 

J.D. パワー 2018年日本自動車初期品質調査 (IQS)
J.D. パワー 2018年日本自動車初期品質調査 (IQS)