Press Release

EV購入時の満足度向上には最新技術の訴求が鍵

ラグジュアリーブランドではレクサス、マスマーケット国産ブランドでは日産が第 1 位

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、今年で22回目の実施となる、J.D. パワー 2023年日本自動車セールス顧客満足度(Japan Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査SMの調査結果を発表した。

 

2023年のスコアの概要は下記の通り: 

  • 総合満足度の調査平均スコアは720ポイント(1,000ポイント満点)で、前年比-13ポイント。
  • ファクター別の業界平均スコアでは、「契約手続き」が730ポイント、「店舗施設・サポート」が729ポイント、「商談」が720ポイント、「納車」が705ポイントとなった。
  • セグメント別の総合満足度スコアは、ラグジュアリーブランド平均が771ポイント、マスマーケット国産ブランド平均が716ポイントとなった。

 

2023年調査の主なポイントは下記の通り:

 

長納期化の影響はさらに拡大

新車販売市場では、世界的な自動車部品の供給不足に加え、ウクライナ情勢の悪化により流通の乱れに拍車がかかっている。このような要因を受け、2022年4月~2023年3月に正規ディーラーで新車を購入した顧客の納車に対する評価は、前年比-21ポイントと大幅に低下した。「契約してから納車までの期間」が3ヶ月を超えていた割合は前年の23%から47%に増加し、新車の長納期化が一層顕著となっている。

長納期の問題は、ディーラーによる納車までの対応面にも影響を及ぼしている。納車時期の事前案内が「週単位での目安となる時期の案内があった」という割合は、前年の50%から12ポイント低下して38%となった。また、事前の納車予定時期と比べて、実際の納車が「予定通りだった」という割合も前年の55%から47%へと低下している。納車時期の見通しが以前より不透明になり、顧客へ正確な納車予定時期を事前に伝えることが難しくなってきている状況と言える。

今後、長納期に対する顧客の不満がさらに悪化しないよう、メーカー側の納期の短縮もさることながら、ディーラーによる案内の改善も求められる。

 

EV購入時の満足度向上には最新技術の訴求が鍵

自動車メーカー各社によるEV(電気自動車)のモデルは、日本市場においても年々増加し、広がりを見せ始めている。そのような中、EV購入者と従来の内燃機関車(ガソリン車/ディーゼル車)購入者による商談に対する評価は同程度となっている。

EV購入者は、購入までの来店回数が「3回以上」となったのが44%であり、内燃機関車購入者の35%よりも割合は高い。また、ディーラーの担当者から「購入予算を考慮した提案があった」のは、EV購入者で78%と内燃機関車購入者(83%)より低く、「予算より高くなった」という割合がEV購入者では56%と、内燃機関車購入車(47%)を上回っている。EV購入者は、内燃機関車購入者より商談回数は多く、想定より割高な価格での購入となっている様子がうかがえるが、商談時に「自社モデルと競合モデルとの違い」、「最新技術/機能について」などの説明があった割合では、EV購入者と内燃機関車購入者での差は認められず、EVの魅力についての十分な訴求には至っていないと思われる。

EVを始めとする新しい車の販売拡大が予想される中、従来の車とは異なる新技術や特徴を顧客に訴求していくことは、今後の高い顧客満足を得るためには不可欠なポイントと考えられる。

EVは購入後のランニングコストが抑えられることや環境面への配慮、そして、加速や走行性能の良さなど、内燃機関車とは異なる様々なメリットがある。現在は顧客が事前に想定する予算と実際の購入価格のギャップが割高感として受け止められているが、EVの持つ性能や特徴を顧客に周知し、理解促進を図ることで、価格に見合う価値へとつなげていくためにも、ディーラーでの適切な説明や案内といった活動が今後ますます重要なものになっていくことであろう。

 

J.D. パワー 2023年 日本自動車セールス顧客満足度調査 総合満足度ランキング

 

【ラグジュアリーブランド】(対象5ブランド)

第1位:レクサス(796ポイント)
「店舗施設・サポート」「商談」「契約手続き」の3ファクターでセグメント中最高評価。

第2位:ボルボ(775ポイント)

第3位:BMW(774ポイント)

 

【マスマーケット国産ブランド】(対象8ブランド)

第1位:日産(736ポイント)
「店舗施設・サポート」「契約手続き」「納車」の3ファクターでセグメント中最高評価。

第2位:マツダ (722ポイント)

第3位:ホンダ (721ポイント)

《 J.D. パワー 2023年 日本自動車セールス顧客満足度調査SM概要 》

年に一回、新車購入後2~13ヶ月が経過した国産および輸入車ブランドの乗用車保有者を対象に、乗用車を新車で購入した際のメーカー系正規ディーラーの対応に関する満足度を聴取し明らかにする調査。今年で22回目の実施となる。

■実施期間:2023年5月~6月 
■調査方法:インターネット
■調査対象:メーカー系正規ディーラーから新車購入後、2~13ヶ月経過したユーザー(18歳以上)
■調査回答者数:7,219人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に「納車」(26%)、「店舗施設・サポート」(26%)、「商談」(26%)、「契約手続き」(21%)となっている(カッコ内は影響度)。

 

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

 

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

 

J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。

 

J.D. パワーでは、本調査以外にも、毎年複数の自動車関連調査の結果をリリースとして発表しています。

~2023年  J.D. パワー 自動車関連調査発表スケジュール~

  • 日本自動車セールス顧客満足度調査 SSI(8月)    
  • 日本自動車サービス顧客満足度調査 CSI(8月)
  • 日本自動車初期品質調査 IQS (9月)        
  • 日本自動車商品魅力度調査 APEAL(10月)
  • 日本自動車テクノロジーエクスペリエンス調査 TXI(11月)
  • 日本EV検討意向調査 EVC(12月)

 

 

2023_Japan_SSI_Rankingchart_J1
2023_Japan_SSI_Rankingchart_J2
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