CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2024年携帯電話サービス顧客満足度調査SMの結果を発表した。
多くの部門で総合満足度向上。4部門中、MVNO部門が初めて最も高い総合満足度
本調査は2021年調査(2021年9月発表)より、大手キャリア *1、バリューキャリア *2、MVNO *3、オンライン専用ブランド/プラン *4の4部門に分けて顧客満足度を測定している。
4部門を合算した業界全体の総合満足度スコア(1,000点満点)は625ポイントとなり、前年から6ポイント向上した。業界全体の総合満足度は年々上昇トレンドにあり、部門別に見ると、大手キャリア部門では2021年から、バリューキャリア部門では2022年から年々スコアが向上している。大手キャリア部門では「各種費用」や「手続き・サポート対応」の評価で、バリューキャリア部門においては「通信品質」の評価で年々向上が見られている。
また、MVNO部門では総合満足度が前年から+10ポイントと、4部門中、最も大きく向上した。2021年から2023年調査(2023年9月発表)までは、オンライン専用ブランド/プラン部門が4部門中、最も高い総合満足度スコアとなっていたが、本年では初めてMVNO部門の総合満足度が最も高い結果となった。ファクター別に見ると、「各種費用」の評価が最も向上しており、「月々の利用料金」の項目でスコア向上が顕著となった。一部の事業者が実施した料金プランの値下げ施策や、本年から新たに調査対象となった事業者の費用面を中心とした高評価がMVNO部門全体の満足度スコアを押し上げたと考えられる。
物価高の中においても、料金満足度は向上
2021年に始まった官製値下げ以降、携帯電話業界ではより安価な料金プランが多く登場したが、端末代と通信契約のセット値引きを禁止する法改正や、昨今の物価上昇によるユーザーの節約志向の高まり等の中、携帯料金に対する顧客の目は厳しさを増している。
しかし、そのような中においても業界全体の「各種費用」の満足度は向上している。2021年の「各種費用」の業界全体スコア(1,000点満点)は573ポイントであったが、本年調査では620ポイントとなり、+47ポイントと大きな改善が見られている。前述のとおり、大手キャリア部門では「各種費用」の満足度は年々向上の傾向にあるほか、MVNO部門においても前年から向上している。新規事業者の参入やポイント経済圏競争が激化していく中、昨今の各社による新しい料金プランの提供は携帯電話市場全体の料金評価の改善に寄与していることがうかがえる。
一方で、携帯電話各社においては、通信品質の維持や5Gネットワークの拡大に向けたインフラ投資も必要とされており、収益改善やARPUの向上が至上命題となっている。このため、携帯電話契約に加えエンタメ・金融等の非通信系サービスの契約獲得の重要度も増している。店舗やコールセンターといった従来の顧客接点チャネルも活用しながら、効果的なキャンペーンや特典提供によって、携帯外収入の増加や経済圏ビジネスの更なる強化が求められる。
J.D. パワー 2024年携帯電話サービス顧客満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。
【大手キャリア部門】(対象3ブランド)
第1位:docomo(605ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種費用」、「サービスメニュー※」の3ファクターで最高評価。
第2位:au(598ポイント)
「サービスメニュー※」「手続き・サポート対応」の2ファクターで最高評価。
第3位:SoftBank(597ポイント)
「提供端末」ファクターで最高評価。
※docomoとauの「サービスメニュー」ファクターのスコアは同点。
【バリューキャリア部門】(対象3ブランド)
第1位:Y!mobile(651ポイント)
3年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「サービスメニュー」、「提供端末」、「手続き・サポート対応」の4ファクターで最高評価。
第2位:UQ mobile(644ポイント)
第3位:楽天モバイル(635ポイント)
「各種費用」ファクターで最高評価。
【MVNO部門】(対象6ブランド)
第1位:日本通信SIM(715ポイント)
「通信品質」、「各種費用」、「サービスメニュー」、「手続き・サポート対応」の4ファクターで最高評価。
第2位:イオンモバイル(668ポイント)
第3位:IIJmio(664ポイント)
「提供端末」ファクターで最高評価。
【オンライン専用ブランド/プラン部門】(対象3ブランド)
第1位:povo(680ポイント)
「各種費用」、「サービスメニュー」、「手続き・サポート対応」の3ファクターで最高評価。
第2位:LINEMO(679ポイント)
「通信品質」ファクターで最高評価。
第3位:ahamo(639ポイント)
*1大手移動体通信事業者(MNO)のメインブランドの携帯電話サービス(au、docomo、SoftBank)
*2大手移動体通信事業者のサブブランドまたは準大手移動体通信事業者の携帯電話サービス(楽天モバイル、UQ mobile、Y!mobile)
*3仮想移動体通信事業者(MVNO)による携帯電話サービス(本調査対象はイオンモバイル、BIGLOBEモバイル、IIJmio、J:COMモバイル、mineo、日本通信SIM)
*4大手移動体通信事業者が提供しているオンラインのみでの手続き・サポートを基本とする携帯電話サービス(ahamo、LINEMO、povo)
※( )内サービス名は英文表記アルファベット順
《J.D. パワー 2024年携帯電話サービス顧客満足度調査SM概要》
年に1回、スマートフォンを利用している人を対象に、携帯電話サービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今回で26回目の実施となる。
■実施期間:2024年7月下旬~8月上旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:スマートフォンを利用している人(18歳~74歳)
■調査回答者数:大手キャリア部門:9,300人/バリューキャリア部門:4,600人/MVNO部門:3,000人/オンライン専用ブランド/プラン部門:2,400人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「通信品質」(29%)、「各種費用」(27%)、「サービスメニュー」(21%)、「提供端末」(12%)、「手続き・サポート対応」(11%)となっている(カッコ内は影響度)。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。