Press Release

ハイエンドモデルでは価格、ミドルレンジ/エントリーモデルは室内や夜間撮影時の画質で低評価

ハイエンドモデル部門はAppleが総合満足度第1位、ミドルレンジ/エントリーモデル部門はGoogleとXiaomiが総合満足度第1位

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2022年スマートフォン端末顧客満足度調査SMの結果を発表した。

J.D. パワーでは毎年、携帯電話サービスに関する顧客満足度調査を実施しているが、本年はスマートフォン端末の満足度調査も初めて実施した。本調査は2020年以降に発売されたスマートフォンを利用しているユーザー(新品購入者)を対象とし、当初価格が税抜7万円以上の端末を<ハイエンドモデル>、7万円未満の端末を<ミドルレンジ/エントリーモデル>と定義 *1している。

*1 AppleのiPhoneについては最小ストレージ容量モデルの価格で定義

 

分離プラン義務化以降のスマートフォン端末購入方法、キャリア経由が最多

2019年の電気通信事業法の法改正で、携帯電話会社においてスマートフォンの端末代金と携帯電話の通信料金を分けた「分離プラン」の提供が義務化され、通信契約と紐付く端末代金の割引が大きく制限された。それから約3年が経過したが、依然として携帯電話会社からスマートフォンを購入しているケースがほとんどを占めている状況が本調査で浮き彫りとなった。

現在使用しているスマートフォンを「現在契約している携帯電話会社」から購入したユーザーは72%、「以前利用していた携帯電話会社」で購入したユーザーは13%となり、携帯電話会社から端末を購入しているユーザーが合計で8割を超えている。「量販店やメーカー通販サイト、直営店等」で購入したユーザーは1割強にとどまり、年齢別にみてもこの構図は変わらない結果となっている。

このような結果となっている背景には、携帯電話会社による端末自体への割引導入や残価設定型による分割払い等の購入支援策が講じられていることがあると考えられる。これら携帯電話会社による販売施策を利用して大きな負担なく新機種の購入を行うユーザーが多いと推察される。

 

ハイエンドモデルでは価格、ミドルレンジ/エントリーモデルは暗い室内や夜間の撮影画質が低評価

本調査では総合的な顧客満足度に影響を与える6ファクター(「端末価格」、「外観・デザイン」、「本体機能・性能」、「ディスプレイ」、「カメラ」、「バッテリー」)を設定し、それらに関連した計20の詳細評価項目の評価を聴取している。

全20項目の中で評価が低かった項目に着目すると、ハイエンドモデル部門では「端末本体の価格」が最も低い評価となった(下図参照)。10万円以上となる端末が一般的となっているハイエンドモデルでは、多くのユーザーが端末の価格帯に不満を感じているとみられる。

ミドルレンジ/エントリーモデル部門では、「暗い室内や夜間での写りの良さ」が最も評価が低い項目となった。スマートフォンで写真や動画があらゆるシーンで日常的に撮影される現在、ハイエンドモデルよりもカメラの機能・性能が劣る機種が多いミドルレンジ/エントリーモデルでは、明るさが足りない暗所での撮影画質に不満を感じるユーザーが多いことがうかがえる。

また、両部門ともに評価が低かったのは、「バッテリーの持ち」、「生体認証機能の性能」、「保存ストレージ容量の適切さ」で、中でも「バッテリーの持ち」は2番目に評価が低い項目となった。

2022_JP_Smartphone_device_chart1

 

ミドルレンジ/エントリーモデルユーザーほど強い長期使用意向

 スマートフォン端末の買い替えサイクルについての意向を聴取したところ、「1年程度」または「2年程度」の短いサイクルで買い替えたいというユーザーは、ハイエンドモデルユーザーでは合計で約3割(29%)、ミドルレンジ/エントリーモデルユーザーでは2割(20%)となり、ハイエンドモデルユーザーほど短いサイクルでの買い替えを考える傾向が強い結果となった(下図参照)。

一方で、ミドルレンジ/エントリーモデルユーザーでは「期間はわからないが、できるだけ長期間」使い続けたいというユーザーが約4割(38%)に上り、ハイエンドモデルよりも低価格となるミドルレンジ/エントリーモデルを利用しているユーザーの方が長期的に使用したいと考える傾向にあることがうかがえる。

顧客満足度の観点からは、ハイエンドクラスのみならずミドルレンジ/エントリークラスの端末においても長い期間利用され続けることを念頭にした製品開発やサービス提供が期待される。

2022_JP_Smartphone_device_chart2

 

J.D. パワー 2022年スマートフォン端末顧客満足度No.1を発表

総合満足度ランキングは下記の通り。

 

<ハイエンドモデル部門>(対象4ブランド)

第1位:Apple(696ポイント)
 「外観・デザイン」、「カメラ」、「本体機能・性能」、「ディスプレイ」、「バッテリー」、「端末価格」の全ファクターで最高評価。

第2位:ソニー(680ポイント)

第3位:SAMSUNG(654ポイント) 

 

<ミドルレンジ/エントリーモデル部門>(対象9ブランド)

第1位:Google、Xiaomi(同点、662ポイント)
 Googleは「カメラ」ファクターで最高評価。
 Xiaomiは「ディスプレイ」、「バッテリー」、「端末価格」の3ファクターで最高評価。

第3位:Apple(650ポイント)
 「本体機能・性能」、「外観・デザイン」の2ファクターで最高評価。

《 J.D. パワー 2022年スマートフォン端末顧客満足度調査SM概要 》

年に1回、スマートフォン端末の利用者を対象に、スマートフォン端末の利用状況や満足度を聴取し明らかにする調査。今回、初めての実施となる。第1回目となる今回は2020年以降に発売されたスマートフォン端末を対象とした。

■実施期間:2022年7月下旬~8月上旬 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:2020年以降に発売されたスマートフォン端末を利用している人(新品購入者、18~74歳)
■調査回答者数:8,314人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。

ハイエンドモデル部門:「外観・デザイン」(22%)、「カメラ」(19%)、「本体機能・性能」(18%)、「ディスプレイ」(17%)、「バッテリー」(17%)、「端末価格」(8%)

ミドルレンジ/エントリーモデル部門:「本体機能・性能」(24%)、「外観・デザイン」(19%)、「カメラ」(17%)、「ディスプレイ」(14%)、「バッテリー」(14%)、「端末価格」(12%)

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。

 

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