CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. パワーは、現地時間(中国、上海)8月24日に、J.D. Power 2023 China New Energy Vehicle Customer Experience Value Index (NEV-CXVI) StudySM(中国新エネルギー車両顧客体験価値調査SM)の結果を発表した。この調査は、新エネルギー車(NEV)購入後2~12ヶ月を経過した所有者を対象に、新エネルギー車の購入から使用、そしてアフターサービスまでのトータルな顧客体験を評価するものである。
本年調査の中国国内ブランドの総合CXVI(顧客体験価値インデックス)スコアは768(1,000ポイント満点)で、昨年の795から-27ポイントとなった。国際ブランドの総合CXVIスコアは779で、昨年比-23ポイントとなった。
「購入体験」「使用体験」「アフターサービス体験」の3段階で、最もスコアが高かったのは「使用体験」(775ポイント)で、最もスコアが低かったのは「購入体験」( 764ポイント)だった。「購入体験」では「購入計画」が758ポイントで最も低い評価で、特に価格や条件や特典について不明瞭だったことが要因として挙げられる。
2023年調査の主なポイントは以下の通り:
- オンライン販売ブランドの CXVI スコアは 787 で、ディーラー販売ブランド (771) や混合販売ブランド (761) よりも大幅に高い評価となった。オンライン販売ブランドは、価格の明瞭さと専門的な情報提供により、「購入体験」「使用体験」の両方で優位に立っている。一方「アフターサービス体験」では、混合販売ブランドの方が利便性や修理などの顧客の基本的なニーズをより満たしており、オンライン販売ブランドより3ポイント高い783ポイントとなった。
- 「アフターサービス体験」において、初めてNEVを購入した人のCXVIスコアは774ポイントで、買い替え購入者(759)や追加購入者(754)のスコアを大きく上回った。さらに、「入庫時の対応」「サービス品質」「サービスプロセス」において、新規購入者の顧客体験は、買い替え購入所有者や追加購入所有者の顧客体験よりも優れていた。
- 購入価格が20万~30万元のNEV所有者の35%が、車両やサービスについて喜んで他の人とコメントを共有している。この割合は、10万元から20万元のNEV所有者(30%)や30万元以上のNEV所有者(31%)よりも高い。また、CXVI スコアが775 以上の高評価ブランドのNPS®(ネット・プロモーター・スコア®)*1は 35 で、 NEV-CXVI スコア が759 未満の低評価ブランドのNPS®は 19 だった。
*1ネット・プロモーター・スコア®及びNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
J.D. パワー ジャパン 代表取締役社長 兼 オートモーティブ部門 部門長 山本浩二のコメント
「中国で実施した本調査では、新エネルギー車所有者 のカスタマージャーニー全体における顧客体験について測定しています。CXVIスコアを見ると、中国国内の新興EVブランドの評価が非常に高く、車の開発や販売において多くの経験やノウハウを持っているはずの既存OEMを大きく引き離している状況がうかがえます。
また、中国で増加しているオンライン販売ブランドの購入体験の評価は非常に高く、中国での購入プロセスのオンライン化は今後、更に進んでいくと思われます。一方で、アフターサービス体験では、オンライン販売ブランドにはまだ改善の余地があり、購入をオンライン、アフターサービスを実店舗、というハイブリッド販売が一つの主流となっていく可能性も高いと思われます。」
J.D. パワー 2023年中国新エネルギー車顧客体験価値(NEV-CXVI)調査 No.1を発表
【中国国内ブランド】
第1位:Zeekr (ジーカー)(792ポイント)
第2位:Deepal(深藍、ディーパル)(791ポイント)
第3位:NIO(蔚来汽車、ニオ)(789ポイント)
【国際ブランド】
第1位:メルセデス・ベンツ(794ポイント)
第2位:テスラ(788ポイント)
《J.D. パワー 2023年中国新エネルギー車顧客体験価値調査SM概要》
新エネルギー車(NEV)購入後2~12ヶ月を経過した所有者を対象に、新エネルギー車の購入、使用、アフターサービスまでのトータルな顧客体験を聴取した調査。
■実施期間:2023年4月~5月
■調査対象:2022年4月~2023年3月の間に新エネルギー車を購入した所有者
■調査回答者数:5,059人
各ファクターの詳細評価項目に関する所有者の評価を基に 1,000 ポイント満点でCXVIスコアを算出。
CXVIを構成する段階と各段階のファクターは、影響度が大きい順に下記の通り(カッコ内は影響度):
購入体験:納品 (21%)、購入計画 (19%)、 顧客対応 (19%)、商品体験 (15%)、情報収集 (14%)、ショールーム(13%)
使用体験:エネルギーサービス (40%)、カスタマーサービス (31%)、カスタマーエクイティ (29%)
アフターサービス体験:入庫時の対応 ( 35%)、サービス品質 (35%)、サービスプロセス (30%)。
*本報道資料は現地時間 2023年8月24日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
*J.D. パワーが調査結果を公表するすべての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
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