NEV業界全体の満足度が大幅に向上、特に海外メーカーの伸びが顕著で中国振興メーカーを上回る
Geometry E、Aion Y/Y Plus、BYD Dolphin、BYD Han BEV、XPeng G9、NIO ET7、DEEPAL SL03 が各セグメントで第1位
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー)は、現地時間(中国、上海)5月25日に、J.D. Power 2023 China New Energy Vehicle–Automotive Performance, Execution and Layout (NEV-APEAL) StudySM(2023年 中国新エネルギー車商品魅力度調査SM)の結果を発表した。
中国の新エネルギー車(NEV)は、この1年でめざましい発展を遂げている。商品魅力度の指標となるAPEALインデックスの業界平均スコアは776ポイントで、前年比+37ポイントとなった(1,000ポイント満点)。NEV市場の急速な発展は、政策主導から製品主導に変化していることを示唆している。
特に海外メーカーが力強い成長を示し、海外メーカーの平均スコアは前年比+40ポイントの784ポイントと、2年連続で中国振興メーカーの平均スコア(781)を上回った。従来の中国メーカーの平均スコア(773)も大きく向上し、前年比+42ポイントの大幅増となった。OEMブランド間では、総合APEALスコアの差が1桁台まで縮小し、競争の激化が示唆された。
デザイン、燃費/航続距離が消費者体験のカギ
- カテゴリー別では、11カテゴリー中、”exterior(外装)”に対する総合満足度が807ポイントでトップとなり、”fuel economy and driving range(燃費/航続距離)”が780ポイントで2位となった。
この結果には、NEVのデザインと燃費に対するユーザーの意識が反映されており、今後、航続距離に対する不安が徐々に軽減されることが予想される。
- ”infotainment system(インフォテインメントシステム)”(764)、”driving feel(ドライビングフィール)”(765)、”charging experience(充電)”(765)に対する満足度が、前年からわずかに向上した。
中国振興メーカー各社、速いペースで新製品の販売を促進
- 2022年は中国振興メーカーが販売するモデルの半数以上(53%)が新型モデルであり、中国振興メーカーの売上シェアの66%を占めていた。これらの新型モデルの総合満足度は既存モデルよりも14ポイント高い788ポイントとなった。
女性の買い物客にとっての決定要因はデザイン
- NEVの購買段階において、女性が最終的な購入決定を下す際の主な決定要因となっているのは製品のデザインである。本調査で、女性の買い物客が他のモデルと比較検討して購入決定した理由のトップは「他モデルよりも優れた外装(31%)」であった。
- NEVの購入をやめた理由のトップは、「見た目が期待外れ(23%)」であった。女性顧客にとっては、製品のデザインが意思決定において重要な役割を果たしている。
J.D. パワー ジャパン 代表取締役社長 兼 オートモーティブ部門 部門長 山本浩二のコメント
現在、中国のNEV市場は急成長しており、特に急激に進むEVシフトの状況に世界が注目している。中国系の既存メーカーも新興メーカーも、積極的に車両の電動化に投資をし、着実にEVの競争力を向上させており、今回のNEV-APELの結果を見ても上位に多くの中国メーカーが並んでいる。
一方で、日系メーカーはこの激しい潮流から遅れをとり、今回のNEV-APEALでも上位に食い込むことが出来ていない。今後、日系メーカーのEVがこの潮流に乗って中国市場で競争力を確保していく為には、お客様の声をしっかり捉えながら、魅力的で高品質のEVを発表していけるかがポイントになると言える。
J.D. パワー 2023年 中国新エネルギー車商品魅力度調査SM、各部門のNo.1を発表
【セグメントアワード】(対象36ブランド76モデル ※うち53モデルは不十分サンプル)
スモールBEVセグメント:Geometry E(幾何E)
コンパクトBEVセグメント:Aion Y/Y Plus(埃安 Y/Y Plus)、BYD Dolphin
ミッドサイズBEVカーセグメント:BYD Han BEV
ミッドサイズ/ラージBEV SUVセグメント:XPeng G9(小鵬 G9)
プレミムBEVセグメント:NIO ET7(ニーオ ET7)
マスマーケットPHEVセグメント:DEEPAL SL03(深藍SL03)
※プレミアムPHEVセグメントとMPV BEVセグメントは社内基準を満たさなかったため本年は不成立。
《J.D. パワー 2023年 中国新エネルギー車商品魅力調査SM概要》
年に一回、新車購入後2~6ヶ月経過したユーザーを対象に、所有する新エネルギー車の商品魅力について11カテゴリー*1 45項目の評価を聴取。回答結果を元に1,000ポイント満点で商品魅力度スコアを算出。
*1 11カテゴリー:Exterior(外装)、 setting up and starting(車両設定/始動)、 getting in and out(乗降性)、 interior(内装)、performance(性能)、driving feel(ドライビングフィール)、 keeping you safe(安全性)、infotainment(インフォテインメント)、driving comfort(快適性)、fuel economy and driving range(燃費/航続距離)、 charging experience(充電)
■実施期間:2023年1月~3月(中国81都市)
■調査対象:2022年7月から2023年1月までの間に新エネルギー車を購入したユーザー
■調査方法:オンラインインタビュー及びインターネット調査
■調査回答者数:7,209
*本報道資料は、現地時間 2023年5月25日に中国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
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