Press Release

テクノロジーに投資することがフィナンシャルアドバイサーの人材獲得競争に勝利するカギとなる

従業員アドバイザー部門ではEdward Jones(エドワード・ジョーンズ) が、独立系アドバイザー部門ではCommonwealth Financial(コモンウェルス・ファイナンシャル)がそれぞれ首位

 訂正版:2021年8月24日
 

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間7月7日に、J.D. Power 2020 U.S. Financial Advisor Satisfaction Study SM(J.D. パワー 2020年米国ファイナンシャル・アドバイザー満足度調査SMの結果を発表した。本調査では、証券会社に所属した「従業員アドバイザー(Employee)」)と証券会社と提携しているものの独立した「独立系アドバイザー(Independent)」の2部門に分け、6つのファクターに基づいてファイナンシャル・アドバイザーの証券会社に対する満足度を測定している。

 

従業員アドバイザー部門ではEdward Jones(エドワード・ジョーンズ) が、独立系アドバイザー部門ではCommonwealth Financial(コモンウェルス・ファイナンシャル)がそれぞれ首位

証券会社では、市場データ、顧客情報、アカウントサービスツール、AIによる分析といった様々な機能を一つにした新しいアドバイザーワークステーションテクノロジーに多大な投資を行ってきた。本調査によれば、この投資をうまく活用実践していくことはアドバイザー人材を惹きつけ、囲い込むカギとなるだろう。

 

J.D. パワー ウェルス・アンド・レンディング・インテリジェンス部門シニアディレクター、マイク・フォイは、「アドバイザーが業務の中でテクノロジーに依存する傾向は長年にわたって高まっているが、新型コロナ感染拡大を機にこの傾向はかなり加速したと言える。しかしながら、多額の投資を行っているにも拘わらず、多くの企業はアドバイザーのニーズに真に応えるテクノロジーを提供するという点で欠けている。 本調査では、自社が現在提供している核となるテクノロジーに対して”非常に価値がある”と述べているのは、アドバイザーの半数に満たない48%である。企業が優秀な人材を獲得したいならば、これを変える必要があるだろう。」と述べている。

 

2020年の調査の主なポイントは以下の通り:

テクノロジー面の改善がアドバイザーに対しての差別化要因

アドバイザーが自社のテクノロジーの向上を認識しているかどうかは、従業員アドバイザー部門と独立系アドバイザー部門の両方において、アドバイザーの満足度における最も重要な要素になっている。

 

テクノロジーへの依存度とテクノロジーへの評価の乖離

ほとんどのアドバイザー(92%)は、現在、基幹となるライフプランニング、資産配分、ポートフォリオ管理、顧客管理について自社が提供する情報システムに頼っていると述べている。 ただし、その情報システムに対し、“非常に価値がある”と答えたアドバイザーはわずか48%だった。

 

予測分析のAIツールは有望な手段

AI技術などでクライアントのニーズを予測したり、リスクのあるクライアントを特定したりする予測分析ツールを活用しているアドバイザーの割合は比較的低いものの、これらのツールを活用するとアドバイザーの満足度に強力なプラス効果があることがわかった。本調査では、AI予測分析ツールを活用しているというアドバイザーは僅か9%だが、このようなアドバイザーの満足度は、活用していないアドバイザーの満足度と比較し、95ポイント(1,000ポイント満点)も高くなっている。

 

統合が重要

アドバイザーツールとテクノロジーの増加に伴い、ツールの統合は使い勝手の観点からより重要になっている。 現状では、使用しているプラットフォームが、シングルサインオン、データ同期、ワークフローなどの機能で“完全に統合されている”と答えたアドバイザーは、従業員アドバイザーと独立系アドバイザーのいずれもわずか21%である。 完全に統合されたプラットフォームは、そうでないプラットフォームと比較すると、テクノロジーの満足度が大幅に高くなっている。(従業員アドバイザー部門 +276ポイント、独立系アドバイザー部門 +193ポイント)。

 

ファイナンシャル・アドバイザー満足度ランキング

【従業員アドバイザー(Employee)部門】

第1位:Edward Jones (エドワード・ジョーンズ)(920ポイント)

第2位:Raymond James & Associates(レイモンド・ジェームズ・アンド・アソシエイツ)(867ポイント)

第3位:Ameriprise(アメリプライズ)(743ポイント)

 

【独立系アドバイザー(Independent)部門】

第1位:Commonwealth Financial(コモンウェルス・ファイナンシャル)(942ポイント)

第2位:Cambridge(ケンブリッジ)(866ポイント)

第3位:Raymond James Financial Services(レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル・サービシズ)(850ポイント)

 

《 J.D. パワー 2020 年米国ファイナンシャル・アドバイザー満足度調査SM概要 》

年に1回、従業員アドバイザーと独立系アドバイザーの両者に対して、それぞれ、自社や提携先の証券会社に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今年で14回目の実施となる。 なお、本調査は2020年に再設計され、ファクターが7つから6つに統合されている。

■実施期間:2020年1月~4月 ■調査方法:インターネット調査

■調査対象:ファイナンシャル・アドバイザー(従業員アドバイザーと独立アドバイザー)

■調査回答者数:3,262人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を 基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターはアルファベット順に、「報酬」、「リーダーシップと企業文化」、「運営サポート」、「商品とマーケティング」、「専門能力開発」、「テクノロジー」の6ファクターとなっている。

 

*本報道資料は、現地時間2020年7月7日に米国で発表されたリリースを要約したものです。

原文リリースはこちら

https://www.jdpower.com/business/press-releases/2020-us-financial-advisor-satisfaction-study

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

 

訂正(2021年8月24日)
J.D. パワーでのFinancial Advisorの日本語訳を「ファイナンシャル・アドバイザー」に統一したこと等を受け、調査名、及び文中表記を変更いたしました。

 

J.D. パワーについて:J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。

 

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