CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間9月29日に、J.D. Power 2022 U.S. Telehealth Satisfaction StudySM (J.D. パワー 2022年米国オンライン診療サービス顧客満足度調査SM)の結果を発表した。
本調査は、オンライン診療サービスについて調べたものであり、保険会社、医療機関を介さずに提供する「直接サー ビス提供型(Direct-to-Consumer)」と保険会社が給付するサービスの1つとして提供する「保険会社サービス提供型 (Payers)」の2つのセグメントの結果を発表している。
ライブヘルス・オンラインとヒューマーナが各セグメントで首位
医師の診察を受けるために通院する習慣は、オンライン診療によって完全になくなったのであろうか。本調査によると、リフィル処方箋*1 の受け取り、投薬オプションの検討、検査結果の相談といった幅広い日常的な医療において、通院での診察よりもオンライン診療サービスを好む患者が増え、大多数を占めていることが分かった。さらに、オンライン診療サービス利用者のほぼ全員(94%)が、医療サービスを受けるためにオンライン診療を今後も利用するであろうと回答した。
*1 症状が安定している患者について、医師が指定した一定期間内に同じ処方箋を反復利用できるという仕組み。
2022年調査の主なポイントは以下の通り:
オンライン診療サービスの利用率が引き続き急増
オンライン診療利用経験のある本調査回答者のうち、過去1年間にビデオを用いたオンライン診療サービスの利用経験がある人は67%で、2019年のコロナ・パンデミック前の37%から大幅に増加した。
オンライン診療サービスは患者に好評
過去1年間にオンライン診療サービスを通して医療サービスを受けた患者とその家族の大多数(94%)が、今後医療サービスを受ける際に「間違いなく」または「おそらく」オンライン診療を利用するだろうと回答した。
日常的な医療ケアを受ける手段としても存在感に高まり
いくつかの日常的な医療ケアに関しては、通院よりもオンライン診療の方が好まれた。過去1年間にオンライン診療を利用した患者のうち、オンライン診療を好むとする割合は、リフィル処方箋の受け取りが80%、投薬オプションの検討が72%、検査結果の相談が71%となった。また、定期的なメンタルヘルス診療についてもオンライン診療を好むとの回答は57%となった。
利便性とスピードが利用を促進
オンライン診療サービスを利用する理由の上位は、利便性(61%)、迅速に治療を受けられること(49%)、健康関連情報へのアクセスのしやすさ(28%)となった。
オンライン上でも顔を合わせた対話が重要
オンライン診療サービスに対する患者の満足度向上につながる主な要因は、「質の高いケアを提供するために十分な時間をかけること」と「初診時の明確な説明と医療上の懸念を完全に解消すること」であることが分かった。
J.D. パワー グローバル・ヘルスケア・インテリジェンス部門マネージング・ディレクター クリストファー・リスのコメント
「オンライン診療サービスとデジタル技術は、患者が医療サービスを求め、提供される方法を変えている。オンライン診療サービスは、アクセスの増加、利便性の向上、医療サービスの連携と継続性を高め、医療サービスの効果を改善し、特にサービスが行き届いていない地域において、医療提供体制のギャップを埋める可能性を秘めている。デジタル技術の導入と患者の需要が継続的に増加する中、対面での診療サービスを補完する公平なアクセス、医療サービスや患者の治療の効果を改善するために、何がうまく機能し、どの分野が改善を必要としているかを評価し続けることが重要である。」
顧客満足度ランキング
【直接サービス提供型(Direct-to-Consumer)】
第1位:LiveHealth Online(ライブヘルス・オンライン)(869ポイント)
第2位:Doctor on Demand(ドクター・オンデマンド)(864ポイント)
第3位:eVisit(イービジット)、MyTelemedicine(マイテレメディシン)(同点、862ポイント)
【保険会社サービス提供型(Payers)】
第1位:Humana(ヒューマーナ)(862ポイント)
第2位:Aetna(エトナ)(855ポイント)
《J.D. パワー 2022年米国オンライン診療サービス顧客満足度調査SM概要》
年に1回、直近 12ヶ月以内のオンライン診療サービスの利用者とその家族に対して、もっとも最近利用したオンライン診療サービスに対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で4回目の実施となる。
■実施期間:2022年6月~7月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象: 直近 12ヶ月以内のオンライン診療サービスの利用者とその家族
■調査回答者数:4,306人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「顧客対応」(42%)、「診察」(28%)、「登録・予約手続き」(19%)、「請求・支払い」(11%)となっている(カッコ内は影響度)。
*本報道資料は、現地時間 2022年9月 29日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2022-us-telehealth-satisfaction-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。