ソフトウェアサポートにおける顧客満足度の新たなけん引役
【カスタマーサービス アドバイス&インサイト】第3回:ソフトウェアサポートにおける顧客満足度の新たなけん引役
※本記事は2023年1月30日に米国J.D. パワーにて発行されたコラム("There’s a New Top Driver of Customer Satisfaction for Global Software" By Mark Miller)を翻訳したものです。
今回はテクニカルサポートセンターの満足度向上のけん引役となる「オペレーターの知識」について取り上げたい。
「オペレーターの知識」とはなにか?なぜ重視すべきなのか?
「オペレーターの知識」ファクターとは、オペレーターが顧客の問題を正しく理解し、その問題解決のために必要な見識を生かして、解決策を顧客に説明する能力について、顧客がどのように認識しているかである。ソフトウェア企業のテクニカルサポートでは、顧客はオペレーターが知識を持ち、顧客の問題を解決するために適切なソリューションを提供することを要求している。
今、「オペレーターの知識」に注目すべき理由は、ソフトウェアのテクニカルサポートの電話対応において、顧客にとっての重要度が飛躍的に高まったからである。コロナ前はこの指標は(6ファクター中)4位に位置していたが、最新の調査では、その重要度(総合的な満足度への影響度)が32%上昇し、他の指標よりも大幅な増加を見せて1位に躍り出た。
テクニカルサポートセンターの総合満足度を測定する6ファクター
「オペレーターの知識」の重要度が飛躍的に向上した背景
今回のように重要度に大きな変動が生じた場合は、この分野における各企業のパフォーマンスに大きな差が生じていることを示唆しており、なぜうまくいっている企業とうまくいっていない企業があるのかを問う必要がある。
コロナ禍で、リモートワークへのシフト、大量離職、コスト抑制の動きが相まって、オペレーターの減少が進み、適切な投資をしなかった企業で、多くのテクニカルサポートオペレーターの質が低下しているというのが当社の見解である。
どのように対応すべきか?
重点的に取り組むべきポイントは、大きく分けて、
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オペレーター人材の定着
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オペレーターを支援するテクノロジーの有効活用
の2点である。
リーダー陣は、トップパフォーマーモデリングの活用による適切な人材の採用を優先的に行い、オペレーターの仕事に対する意義・意欲を向上させるためのスーパーバイザーのスキルセット向上に注力することで、より高い人材定着率を達成する必要がある。
オペレーターが問題を特定し、効果的に問題を調査し、効果的に問題を解決し、効果的に解決策を説明するための支援テクノロジーを活用し、より長く勤続するオペレーターと組み合わせることで、それらを実行できない、またはしようとしない競合事業者に対しての優位性が生まれるであろう。
バックナンバー:【カスタマーサービス アドバイス&インサイト】
第1回:「コンタクトセンターの顧客満足に最も大きいウェイトを占めるドライバーをいかに改善するか」はこちら
第2回:「カスタマーサポートにおけるデジタルチャネル利用定着のポイント」はこちら
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