Press Release

2023年自動車保険契約者満足度調査

ダイレクト系への切替え理由に変化の兆し。AIG損保とソニー損保が前年に続き各部門でトップ

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2023年自動車保険契約者満足度調査SMの結果を発表した。

 

業界全体の顧客満足度は、代理店系、ダイレクト系ともに横ばい

本年調査の総合満足度は、代理店系保険会社*1の部門平均が前年比-3ポイントの642ポイント、ダイレクト系保険会社*1の部門平均が前年比-1ポイントの673ポイント(ともに1,000ポイント満点)となった。前年調査(2022年11月発表)では、ダイレクト系の満足度が向上したが、本年調査では両部門ともに横ばい圏内の動きであった。総合満足度を構成する5ファクターを見ても、前年から10ポイント以上増減しているものはいずれの部門でも見られなかった。

*1 以下、代理店系保険会社を代理店系、ダイレクト系保険会社をダイレクト系と記載。

 

保険会社の選定理由、過去5年で変化が見られず

代理店系とダイレクト系では保険会社の選定理由に大きな違いがあり、この傾向は過去5年で大きく変わらない。

本年調査の代理店系の選定理由トップ5は、「契約手続きがしやすい」、「事故対応がよさそうだから/よかったから」、「代理店に勧められた」、「家族や友人とのお付き合い」、「変更するのが面倒だった」であった。一方、ダイレクト系の選定理由トップ5は、「保険料が安い」、「契約手続きがしやすい」、「自分に合った補償内容/商品がある」、「補償内容/商品が充実している」、「見積りや情報が入手しやすい」であった。

代理店系では、回答割合が特筆して高い理由はないものの、受身・消極的な理由(「代理店に勧められた」、「家族や友人とのお付き合い」、「変更するのが面倒だった」など)が目立つ。一方、ダイレクト系では、「保険料が安い」といった、自動車保険の本質的な内容が上位を占めている。

これらは過去5年を振り返っても変化が見られず、契約チャネルによる自動車保険の選ばれ方に概ね変化が見られないことが確認される。

加えて、この傾向は自動車保険選定時の情報収集源にも表れており、ダイレクト系では86%が何らかの情報収集をしているのに対し、代理店系では50%しか情報収集をしていない。

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ダイレクト系への切替え理由に変化の兆し

前述のように保険会社の選定理由には変化がないが、保険会社の切替え理由には、変化の兆しが見られる。代理店系からの切替え、ダイレクト系からダイレクト系への切替えを問わず、ダイレクト系へ切替えた顧客の選定理由のトップは「保険料が安い」であるが、その割合は前年に比べ減少している。また、代理店系からダイレクト系へ切替えた顧客の選定理由を見ると、「保険料が安い」は前年比16ポイント減少し、「評判がよい」、「補償内容/商品が充実している」がそれぞれ9ポイント、8ポイント増加した。

加えて、本調査では自動車保険選定時の意識について、「補償内容の充実度合いを重視」と「保険料の安さを重視」のどちらがより近いかを聴取しているが、代理店系からダイレクト系へ切替えた顧客において、「補償内容の充実度合いを重視」が前年比8ポイント増加しており、保険料の安さよりも補償内容の充実度合いを重視する姿勢が強まっていることが確認される。依然として自動車保険業界全体でのシェアが高いのは代理店系の自動車保険であるが、ダイレクト系の選ばれ方に変化の兆しが確認されたことは注目に値する。

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J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一のコメント

「大手中古車販売会社による保険金不正請求問題が大きく騒がれる中、本年調査により自動車保険の選ばれ方に変化が確認されたことは注目すべき点であると言える。今回の事件では、保険会社の顧客本位の仕組みづくりに課題があったことを示すとともに、自動車保険の契約者が顧客重視の会社を選ぶ姿勢を十分に持てていないことが根本的な背景にあったと言える。しかし、代理店系からダイレクト系へ切替えた顧客の選定理由を見ると、「保険料が安い」が大きく減少する一方、「評判がよい」や「補償内容/商品が充実している」が増加しており、契約者が本質的なサービス品質を重視する姿勢へ転換しつつあることを示している。こうした顧客の姿勢の変化も踏まえ、自動車保険会社各社は、顧客本位の仕組みづくりを構築・強化する姿勢が強く問われており、正念場にあると言える。」

 

J.D. パワー 2023年自動車保険契約者満足度No.1を発表

各部門の総合満足度ランキングは下記の通り。

 

【代理店系保険会社部門】(対象5社)

第1位:AIG損保(672ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「契約内容/契約手続き」、「価格」、「保険証券」、「顧客対応」、「事故対応/保険金支払」の全5ファクターで最高評価。

第2位:三井住友海上(652ポイント)

第3位:東京海上日動(646ポイント)

 

【ダイレクト系保険会社部門】(対象7社)

第1位:ソニー損保(689ポイント)
7年連続の総合満足度第1位。「契約内容/契約手続き」、「顧客対応」、「事故対応/保険金支払」の3ファクターで最高評価。

第2位:セゾン自動車火災(678ポイント)
「保険証券」ファクターで最高評価。

第3位:チューリッヒ(674ポイント)
「価格」ファクターで最高評価。

 

《J.D. パワー 2023年自動車保険契約者満足度調査SM概要》

年に1回、自動車保険(任意保険)の契約者を対象に実施し、契約保険の内容や、契約期間中の自動車事故保険金請求時の対応、新規申し込みを含む各種手続きや問合せ時の保険会社・代理店の対応実態や満足度を聴取し明らかにする調査。今回で12回目の実施となる。

■実施期間:2023年7月中旬 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:自動車保険(任意保険)の契約をしている人(18~99歳)
■調査回答者数:3,941人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「契約内容/契約手続き」(32%)、「価格」(18%)、「保険証券」(17%)、「顧客対応」(16%)、「事故対応/保険金支払」(16%)となっている (カッコ内は影響度)。

商品の主な販売方法を基に「代理店系保険会社」と「ダイレクト系保険会社」の2部門に分け、それぞれの顧客満足度を測定している。部門定義は以下のとおり。

<代理店系保険会社>専門代理店や車の販売店などの保険代理店をベースに事業を展開する保険会社
<ダイレクト系保険会社>代理店を介さずに主にインターネットや電話などで契約者と直接契約する保険会社

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

 

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

           

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。 

 

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