調査レポート

大企業中心に高いテレワーク導入、しかしテレワーク対象社員は限定的、ITスキルへの懸念も

 顧客満足度(CS)調査や消費者動向に関するリサーチ・コンサルティング会社である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、この度、国内の企業を対象に、「テレワークIT利用動向調査SM」を実施致しました。

  新型コロナウィルスの収束がいまだ見通せない中、現在、様々な企業において在宅勤務を中心としたテレワークが導入されています。企業のテレワーク導入状況や、企業が抱える課題意識などについて調査結果を発表いたします。

 以下が調査結果となります。本調査結果を是非ご活用いただけますと幸いです。

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※本リリース内容の転載にあたりましては、出典として「J.D. パワー調べ」という表記をお使い頂けますようお願い申し上げます。
【注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することは禁じます。

 

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大企業主体のテレワーク導入、中小企業では2割程度の導入率
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テレワーク導入企業は調査全体では36%となりました。企業規模が大きくなるにつれ、導入率が高まり、従業員数1,000人以上の企業では約8割(78%)という結果となりました。一方で、従業員数100人未満といった中小企業では24%にとどまっています。

企業の業種・業態による違いの影響もありますが、中小企業ほどテレワーク実施に向けたIT環境を用意できる企業が少ないといった面もこの結果の背景にあると推測されます。

 

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企業規模に関わらず、テレワーク勤務制度が適用されている社員は「1~2割」程度が多い
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テレワーク導入企業において、テレワークが適用されている社員の割合は「1~2割程度」という回答が半数となっています。従業員数1,000人以上の大企業においても、40%の企業が「1~2割」の社員のみが適用されているという回答となりました。

業種や職務によるテレワークの適用可能有無という問題もあり、テレワークを導入している会社であっても、デスクワーク中心の業務を除いての適用が難しく、多くの社員はその適用から外れているという実態がうかがえます。

 

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テレワーク実施における課題、「セキュリティ」「書類業務対応」に次いで、「社員のITリテラシー(ITスキル)」に対する課題意識が高い
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テレワーク実施における課題の上位は、①セキュリティ(60%)、②書類業務への対応(54%)、③社員のITリテラシー・スキル(53%)という結果に。

セキュリティ(情報漏洩、デバイス紛失対策等)や書類業務(印刷、郵便、押印、FAX等)への対応の次に多く挙がったのが「社員のITリテラシー(ITスキル)」となりました。これは、IT管理担当者という立場からの課題として、在宅勤務を始めとしたテレワークを行う社員に対するIT環境サポートの問題や、導入したテレワークツールの社員による使いこなしや有効活用、またITリテラシーの低さから起こりえるセキュリティ懸念といったことへの問題意識と推測されます。

 

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書類業務対応への課題意識が高い中、実際に「紙文書や押印の縮小・廃止」を行った企業は1割程度
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テレワーク導入企業において感染拡大以降に新たに導入、制度拡大したものの上位は、①在宅勤務(92%)、②出張や外出の縮小・制限(76%)、③勤務時間の柔軟化(58%)という結果に。

一方で、テレワークにおける課題として書類業務への対応が多いものの、実際に「紙文書や押印手続きの縮小・廃止」を行った企業は12%にとどまっています。紙文書や押印への問題意識は高いものの、その解決に踏み込めた企業が少ないことがうかがえます。自社のみだけでなく取引先の業務プロセスや業務ポリシーとの兼ね合いという面も有する課題であるため、対応が難しい側面もあることが推察されます。

 

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テレワーク環境におけるITシステムの購入先、通信系事業者やIT/OA機器販売事業者からの購入が多い
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テレワーク環境におけるITシステムの購入先事業者を見ると、通信系事業者、そしてオフィス複合機やプリンター販売を強味とするIT/OAの販売系事業者が多い結果となっています。

 

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高い、IT/OA機器販売系事業者の満足度
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テレワークIT環境の購入先事業者に対し、自社のテレワーク推進パートナーとしてどの程度満足しているかという評価を聴取したところ、IT/OA機器販売事業者の満足度が最も高く、相対的に、通信系事業者の満足度は低いという結果となりました。

 

J.D. パワー ジャパン GBI部門 通信・テクノロジーインダストリー シニア・ディレクター 野本達郎のコメント

 新型コロナウィルス拡大により広がったテレワークですが、テレワーク導入企業においてもテレワーク勤務が適用されている社員の割合は極めて限定的となっている実態が浮き彫りとなりました。

テレワーク導入企業における課題意識を見ると、セキュリティ面の問題に加えて、従来からの書類業務への対応、そしてテレワーク勤務を行う社員のITリテラシー・スキルといった面への懸念も高いことがわかりました。職種・職務内容により、テレワークが適用できる・できないといった面もありますが、コロナウイルス感染拡大から半年以上が経過した現在においても、多くの企業が従来業務からのテレワークシフトに苦慮している様子がうかがえます。

 テレワーク需要はITベンダーにとっての大きな商機となっていますが、テレワーク下におけるITによる生産性向上や業務効率化への貢献もさることながら、企業のIT管理者が抱えるもう一つの大きな懸念、「テレワーク時代の社員のITスキル」という点にも着眼が必要と考えます。IT管理者の支援・サポートにつながるようなサービス展開もこの先、期待されます。

 

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■調査方法           :全国の従業員50名以上企業への郵送調査    
■調査期間           :2020年8月下旬日~9月月下旬日
■回答社数           :4,740社(うち、テレワーク導入企業 1,705社)

企業におけるテレワーク実施状況や利用ITシステム環境、利用ベンダーやその満足度評価、今後のテレワークIT環境への投資意向等を聴取した調査。
企業業種や所在地域、企業規模等の様々な観点から国内市場におけるテレワーク需要やIT利用動向、事業者浸透状況等を把握・分析頂くことが可能となっております。

 

J.D. パワーについて
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。企業の顧客満足度改善やパフォーマンス向上のソリューション提供のため、現在、北米、南米、アジアパシフィック、ヨーロッパでビジネスを展開しています。

 

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