Press Release

自動車保険の事故対応に対する顧客満足度は、損害車両の高額評価と請求処理の自動化により向上

STP(ストレート・スルー・プロセッシング)ヘの投資が功を奏す

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間10月28日に、J.D. Power 2021 U.S. Auto Claims Satisfaction StudySM(J.D. パワー 2021年米国自動車保険事故対応満足度調査SMの結果を発表した。

本調査は、年に1回、直近6ヵ月以内に自動車保険の請求手続きを完了した契約者を対象に、保険会社への保険請求・保険金受取手続き等に対する満足度を測定している。今年はリニューアル後初となる。

 

車両の搭載機能の高度化により新たな課題が浮上:先進運転支援システム(ADAS)搭載車の修理コストは、非搭載車と比較して平均13.5%高い

 全米での中古車価格の高騰は、全損を経験した契約者にとって思わぬ追い風となった。失った車両は想像以上に価値があったかもしれない。本調査によると、この再調達価格の上昇傾向とSTP(ストレート・スルー・プロセッシング)*1の発展とが相まって、保険請求・保険金受取等に対する顧客満足度は調査開始以来の過去最高を記録した。その反面、自動車保険業界は先進運転支援システムの進歩による車両の高度化に伴った損害賠償コストの上昇という新たな課題に直面していることも明らかになった。

*1 保険請求の一連の過程が、人手を介しないで全て電子的なネットワークを通じて行われること。

 

2021 年の調査の主なポイントは以下の通り:

           

過去最高の顧客満足度

 自動車保険の請求プロセスに対する総合満足度は、対前年比+8ポイントで、調査開始以来過去最高の880ポイント(1,000ポイント満点)となった。4年連続での満足度向上となったが、その背景には総合満足度に影響を与える6ファクター中5ファクターで評価が前年より向上していることが挙げられる。5つのファクターとは「損害発生通知」、「顧客対応」、「損害査定プロセス」、「修理プロセス」、「保険金支払」で、特に総合満足度向上に大きく貢献したのは「保険金支払」、「損害発生通知」、「損害査定プロセス」である。

 

STP(ストレート・スルー・プロセッシング)ヘの投資が功を奏す

 損害発生通知から指定修理工場でのサービスを受けるまでの全プロセスにおいて保険会社と顧客間の人的接触を最小限に抑えたロータッチな顧客体験を提供できた保険請求が、本調査で最も高い総合満足度(915ポイント)となった。一方で、人的作業が多く3人以上の担当者とのやり取りを要した請求プロセスは総合満足度が最も低かった。

 

先進運転支援システムによる高度化とコスト増

 重大さが低・中程度の事故に関する保険請求者のうち、66%が所有する自動車に先進運転支援システムが搭載されていると回答した。先進運転支援システム搭載車の修理コストは、非搭載車と比較し平均して約13.5%高かった。

 

請求者の状況が請求結果に影響

 過失の有無が問われている保険請求者は、総合満足度が最も低かった。最も価格に敏感な保険請求者でもポジティブな顧客体験を経験することで、保険契約更新の可能性に大きな影響を与えることがわかった。

 

J.D. パワー プロパティ・アンド・カジュアルティ・インシュアランス部門 部門長トム・スーパーのコメント

「自動車保険業界は保険金請求の処理の合理化に多大な投資を行ってきたが、こうした投資がサイクルタイムの短縮や記録的な顧客満足度の向上という形で実を結び始めている。今後の課題は、自動車価格が平常値に戻り、保険請求の補償額が増加し続ける中で、サービスの改善を続けることである。より洗練された保険請求者の優先順位付けをできる保険会社は、今後増大するコストと車両の高度化を乗り越える上で有利な立場にあると言える。」

 

顧客満足度ランキング

第1位:The Hartford (ザ・ハートフォード) (905ポイント)

第2位:Erie Insurance (エリー) (901ポイント)

第3位:Auto Club of Southern California Insurance Group (オートクラブ・オブ・サザンカリフォルニア)(897ポイント)

 

《J.D. パワー 2021年米国自動車保険事故対応満足度調査SM概要》

年に1回、直近6ヵ月以内に自動車保険の請求手続きを完了した自動車保険契約者を対象に、契約先保険会社への保険請求・保険金受取手続き等に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今年の調査は14回目*2、リニューアル後初の実施となる。

*2 2008年から顧客満足度ランキングを公表。2007年にランキングのない調査を実施している。

■実施期間:2020年11月~2021年9月 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:調査実施前の6ヵ月間に保険金受取を行った自動車保険加入者。ただし、窓ガラス/フロントガラスのみの損傷や盗難に遭った場合のほか、ロードサービスのみを利用した場合は対象外。
■調査回答者数:7,345人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「保険金支払」、「損害発生通知」、「顧客対応」、「損害査定プロセス」、「修理プロセス」、「代車/レンタカーサービス」となっている。

 

*本報道資料は、現地時間 2021年10月28日に米国で発表されたリリースを要約したものです。

原文リリースはこちら 

https://www.jdpower.com/business/press-releases/2021-us-auto-claims-satisfaction-study

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

 

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。

 

2021_US_Auto_Claims_Rankingchart
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