CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2022年カーシェアリングサービス顧客満足度調査SMの結果を発表した。
旅行やレジャーでのカーシェア需要、回復基調
本調査は、新型コロナウイルス感染拡大から約2年が経過した2022年1月に実施され、半年以内に利用したカーシェアサービスについて聴取している。
カーシェアの利用目的として最も多かったのは「旅行」(38%)で、2021年調査(2021年3月発表)と比べて+5ptの増加となった(下図参照)。また次いで多かったのは「ドライブ」(32%)で、2021年調査と比べて+5pt増加した。新型コロナウイルスのワクチン普及の中、2021年調査では落ち込みを示した旅行やレジャー用途での需要が回復の兆しを示していることが伺える結果となった。
また、1回あたりのカーシェア利用時間をみると、6時間以上利用しているケースは2021年調査の21%から増え26%となり、長時間利用者が増加していることが確認できた。こうした背景には、近年カーシェア各社が提供している長時間でのパック料金の拡充も寄与しているのではないかと推察される。
カーシェア利用者、マイカーを持たないユーザー層の割合が約半数と高止まりの状況
カーシェア利用者のうち、マイカーを保有していないユーザーの割合は2020年調査(2020年3月発表)までは3割台となっており、マイカーを保有しているユーザーのほうが多い傾向にあった(下図参照)。その後、コロナ禍での実施となった2021年調査ではマイカー非保有者の割合は50%にまで高まり、今回2022年調査でも48%と、高止まりの傾向にあることが確認された。新型コロナウイルス感染拡大以降、旅行やレジャー、マイカー保有者における2台目需要での利用等が減少し、クルマを持たない日常使いユーザーの比重が高まったと考えられる。2022年調査では、旅行やレジャーでの需要回復傾向もみられるが、依然として自家用車を保有しないユーザー層のマイカー代替手段としての位置づけは高い状況が続いている。
マイカー非保有者、約2割が複数のカーシェアサービスを利用
マイカーを保有していないカーシェアユーザーの約2割が2社以上のカーシェアサービスを登録利用している。そのうちメインで利用しているカーシェアサービスを利用しないことがあるケースの理由として最も多くあがったのは「主に利用しているカーシェアリングサービスの予約が取れないとき」(43%)であった。次いで「利用したい場所の近くに主に利用しているカーシェアリングサービスのステーションがないとき」と「主に利用しているカーシェアリングサービスと比較して、安く利用できるプランがあるとき」が共に32%と多くあがった。
昨今の自動車メーカーを中心とした新規事業者参入によりカーシェアの市場競争が加速する中、自社サービスの利用を維持・促進させるためにも、各地域の需要状況にあわせた適切なステーション開発や車両設置が益々重要になってきている。加えて、他社サービスと比較してよりお得な料金プランを提供していくといった価格戦略もさらに重要度を増している局面にあると言える。
J.D. パワー 2022年カーシェアリングサービス顧客満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。(対象4ブランド)
第1位:TOYOTA SHARE(741ポイント)
「各種料金」、「サービスメニュー」、「車両」、「予約」、「コールセンター」の全5ファクターで最高評価。
第2位:オリックスカーシェア(698ポイント)
第3位:タイムズカー(684ポイント)
《 J.D. パワー 2022年カーシェアリングサービス顧客満足度調査SM概要 》
年に1回、国内のカーシェアリングサービス*利用者を対象に、カーシェアリングサービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今年で6回目の実施となる。
* カーシェアリングサービス事業者が車を貸す企業提供型カーシェアリングサービス
* 2021年調査まではオリックスカーシェア、カレコ・カーシェアリングクラブ、タイムズカーの3サービスのみを調査対象として実施。2022年調査では新たにearthcar、エコロカ、EveryGo、カリテコ、TOYOTA SHARE、NISSAN e-シェアモビを調査対象に加えた。
■実施期間:2022年1月中旬~下旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:直近半年以内にカーシェアリングサービスを利用した人(18歳~64歳)
■調査回答者数:3,465人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「各種料金」(33%)、「サービスメニュー」、「車両」(共に20%)、「予約(ウェブページ/モバイルアプリ)」(19%)、「コールセンター」(8%)となっている(カッコ内は影響度)。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。