コラム

オムニチャネルサポートにおいて「チャット」がCX向上に重要な役割を果たす理由

【カスタマーサービス アドバイス&インサイト】第6回 :オムニチャネルサポートにおいて「チャット」がCX向上に重要な役割を果たす理由

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※本記事は2023年4月28日に米国J.D. パワーにて発行されたコラム(” Why Chat is an Important Part of Your CX Strategy”)を翻訳したものです。

 

「オムニチャネルカスタマーサポート」とはなにか?
オムニチャネルサポートへの顧客期待とは?
 
優れたカスタマー・エクスペリエンス(CX)戦略は、企業価値の向上、市場競争力の強化、顧客の維持や顧客による顧客紹介機会の創出、従業員の定着率の向上など、多くの効果をもたらす。CX戦略を策定する際には、既存のカスタマーサポート/サービスチャネルを把握し、顧客が期待するインタラクションポイントや手段を提供できているかどうかを確認する必要がある。
 
オムニチャネルによるカスタマーサポートとは、顧客を中心としたシームレスなインタラクションを提供するために、サポートチャネル間のカスタマージャーニーを最適化することに焦点を当てたものと定義することができる。優れたオムニチャネル戦略は、顧客がオンデマンドで多くのタッチポイントを経由して企業とつながることを可能にすることで、より良い成果をもたらすと言える。
 
顧客の期待は常に変化していくものであるが、究極的には、普遍的な要素がいくつかある。J.D. パワーの調査によると、「知識」、「丁寧さ」、「顧客ニーズへの配慮」、「情報のわかりやすさ」、「問題解決のタイミング」、「迅速さ」が顧客満足度を高める要因(ファクター)の上位にあることがわかっている。 
 
顧客が「チャットサポート」に期待すること
 
オムニチャネルによるカスタマーサポートの1つであり、かつ企業側と顧客側双方にとってメリットのあるサポートチャネルが「チャット」である。
企業とのコンタクトにおいて電話など他のチャネルではなく、チャットを選択する場合、顧客はどのような要素を考慮するだろうか?
総じて顧客はどのようなチャネルであっても、パーソナライズ化された手間のかからない顧客体験を求める傾向にある。しかし、選択したチャネルとその時点で実現したいことに基づいて、顧客体験の各要素の重要性が変化する。
チャットに関しては、顧客は「利便性」、「リアルタイムな対話」、「マルチタスクでできること」、「迅速な応答」をより求めている。
 
チャット利用の人気は高まっており、顧客満足度が高いトップパフォーマーは、特に応答時間に積極的に取り組んでいる。J.D. パワーが実施した最近のログデータのレビューでは、トップパフォーマーはオンラインチャットのリクエストに19秒以内で応答していることがわかった。一方、コールセンターでの電話応答の場合はそれよりも遅い57秒以内での応答となっている。
 
オムニチャネルサポート戦略においてチャットサポートを提供するメリットとは?
 
有人によるチャットサポートは非常に費用対効果の高いサービスとなり得る。同時に複数の顧客をサポートできるため、一般的に電話によるサポートチャネルよりもコストを抑えられる。また、電話によるサポートチャネルと同様に、顧客との会話をパーソナライズ化することもできる。インテリジェントルーティング、コブラウズ(画面同期)、スクリーンショットの送信、ビデオ再生、ウェブコンテンツへのリンク送信など、すぐに利用できるテクノロジーを使えば、ROIと顧客満足度をさらに向上させることが可能となる。
 
有人チャットは、カスタマーサービスにおけるコストを削減し、顧客の問題解決までの時間を短縮したいすべての企業にとって、検討すべきものである。企業は顧客から直接フィードバックを求め、このチャネルの使用に対する要望を理解し、既存のサポートチャネル戦略においてチャットサポートの導入によって不足が解決される可能性のある領域を特定する必要がある。
 
顧客の期待が進化するにつれて、オムニチャネルサポート戦略も進化する。企業はオムニチャネル戦略を一貫して評価し、各チャネルが個別に、また全体としてどのように機能しているかを評価し、顧客のニーズにより対応できるような余地があるかを判断し続けていくことが望まれる。
 
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