車載IT技術に継続的な課題は残るものの、自動車メーカー各社の初期品質は大きく改善

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レクサスがブランド別ランキングで2年連続第1位トヨタは5モデルで、GMと日産はそれぞれ4モデルでセグメント別ランキングで1位

米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ: 2012年6月20日-米国の自動車業界が回復を続ける中、自動車メーカーは2009年以降最も堅強な初期品質における改善を示すと共に、かつてない高品質の車両を生産していることが、 J.D. パワー・アンド・アソシエイツ2012年米国自動車初期品質調査(Initial Quality Study、略称IQS)によって明らかになった。

2012年の初期品質の業界平均100台当たりの不具合指摘件数(Problems per 100 Vehicles)は昨年より5件改善し、102PP100だった。これは、2011年から5パーセント改善したことになる。大半の分野において昨年度より向上している中で、はっきりとした例外は、オーディオ/エンターテインメント/ナビゲーションシステムの不具合指摘件数が2011年から8パーセント増加していることである。2006年以降、他の分野では平均24パーセント改善している反面、この分野では45パーセントも指摘件数が増加しており、これは近年の継続的な傾向である。

自動車メーカーが、オーナーシップ体験の向上を目指して設計した高機能なマルチメディアシステムを導入するに従い、それが不具合の原因になっているという車両ユーザーの指摘が増えている。本調査を実施してきた26年間の中で初めて、車両の他のどの分野よりも、オーディオ/エンターテインメント/ナビゲーションシステムに関連する不具合をユーザーは報告している。これは一つには、主要モデルにおける音声認識システムなどの最新技術搭載が急速に増加しているためである。

J.D. パワー・アンド・アソシエイツのグローバル・オートモーティブ部門バイス・プレジデント、デヴィッド・サージェントは、「このような最新機能は今までは高級モデルにのみ使用されていたが、ここ2、3年で急速に各社の主要なモデルに装備されるようになっている。たとえば2012年には、80パーセント以上のユーザーが、自分の新車に何らかのハンズフリー技術が搭載されていると回答している」と述べている。

に過去4年間で、工場装着のハンズフリー通信機器の不具合を報告するユーザーの数は、137パーセントも増加している。実際、ハンズフリー機器がコマンドを認識しない不具合が、業界全体で最多の不具合指摘となっている。

「消費者の生活にスマートフォンが定着し、それがますます高度化するに従い、新モデルで提供される技術への期待も高くなるばかりだ。自動車メーカーとサプライヤーは期待に応えるため、安全性や利便性、そして運転の楽しみを高める努力を惜しまないが、世界最先端の技術も、ユーザーがうまく利用できなければ、それが即時に不満足感へとつながる」とサージェントは述べている。その他の主な調査結果は、以下の通りである。

  • 2012年IQSでランキング対象となった34ブランドのうち、2011年より向上したブランドは26、低下したのは5ブランドであった。また、1つは2011年と同率、2ブランドが2011年の調査には含まれていない。
  • 2012年と2011年のIQS両方でランキング対象となった185モデルのうち、65パーセントが改善された。
  • 新型モデルまたはモデルチェンジ車の平均不具合指摘件数は、2011年と比較して12パーセント改善され、新型モデルまたはモデルチェンジ車の11モデル全てが各セグメント平均より高く評価されている。

26年目を迎えた初期品質調査は、車両購入後90日間の新車の品質を調べる業界基準の役割を果たしており、世界中のメーカーがさらに優れたモデルの設計と製造に役立てるため、そして消費者が自動車を購入する際の目安として幅広く活用されている。初期品質は、年間を通じて、消費者の購入決定に直接影響する長期的耐久性の優れた判断材料となることが示されている。本調査では、ユーザーが経験した不具合を、設計不具合と製造不具合の2つの大きなカテゴリーに分けて捉えている。

2012年ランキングのハイライト

レクサスは、平均不具合指摘件数が73PP100で、ブランド別ランキングで2年連続第1位となった。ジャガーとポルシェは共に75PP100で同率第2位であった。今回の調査で不具合指摘件数が最も改善されたのはジャガーで、昨年から39PP100減少し、20位から躍進している。キャデラック(80PP100)とホンダ(83PP100)がそれに続いている。

21あるセグメント別モデルランキングでは、フォードとレクサスがそれぞれ3つのアワードを受賞した。フォードは、エクスペディション、マスタング、トーラスが、レクサスでは、ES 350、LS、RXがアワードを受賞した。セグメント別アワードを2つ受賞しているのは、インフィニティ(EXシリーズおよびMシリーズ)、日産(フロンティアおよびクエスト)、そしてトヨタ(カローラおよびヤリス)である。ポルシェ911は、プレミアム・スポーティー・セグメントで44PP100となり第1位で あった。これは、2006年の調査設計変更以降で最も低い不具合指摘件数である。

他に、ビュイック エンクレイブ、キャデラック エスカレード、シボレー マリブ、GMC シエラ LD、ホンダ CR-V、起亜 ソウル、マツダ MX-5 ミアータ、そしてボルボ C70がセグメント別アワードを受賞した。

前出のサージェントは、「この数年、少数のブランドが数多くのセグメント別アワードを受賞する傾向にあったが、2012年には、異なる14ブランドがセグメント別アワードを受賞しており、本調査の歴史においても、これほど多くのブランドがセグメント別でトップとなったのは、今回がわずかに二度目である。ほとんどのブランドが卓越した品質を有する数々のモデルを製造しており、これは自動車メーカー各社で広く高品質な車が生産されていることを示す良いデータである」と述べている。

プラントアワード

ホンダ CR-Zおよびフィットを製造するホンダの三重県鈴鹿第3(Sss)工場が、不具合指摘件数が最も少ないモデルの製造によりプラチナ賞を受賞した。プラントアワードには、設計不具合は含まれず、製造不具合の平均値のみに基づいて判断される。

北米/南米地域のプラントでは、レクサスRXを製造する、トヨタのケンブリッジ南工場(カナダ、オンタリオ州)がプラントアワードのゴールド賞を受賞している。

欧州/アフリカ地域では、ボルボ C70を製造するボルボのウッデバラ工場(スウェーデン)がゴールド賞を受賞した。2012年の米国自動車初期品質調査は、2012年型の乗用車、ライトトラック、マルチアクティビティ車を購入もしくはリース契約した74,000人以上の対象者に、購入(またはリース)後90日たってから調査した回答を基にしている。本調査は、228の不具合項目から構成され、自動車メーカーに不具合を特定し、車の改善に役立つ情報を提供することを目的として行われている。本調査は、2012年2月から5月にかけて実施された。

J.D. パワー・アンド・アシエイツについて

米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジに本社を置くJ.D. パワー・アンド・アソシエイツは、パフォーマンス改善、ソーシャルメディア、顧客満足に関するインサイトとソリューションを提供している国際的なマーケティング情報サービス企業である。当社は、毎年数百万人の消費者からの回答をもとに、品質や顧客満足度に関する調査を行っている。車のレビューと評価、自動車保険、健康保険、携帯電話の評価などの詳細は、ウェブサイト、JDPower.comまで。J.D. パワー・アンド・アソシエイツは、ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門である。

ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて

2011 年9 月12 日にマグロウヒルは、国際的な金融市場に情報・分析サービスを提供する世界有数のビジネス情報サービス企業であるマグロウヒル・フィナンシャルと、世界規模でのデジタル教育サービスに特化した教育事業のマグロウヒル・エデュケーションの2 社に分割すると発表した。マグロウヒル・フィナンシャルの主なブランドはスタンダード&プアーズ・レーティング・サービス、S&P Capital IQ、S&P Indices、プラッツ・エナジー・インフォメーション・サービス、J.D. パワー・アンド・アソシエイツである。世界40 カ国に280 カ所以上の拠点、約23,000 人の従業員を有し、2011 年の売上高は62 億ドルにのぼる。詳細は、ウェブサイト http://www.mcgraw-hill.com/ まで。