Press Release

証券会社が新たな人材を獲得するためにはブランド・エバンジェリストとなるアドバイザーが必要

エドワード・ジョーンズ、コモンウェルスが各部門で首位

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間7月6日に、J.D. Power 2022 U.S. Financial Advisor Satisfaction StudySM(J.D. パワー 2022年米国ファイナンシャル・アドバイザー満足度調査SMの結果を発表した。

本調査は、年に1回、証券会社に所属した「従業員アドバイザー(Employee)」と証券会社と提携しているものの 独立した「独立系アドバイザー(Independent)」の2部門に分け、6つのファクターに基づいてファイナンシャル・ アドバイザーの証券会社に対する満足度を測定している。 

 

エドワード・ジョーンズ、コモンウェルスが各部門で首位

「大退職時代」の大量離職が全国的な現象となるずっと以前から、証券会社はファイナンシャル・アドバイザーの退職を抑え、新しい人材を獲得することに苦労していた。本調査によると、テクノロジーと新型コロナウイルス流行による混乱が相まってこの課題はさらに悪化し、ワイヤーハウス*1に所属した従業員アドバイザーの15%、独立系アドバイザーの7%が今後2年間に会社を辞めるリスクがあると分類された。

*1 個人向け証券業を営む大手証券会社。本調査ではメリル、モルガン・スタンレー、UBS、ウェルス・ファーゴを指す。

 

2022年調査の主なポイントは以下の通り:

 

アドバイザーのロイヤルティは低下

本年調査では、すべての部門でアドバイザーの離職リスクが高まった。ワイヤーハウスでは、15%のアドバイザーが今後1〜2年の間に退職することを検討しており、最もリスクが高かった。独立系アドバイザーの7%がリスクを抱えるカテゴリーに分類された。

 

テクノロジー、競争力の高い商品、企業文化がアドバイザーの支持獲得に寄与

ブランド・エバンジェリスト*2の91%が、過去2年間に会社が提供したテクノロジーが改善されたと回答した。同様に、79%が「会社が競争力の高い商品・サービスを提供している」と回答し、74%が「会社の経営陣が力強い企業文化を育んでいる」と回答した。

*2 会社に対する満足度・ロイヤルティが最も高いファイナンシャル・アドバイザー。

 

従業員アドバイザーの満足度は、在職期間が長いほど大きく低下

独立系アドバイザーの総合満足度は在職期間に関係なく比較的一貫しているが、従業員アドバイザーの場合は業界在職期間の長さに応じて大きく低下した。総合満足度は、在職10年未満の従業員アドバイザーで741ポイント(1,000ポイント満点)、在職10年以上20年未満で689ポイント、在職20年以上では658ポイントに低下した。経験豊富なアドバイザーは明らかに重要な知識・経験といった資産を蓄積している。アドバイザーが退社した場合には、その資産が会社を離れる場合が非常に多く、大きなリスクを意味する。

 

アドバイザーはオフィスへの出社を希望

希望するワークスタイルについて、62%のアドバイザーが「ほとんどオフィスにいる(38%)」または「フルタイムでオフィスにいる(24%)」と回答した。総合満足度は、現在フルタイムでオフィスに出社しているアドバイザーの間で最も高く(791ポイント)、次いでほとんどの時間オフィスで働いているアドバイザーの間で高い(778ポイント)結果となった。

 

J.D. パワー ウェルス・アンド・レンディング・インテリジェンス部門 シニアディレクター マイク・フォイのコメント

「ファイナンシャル・アドバイザーの平均年齢が57歳にまで上昇した中で、継続的な成長を望む証券会社はアドバイザーの離職率を抑制するだけでなく、次世代の人材を惹きつけるブランド・エバンジェリストとなるアドバイザーを積極的に生み出す必要がある。現在、多くの会社は、そのような深いレベルのアドバイザーとのエンゲージメントを築くことに失敗しているが、そのために必要ないくつかの明らかな要因がある。特に、テクノロジー、効果的なマーケティング支援、競争力の高い商品・サービスへの適切な投資のほか、強力なトップダウンの企業文化を持っている企業は、アドバイザーの満足度と支持率に関して競合他社を大きく上回っている。」

 

ファイナンシャル・アドバイザー満足度ランキング

【従業員アドバイザー(Employee)部門】

第1位:Edward Jones(エドワード・ジョーンズ)(876ポイント、13回目の1位)

第2位:Stifel(スタイフェル)(872ポイント)

第3位:Raymond James & Associates(レイモンド・ジェームズ・アンド・アソシエイツ)(863ポイント)

 

【独立系アドバイザー(Independent)部門】

第1位:Commonwealth(コモンウェルス)(918ポイント、9回連続の1位)

第2位:Raymond James Financial Services(レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル・サービシズ)(842ポイント)

第3位:Ameriprise(アメリプライズ)(821ポイント)

《J.D. パワー 2022年米国ファイナンシャル・アドバイザー満足度調査SM概要》

年に1回、従業員アドバイザーと独立系アドバイザーの両者に対して、それぞれ、自社や提携先の証券会社に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で16回目の実施となる。

■実施期間:2022年1月~5月 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象: ファイナンシャル・アドバイザー(従業員アドバイザーと独立系アドバイザー)
■調査回答者数:3,039人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、アルファベット順に、「報酬」、「リーダーシップと企業文化」、「運営サポート」、「商品とマーケティング」、「専門能力開発」、 「テクノロジー」となっている。 

 

*本報道資料は、現地時間 2022年7月 6日に米国で発表されたリリースを要約したものです。

原文リリースはこちら 

https://www.jdpower.com/business/press-releases/2022-us-financial-advisor-satisfaction-study

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

 

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。 

 

 

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